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アオニンジャー概論Ⅱ(手裏剣戦隊ニンニンジャー忍びの14感想)

◆アバンの雑記コーナー

・6月10日は夏コミ当落発表日

まぁまぁお楽しみに色々待ってもろて

最近、評論界隈の活動者のスペースに聴き専として潜っております。夏コミ原稿の話題を聴くと自分自身冷や汗をかく所がありますね。
一応原稿自体は5000字程度書き進めているのだが、兎にも角にも油断が許されない。6月10日に当選が確定すれば8月13日の決戦に向けてイケイケドンドン。とりあえず万一があった時でも大丈夫なように委託依頼のルートは確保しております。
ちなみに印刷所の方はプリントキング様を予定しているのですが、例年なら7月中旬に早割締切がくるのでマジで何一つ油断しないようにしたいんですよ。4月が終わり5月が始まり、6月が過ぎれば7月はずっと編集作業。恐らく7月中旬が早割の締め切りなので本当に自分、死ぬかもしれない。最悪の場合は6月中にニンニンジャー感想シリーズの無期限休載の判断を下すかもしれません。

2019年の夏コミはこういうスケジュールでした。まぁ基本的にプリントキングさんは業界でも安値なので早割無しで言っても構わないんですけどね……でも零細サークルだからね……頑張りたい。たくさんの熱意の籠ったコメント、ありがとうございます。ホントいろんな方が携わってくださってる企画なので感謝しかないです。

ちなみにねぇ、表紙はねぇ、現在知り合いのガワつよ絵師さんにオファーしているんですよ!きっと素敵なイラストが上がるとおもいますのでよろしくお願いいたします。あとアンケートやってますよろしく!(雑宣伝)


◆ニンニンジャー忍びの14感想

・殺伐日常コメディの様相が見えてきた

ここ最近はホームコメディ的な導入が増えてきた手裏剣戦隊ニンニンジャー。あの手この手でお命頂戴を行うスターニンジャーはもはや日常茶飯事となっている。まさかおやつの煎餅缶に潜んでいるとは。なにはともあれ八雲と霞のスルースキルがえげつない。
タカ兄腕を上げたか、最近スターさんに狙われているからねなどと落ち着いた様子の面々に対し、そういう場合じゃないでしょと激怒するのは伊賀崎の普通の人担当である伊賀崎風花の言葉。人の仕事ばっかり増やしてと片付けようとするも、天晴とキンジのお命頂戴合戦は全力の変化後になって加速。殺伐とした日常に慣れる面々の中で真っ当な精神をもっている風花はやっぱり可愛いよね……

さて一方の牙鬼軍団。前の話で『十六夜なんていう小姓はいなかった』と衝撃の話をされてから普通に作戦会議をしている様は1クール目の幹部だった蛾眉雷蔵の時と違う緊張感がある。
晦正影は作戦について進言を行おうとする九衛門に対し、『儂を自分の意思のままに動かそうだなんて444年早い』と一蹴しており一筋縄ではいかない空気感を出している。
晦正影はあくまで自分の謀略で敵を弄び、倒す事を愉しみとしている。今回、正影が公衆電話から覚醒させたのは妖怪ヤマビコだった。個人の通信機器を所持しているのは当たり前の世界で打ち捨てられている公衆電話で行うのが今回の晦正影の『遊び』である。

・今回は風花とキンジの回

「いい二人とも!これ以上うちでお命頂戴やるならご飯抜きだからね!金輪際道場でのお命頂戴は禁止だからね!」

風花の怒号が道場に響き渡る。
……外ならいいのだろうか、まぁニンニンジャーの世界観倫理だとそうなんだろうな。
それにしても高校生の女の子相手に頭を垂れて情けなくしょぼくれる20歳超えの男連中が情けなくて絵面が面白い。

