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嫌な事を言われて言い返せない理由

私はどうも人から失礼なことを言われやすい見た目をしているようだ。
他人だけでなく親からの無神経な発言にも傷つく時がある。

発言に傷ついたことを相手に伝えると

「そんなつもりはなかった」
「それはあなたの考えすぎだ」
「この程度で傷ついてたら生きていけない」

勇気を出して指摘したのに
ブーメランとなって自分に返ってくる経験を
沢山重ねてきた。
言ってもモヤモヤが倍増するだけなので、
最近は多少の事は「ふーん、そうかい」と
聞き流しておくことが多い。


見た目でよく
「穏やかそう」「優しそう」と言われるから
何を言っても大丈夫と思われるのも一因かもしれない。
実際、言い返さないのだから当たっているけど。



まれに明らかに悪意を感じる発言や
失礼な発言、態度をしてくる人もいる。
大抵、私は気にしていないフリ。
聞き流してしまうか
余裕があれば冗談で返してしまう。



そんな意地悪な人に言い返さない理由、
それは
私はそんな人達の方が「どうかしている」と思っているからだ。

同じ土俵に立つなんて自分が許せない。
心乱されるのは自分のプライドが許せないのだ。


それに、
嫌味を気にせず真面目にやっていたら
だんだんそれを見ている周りの人達が
「相手の方がおかしいかも」と気づいてくれる。
見て見ぬふりをしていた人達が味方してくれる。
そんな経験を何度か積んできたから
失礼なことをされて一瞬腹が立つけれど、
「あぁ自分で墓穴を掘ってるなぁ…馬鹿だなぁ」
と頭の中で思うことでスルーしている。

思うところはあっても
同じ穴のムジナにならないよう
嫌な人に対しても最低限の礼節はわきまえる。


運悪く周りの人も「どうかして」いたら、
その時はすみやかに退散。
その見極めは大事。
学生時代ではないから
無理して居続ける必要はないのだ。

なぜか苦労知らずで育ったようにも見られがちで
「お嬢さんでぬくぬく育ってきたんでしょう」
みたいなことを面と向かって言う人もいる。
「私の方が苦労人で人生経験豊富、深みのある人間だ」
と暗にマウントを取りたいのかなと思う。

しかし、
そんなことを言う人は大抵会って間もない人。
狭い人間関係の中で妙に偉そうだったり、
驚くほど内弁慶だったりする。

二人で膝を突き合わせて話したこともないのに
見た目で判断できる(と思い込んでいる)のが
逆に私は不思議で仕方ない。

その人の勘は当たっていて、
実際、私はその人よりぬるい人生を歩んできたかもしれないけれど、それが何か?とも思う。
それにお嬢さん育ちは完全に不正解だ。

私の生まれはかなり下町。
家はドアを開けたらすぐ階段で、和式便所、風呂無しのアパートだ。
毎日、銭湯か近所にある父の実家でお風呂を借りていた。
父は小さな私を連れてパチンコ屋に出入りしていたそうな。(犯罪に巻き込まれなくて良かった)
なかなかの下町っぷり。

ある時、親が一念発起して
そこから新興住宅地に引っ越したので、
相手は新興住宅地育ちと思って揶揄しているのだろうが、
三つ子の魂百までとはよく言ったもので
いまだに自分のルーツはその下町にある気がしている。

相手が勝手に想像しているよりは泥臭い人生のような気もするが、
わざわざそれを相手に説明する義理はない。

そもそもだが、
超能力で相手の人生が見えたとして、
マトモな人間なら面と向かってそんな失礼な言い方はしないのではないか?

だから私は言い返せない。
「どうしてこの人は会って間もない人にこんな事が言えちゃうんだろ?」
「どうしてこの人は言われた相手がどう思うか考えないんだろう?」
驚きと呆れから頭が真っ白になって
怒る前に体の芯が脱力してしまうのだ。


よほど理不尽な時や問題の責任転嫁をされそうになったら
さすがの私も怒って言い返すけれど、
些細な失礼、無神経な言動に対しては
上記のような理由で言い返せなくなってしまう。


しかし残念ながらノーダメージではない。
やっぱりチクチクとかすり傷はついてはいるし、
頭をガツンと殴られた気分にもなるし、
もしかして他の人も…と人間不信にもなる。
手足が冷たくなって
血圧も多少上がっているかもしれない。


相手の態度や発言を失礼だと感じたら、
ちゃんと言い返した方がいいのだろう。
でも同じ土俵にはやっぱり立ちたくない。


「同じ土俵には立たないけどしっかりスマートに言い返す」


今は次のフェーズを模索中だ。


遠藤憲一さんや的場浩司さんのような
コワモテな顔の人にこんな悩みはないだろうな。
それはそれで辛いこともあるのだろうけど、
ちょっと羨ましい。


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