子供がしんどい時に学校を休ませるという選択
昨晩、習い事から帰ってきた子供が「しんどい」と言ってきた。
出かける時は普段通りだったのに…。
熱を計るが平熱かいつもより少し低いくらい。
咳も鼻水も出ていない。
ただキャラクターの『ぐでたま』のようにグッタリしている。
「眠いだけか?寝たら治るか?」
と思っていたが、
今朝起きても状態は変わらなかった。
熱は無いけど相変わらずグデッとしている。
怠けたい嘘の可能性も思い浮かんだ。
だが我が子は真面目すぎるほどの真面目人間。
これまで理由なく学校や幼稚園を休んだことはない。
親に言えない悩み事があって…という感じでもなさそうだ。
これは多分、熱がなくても本当にしんどいやつなんだろう…
親の勘がそう訴えてきた。
熱もない咳も鼻水もないのだけど、今日は学校を休ませることにした。
子供はいま布団をかぶって寝ている。
これから熱が上がってくるのかもしれない。
そして同時に思う。
こんな風に休ませることができるのは、今日、私の仕事がないからだなぁ、と。
もし私がフルで働いていたら無理に登校させていただろう。
子供が熱も鼻水も咳もしていないのに職場に迷惑をかける度胸は私にはない。
もし休ませるにしても不機嫌オーラを全開にして、恩着せがましく子供の前で職場に電話して、その後も子供にネチネチ当たってしまうだろう。
私の心の器はお猪口レベルだ。
夫の仕事はリモートワークが難しい。
「子供の関係で休んだりお迎えに行って欲しいと頼まれても、僕の職場は遠いし簡単に調整できるような仕事ではない」
「働きに出るなら僕には頼らないのを前提に仕事を探して」
と以前から言われている。
彼は毎日朝は早いし帰宅も遅い。
言われる前から頼れないとわかっているし、これまで共に暮らしてきて「そうは言ってもいざとなれば…」は絶対にないタイプだとわかっている。
両親が仕事するということは子供も働くということだなぁとつくづく思う。
お互い元気な時はいい。
問題は子供が病気になった時や、ちょっとしんどい時、なんとなく心細い時だ。
子も辛いだろうが親も辛い。
両親のどちらかが在宅勤務できるなら大丈夫だろう。
しかし、それができない場合、皺寄せがどこかに起きてしまう。
ある人は「職場に迷惑をかけられない」と風邪気味の子を家に寝かせて仕事に行ったそうだ。
夕方、仕事から帰ってくると子供が心細い表情でたたずんでいた。
寂しくて食欲も出ず、用意した昼ごはんも手付かずで過ごしていたのだそう。
朝、親の方が先に家を出るお家は、子供がちゃんと時間通りに家を出たのか、二度寝してないか、学校をサボっていないか、鍵をかけ忘れていないか、いつも気になってしまうらしい。
子供が病気で休む電話を入れるとあからさまに迷惑そうな対応をされる職場もあるようだ。
そういう日が続いて翌月からシフトをあからさまに減らされ、仕事内容も干され、職場に居場所がないと嘆いていた方もいた。
そのママの気持ちも、そして職場側の気持ちもわかる。
子供が帰宅する時間まで働こうと早く終わる雇用時間のパートを始めたけれど、
「もう◯年生なら1人で留守番できるわよ」
「ちょっと過保護すぎるんじゃない?」
「少し残業してもらえると助かるんだけど」
と周りのパートさんからの圧に苦しんでいる方もいる。
もちろん平和で子育て親に優しい職場もたくさんあると思う。
リモートワークを奨励している職場も増えた。
でも、世の中そんな職場ばかりではない…。
私はいま派遣会社に登録している状態だ。
短期のパートに応募するも、希望する時間帯の仕事は競争率が高くてなかなか仕事にありつけない。
子供がもう少し大きくなったらフルタイムでどこかに働きに行こうと思っている。
フェミニストの先生方が聞いたら
「あなたのような人がいるから女性の社会進出が遅れるんですよッ!」
と怒られるヤツだろう。
「その通りです、ごめんなさい」
としか言えない。
働いていないから裕福な家庭という訳でもない。
日々安い食材を探し、美容室などの費用はなるべく抑え、家計の範囲内で生活している。
どうしても必要だと思った物は独身時代の貯金でまかなっている。
ここ最近の物価高もキツい。
夫と家計の交渉が必要だと感じている。
しかし、それでも私が働かなくては生活が立ち行かないことはない。
共働きのご家庭を非難するつもりはない。
心の葛藤もいかばかりかと思うし、家庭と仕事の両立に心底尊敬している。
子供も早いうちから自立して鍛えられる、という側面もあるだろう。
私自身、日頃働いていないことに対して肩身が狭い思いをしている。
しかし時々起きるこういう日、
私はこの程度の症状の子を家で休ませられる生活を選んだのだなぁと思う。