「まて風花!悪いのは襲ってくる方だろ!俺に言うなよ!」
「いやあっしはラストニンジャ様にいわれてですね……」
「問答無用!!!!!!」

母さんに似てきたなぁと感慨深げに言う旋風。ここで語られた母親の謎については『帰ってきた手裏剣戦隊ニンニンジャー』の方でお楽しみください。
風花のお説教もまだまだ続くと思いきや突如ガマガマ銃による妖怪出現警報が鳴り響く。勿論天晴とキンジは妖怪探索の方へと飛び出してしまった。

さて、裏では妖怪ヤマビコが晦正影と対話を行っていた。
これより忍びどもを襲う。変化さえしなければ何もできない小童であるという事を告げてからヤマビコに作戦を考えさせるというのが正影独自のやり方か。

ニンニンジャーが街に妖怪を討伐しに向かうと既にジュッカラゲが大暴れをしており、戦闘に突入するも妖怪は全然発見できない。逃げられたのかもしれないと手分けして追う作戦にシフトするも、これこそがヤマビコの罠だった。
自分の周りのジュッカラゲを掃討した風花、最後のジュッカラゲの気配に気づきびっくりして腕を振りかざすも、その腕は風花に襲い掛かろうとしたジュッカラゲを討伐したキンジに当たってしまった。
キンジは風花に対し、気にしないで欲しいというも、突然なぜか逆に謝罪を始めた。それに対し、さっきは私も起こりすぎたという風花。
キンジの申し訳なく思っている事、それは道場のお命頂戴トラブルの件だった。そのせいで天晴との仲が悪くなったら更に申し訳ないと言うキンジ。

「いや…それはいいんですけど……」

風花の回答はキンジにとって予想外だった。兄妹というのはもっと仲の良いものかと、前回に引き続き末っ子組との交流で家族について学んでいくキンジという構図がいいですね。キンジは家族愛をよく知らないからこそ映えるドラマですね。
風花は家族だからこそ天晴に毒を吐き、それでも天晴に心の奥底では信頼を寄せている。キンジにとっては奇妙にも見えただろう。
キンジが兄について覚えている事、それは偉大な妖怪ハンターだった事。偉大な兄を追い越すために好天の弟子になろうとした。けど自分はそれに必死になり過ぎてて迷惑をかけている事に気づかなかったと風花に対し謝罪するキンジ。
「いえ……」
風花との心のやりとりが行われた瞬間だった。

・ヤマビコの作戦はオレオレ詐欺

ニンニンジャーの分断に成功したヤマビコは作戦の決行に移していた。公衆電話の妖怪とくればそう、やることは一つ『オレオレ詐欺』である。
とうの昔にオレオレ詐欺は派生が産まれ続け、特殊詐欺に名称が変えられておりますが、このままイケイケドンドンとさせていただきます。
まずはアカニンジャー伊賀崎天晴にとヤマビコは電話をかけ、妖怪の人質に遭う風花の小芝居を行いニンニンジャー全員の手裏剣を集めようとする。好天の声も出されてしまっては人一倍身内への愛情が深い天晴には効果覿面で天晴はすんなりとだまされてしまうのだった。

みんな変化忍シュリケンを出してくれ!と合流したメンバーにかけあい理由を話さず必死に懇願する天晴。八雲たちはあきらかに何かがおかしいと思うものの、あそこまで真剣な表情をされてしまっては仕方ないと渋々変化忍シュリケンを渡してしまいます。礼を告げ、嵐のように走り去る天晴。
広場に出ると再び天晴の元に電話がかかります。風花の声で自分は行けなくなった、人を向かわせるからその人に渡してほしいと連絡が入る。
もちろんヤマビコの罠ですが、これいわゆる『受け子』ってヤツですね。

「受け子」とは、オレオレ詐欺などの詐欺事件で、お金を騙しとる相手から、 現金を直接受け取ったり、宅配便などで送られてきた現金の入った荷物を受け取る 役目をする者のことで、犯罪行為に加担している者のことを言います。

