十王星南のTrueENDを見た瞳で犬束静紅を見る。
10連で十王会長来ました。
どうも、通りすがりの手毬Pです。
というわけで十王会長、プロデュースしました。TrueEND終わりました。
その上で度々話題に上がる『GOLD RUSH』を読んだのですが…少しだけ犬束静紅を観る目が変わりましたので、その視点を少し共有したいなと思いましてしたためている所存です。
十王星南、という女。
十王会長、彼女は完全無欠の天才的なアイドル様…かと思ったら、自身の才能を悲観していて、アイドルという存在に激情を抱いていて、ポンコツで可愛くて、夢を諦めきれないただの星でした。
ことねに向けたストーカーじみた行為も、ことねの才能を見抜き、自身の夢を託そうとしていただけでした。藤田ことねというアイドルの1ファンでもありますが。
こうやっていざ彼女の素顔がわかると、今までのコミュでの言動に綺麗に結びついていき、脚本がとても上手いということもわかります。
そんな中、彼女の重要な設定がいくつか明らかになりました。十王だけに。
アイドルの才能を見抜く力。
Vocal、Visual、Danceという3つのステイタスを数値化して可視化する特技。まるでアイドルマスターゲームのプレイヤーです。
なるほど、と。彼女は確かにアイドルよりもプロデューサーに向いているかもしれません。尤も、それ以外にプロデューサーらしい特技はないかもしれませんが…。
しかし、それがわかるとわからないとで見える世界は大分変わってきます。
我々だって、彼女達の現在のステイタスが分からなければ何をどうプロデュースすればいいか分からなくなりますし、上限が分からなければ「この子はこのステイタスはこれ以上上がらないから他を強化しよう」という動きができません。
そう、これが重要です。十王だけに。
十王星南の限界。
彼女は自分のステイタスも見えていました。
しかしどうでしょう、彼女のステイタスは既に上限。これ以上強化しようがありません。
上限まで上がったステイタスは、彼女が夢見たトップアイドルには程遠い――――。
そんな中、自分以上の成長上限値を持ったアイドルたち―――例えば、『自身の才能の限界に気づきながらも"諦める"が選択肢にない女』、『一つ一つの舞台で己の全力でぶつかってくる女』、『常時かかっていたデバフが取り払われ、最大の才能を開花させた女』…が、学園にはいる。
十王会長は、自身の夢を彼女達(主にことね)に託すことにした。まるで某ゲームの超光速のプリンセスみてーな事をしやがります。ファンやライバルの脳みそを焼きながら「私にはこれ以上は無理だった」と一線を引く。彗星のような一瞬のきらめき。
それの限界を超えるわけではなく、新たなる可能性を探し出すのが十王会長シナリオでのプロデューサーの役割でしたね。
犬束静紅、という女。
さて、ここで静紅さんに視点を変えますが、ここからは作中描写を基にした私の解釈が混じることをご了承願います。
犬束静紅、彼女はプロデュースの天才と呼ばれていました。しかし第2話で分かる通り彼女はプロデューサー科に入学したばかり。
では何故か、と考えて一番に辿り着くのはやはり静紅さんは元々アイドル科だった。という仮説ではないでしょうか。セルフプロデュースの上手さからそう呼ばれていた、と考えれば納得はできます。
犬束静紅の限界。
しかしそれほどプロデュースが上手いのならばアイドルとして一番星(プリマステラ)位になってないとおかしいのでは?ここで効いてくるのが十王会長。
静紅さんのプロデュースの才能は確かだったものの、アイドルとしての上限値は並だった。
故に、そんな自分に見切りをつけて、プロデューサー科に入った…のではないでしょうか。
しかし、セルフプロデュースは自分を魅せる力。他人とのコミニュケーションは営業先だけで構いません。
そうなってくると、担当アイドルとの意思疎通の下手さも説明がついてきます。
花岡ミヤビさんをことねの当て馬のようにしたのも、自分をプロデュースする際に一番に考えるのは自分の魅せ方であり、並の才能しか持ち合わせない静紅さんはどんな手段をとってでも僅かにでも自分を他より魅せなければならない。
それ故に過去に思いついた彼女なりの最大限のプロデュースなのではないだろうか、というのが私の仮説です。
犬束静紅と十王星南。
ここまで仮説を立てて、一つ思ったことがあります。
ちらっと6話のとあるシーンを見ましたが(感想を書けるほどではないです)、静紅さんは自身を砂(おそらく砂金の意)、ことねを金(おそらく金塊のような視覚的にでもわかる程の黄金の意)に例えていました。
天才と呼ばれる彼女がです。
多くから自身の才能を褒め立てられているものの、自分自身は才能に見切りをつけており自己評価が低い…。
…二人は似た者同士なのではないでしょうか。
プロデューサーが現れなかったプロデュース能力全振りの十王星南、これが犬束静紅の正体なのではないか、これが私の結論です。
そうなってくると、十王会長のTrueENDを観た自分としては見る目が変わってきます。
勿論、『GOLD RUSH』自体が面白くなるというわけではありませんし…彼女に自身の担当アイドルを重ねて少し切なくなる気持ちにはなります。
マジでいっそのことプロデュースアイドルとして実装をしてほしい。
静紅さんを一番星にしたい。
おわりに。
それはそれとしていまだに私はゴルラ否定派です。
でも真面目に考えてみて、彼女が今までの不評をひっくり返すだけのポテンシャルがあるのではないか、という希望を抱くことは出来ました。
どれだけ不愉快な展開になったとしても、犬束静紅のゴールを見るまでは『GOLD RUSH』を読んでいこうと思います。
…本当にことねが主人公である必要ないな?ゴルラ
稚拙な解釈と文でしたが、ここまでご拝読ありがとうございました。
シーユー!