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異端の飲み物?ユンヨンチャー

夫は毎朝、小さな保温ボトルにドリップコーヒーを入れて出勤する。
以前は会社の自販機で毎日コーヒーを買っていた(最低2本は必ず)のでかなりの節約になっているらしい。
なんとなく健康にも良さそうな気がする。


なので私の朝の仕事はまず電気ポットでお湯を沸かすことから始まる。
夫の小さなボトルにコーヒーを入れるのだ。

なんて良い妻だ…と自画自賛。

朝ギリギリまで寝てバタバタ出て行く夫は自分でドリップする余裕がないだけなのだが、家計の助けにもなるし実は私自身のためでもあったりする。

朝イチのドリップコーヒーの香りは精神的に癒されるのだ。

飲む時よりむしろドリップしている最中が一番良い香りのような気がする。
密かに美味しいとこ取り。


粉を蒸らしてからお湯をかけると白いミルクのような泡を出しながら膨らんでいくコーヒーの粉。

丁寧な暮らしをしてる気分になれる。
部屋の中は盛大に散らかってるけど見ないフリ。


ポットに入れ終えた出涸らしのドリップコーヒー。
セコケチな私は自分のマグカップに移してもう少しだけお湯を注ぐ。

一杯分はさすがに無理。
しかし50ml〜80mlくらいならまだかろうじて香りも味わいも感じられるコーヒーができる…気がする。

当初はそれをグイッと飲み干したり、牛乳と混ぜて薄いコーヒー牛乳にしていた。


しかしある日

「これに紅茶を入れたらどうなるんだろう?」

興味の血が騒いだ。


私はあまり人がやらなさそうなこと、常識的な人達が「普通やらないでしょ(笑)」とか言いそうな物事に惹かれる性質がある。
手間がかからないことに限る、だが。


底の方に少しだけコーヒーが入っているマグカップ。
そこに熱々のお湯を注ぎ、ティーバッグを入れて蓋をして蒸らしてみた。

数分後…さぁ実飲!


ゴクゴク…


…ん?イケる!

…アリ…これはアリかナシかの、アリだ!


紅茶のような軽さの中にほんのりと現れるコーヒーの苦味と香り。

朝イチのコーヒーがキツく感じることもある昨今、かといって紅茶では物足りない、そんな時には持ってこいかもしれない。


しかし、コーヒー党にも紅茶党にも猛烈に非難されそうな背徳の飲み物。

希少なコーヒー豆や高級茶葉でやっちゃアカンやつ。
多分勿体ない、そこまで良いモノじゃない。

でもコーヒーにも紅茶にも少し飽きてきて、手元にリーズナブルなコーヒーや紅茶があればやってみてもいいかも、というレベル。


うわぁ新発見!

でも友人知人に勧めるほどかと言われると
「どうしてわざわざ混ぜるの?」
「せっかくの良い香りが…」
と引かれそうな気もする。

これは異端の飲み物として家で密かに一人楽しむのが正解か…。


そんなことを考えながら何の気なしにネットで検索してみた。


…あった!!

存在したのだ、コーヒーと紅茶を混ぜた飲み物が!

香港で鴛鴦茶(ユンヨンチャー)と呼ばれているものらしい。


そりゃそうだ。
二つの飲み物を混ぜただけのこんな簡単な飲み物、数百年間誰もやったことがない訳ないのだ。

全然異端じゃなかった…。


でもメジャーにならなかったということは、
…そういう事なんだろう。


興味がある方は一度お試しあれ。
思ってるほど不味くはないと思うよ。

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