四国中央警察署より

オレオレ詐欺、受け子とかで社会派ブラックジョークを入れてくるのは本当に面白い。ジュッカラゲを受け子の男性に変化させ天晴の元に向かわせるヤマビコ。特殊詐欺というのは判断がつかない、人を疑う事を知らない純真無垢な人が狙われる。アカニンジャーを最初に狙おうというヤマビコの判断は正しかったな………。
そして天晴が受け子に渡してしまった後に駆けつける八雲たち。

「どういうことだタカ兄!」
「いやどうもこうもないよ、風花が妖怪に忍シュリケン盗まれてさ」

溜息をつく霞と一同。それどう考えてもハメられてるよ……

一方のヤマビコは残る風花の方に詐欺電話を仕掛けていた。勿論天晴の声で『人に忍術をかけて怪我をさせてしまった』というだまし文句でかけていた。治すにはお前の忍シュリケンが必要なんだ、これで風花も天晴同様だまされあっさりと持ってくるかと思いきや『ちょっと怪我させた人出して!』と言います。

「その人まず電話に出してっていってるの!まずは謝らなきゃでしょっていってるの!」

風花は騙されている。騙されているのだが、社会的な礼節、一般常識があるため一筋縄ではいかない。そこが同じ純真バカとしての差だろうか。
怪我した人は気を失っていると告げるも家族の人は?と言われたヤマビコは慌てて『家族の人』の声を作り、今から人を向かわせるからその人に渡してほしいと言うが、風花はあくまでも現場に向かわせてほしいという。ヤマビコは話をはぐらかそうとするも、広場の時計の鐘の音が入り込んでしまい、風花に位置がバレてしまう。

「どうしやしたか?」
「お兄ちゃんが大変なの!」

一方のヤマビコの元には騙された事に気づいた天晴たちが駆けつけていた。
妖怪にダマされがち伊賀崎天晴、また再び妖怪に自分の純情を弄ばれてブチギレ。臨戦態勢に入りシュリケン変化をしようとするも、ヤマビコが持っているためそれはできない。というか加藤クラウド八雲くんのやれやれポーズ、かわいいね……

「仕方ない、このままいくしかない」

魔法を使わずステゴロ剣戟で殴る姿勢の加藤クラウド八雲がめちゃくちゃ面白い。ここから先は役者の実力発揮の素面アクションシーン。魔法使えよとは言ってはいけない。一応五トン忍シュリケンは使えるので忍術は完全に使えないわけではないのだが、やはりパワーでは押し負けてしまう。
あとから駆け付けた風花とキンジは状況に困惑、お互い騙され、誤解が重なった状態に大混乱。

「この兄にしてこの妹ありとはこういうことだね!」

凪くん、バカという言葉を使わずにバカを表現するのがあまりにもうますぎる。
どうやら全員忍シュリケンを奪われたらしいという事をキンジが理解し、風花はじゃあ何とかしなきゃと決心し変化。シロ・スタータッグでヤマビコに攻撃を仕掛けるも音波攻撃で吹き飛ばされてしまう。風花は反撃のために落とし穴の術をしかけようとするもキンジを巻き込みかけたり乱発したりとどうしようもなく、最後は自分でつくった落とし穴に落ちてしまった。ドジっ子さんここに極まれり。
最後は力づくでとスターに襲い掛かり、スターと押し相撲状態に陥りますがそれがヤマビコの見せた隙だった。風花は地下から飛び出し、ヤマビコから忍シュリケンを奪還した。シュリケン忍法土からポンの術、大成功。

最後は変身するのみ。このまま形勢逆転イケイケドンドンとおもいきや素直にうまくいくはずはなく、ヤマビコは自らの変声能力を駆使してニンニンジャーを攪乱させていく。凪には天晴の声で、八雲には霞の声で、霞とキンジには風花の声で攪乱し、音波攻撃でダメージを与えていく。
残るは伊賀崎兄妹だけ。まずは風花に天晴の声で仕掛けてみたがヤマビコは殴り飛ばされてしまった。

「だってお兄ちゃんが助けてくれーだなんてぜったいいわないもん!」

風花による天晴への信頼感、物凄いんだよなぁ。
名前で呼び合うから騙されてしまう、それならばと霞はコードネームで呼び合う事を提案する。やっぱ真・参謀は霞姉なんだよなぁ。真っ先にアオと呼ばれ、困惑する八雲が可愛い。いくよスターさん!と呼ばれても元々スター呼びなので何一つ変わりがないのが面白いんだよなぁ……
名前を変えて撃破する事で難易度下がるのがいいですねぇ……

「とりあえず、助けてくれたお礼に朝8時から夜6時までだけ道場でのお命頂戴は許可します」

なんだかんだでお命頂戴タイムの許可もゲットだぜ!

そして巨大戦。超音波砲でオトモ忍がやられてしまうのでが、音には音での対抗でワンマルの鳴き声で対応するというのがほんとゴリラ。
最後はシュリケンジンとバイソンキングの二機攻撃で撃破。大勝利で終わりました。八雲の控えめはわしょーいがかわいいね。

・エピローグ

夜の道場、人知れず天晴は修行していた。天才肌にみせかけて裏での修行は欠かさない男である。
そしてそれを見ていたのは伊賀崎風花だった。

「……珍しいな、お前が自主練なんて。」
「お兄ちゃんはまだ私が面倒みなきゃだめだってわかったからね。だから、お兄ちゃんより強くならないと。」
「そうか、がんばろうぜ。」

強くなれるかな?なれるだろ、お前もおじいちゃんの孫なんだし。
それにお兄ちゃんの妹だからね、夜更けまで二人の修行は続いていった。

次回、ちょっとリアルタイムで八雲にガチギレしていた回です。
とりあえず冷静さを保ちつつ感想書けるように頑張ります。なんというかブチ切れ理由のヒント的な物は忍びの5の感想で書いていたし、ヒント2は忍びの9の感想にも書いてはおります。
まぁ、忍びの5と忍びの9あたりの感想を読み直すと次回の忍びの15で八雲に非常にイライラしてしまった理由の論点が分かりやすくなるかもしれません。以上。


◆忍びの14解説コラム

・キンジのドラマは家族の再取得と言うのが見えてきた。

国民的家族になる

前回は家族愛のお話、今回は兄のお話と凪・風花の年下組との交流でキンジの家族観に関するお話にメスが入りだしてきた。
キンジ・タキガワという男はニンニンジャー最年長であるが、実のところは兄貴属性ではなく、れっきとした弟属性である。
どことなく未熟で、幼い印象のある彼は家族を幼い頃に失い一人で歩いてきた。ゆえに父や兄の愛をあまり知らないのだ。

そんな彼が家族について最初に語る相手が伊賀崎の末っ子である凪や風花という現象はかなり興味深い現象である。

◆今回のみどころアオニンジャー

霞姉の悲鳴には誰よりも敏感

ヤマビコにすら八雲の弱点であり最も甘い相手が百地霞であるという事実がバレているのでびっくり仰天。
今回の八雲は殺伐とした日常に慣れていたり忍シュリケンを奪われた時に魔法を使わずに戦っていたので衝撃だった。

ちなみにだんだん文章が短くなりつつあるこのコーナー、湿度の高い解釈がほんへだと思っている層が一定数読者にいるので妥協しないで書きたいなぁと思っているんですけどコミケ進捗で簡略化だゾ。まぁ来週ちょっと彼にお説教しないといけない所があるのでその件で次回の文章は長くなるかもです。当時の自分のブチ切れについては正直炎上を覚悟していたのですが、届いたのは1通の励ましのお手紙だけだったという。
うーんまぁ現段階で不穏な事を言ってしまいましたが下山健人の結果となる脚本には満足しているのでその辺はご留意していただければ幸いです。


◆編集後記

・蛾眉雷蔵、ラストニンジャの忍者らしい狡猾な所が気に入らなかった説

もはや習慣と化したじゃあまん探偵団魔隣組同時視聴枠前の雑談でフォロワーから『蛾眉雷蔵は武人だからラストニンジャの忍者らしい狡猾な所が気に入らなかった説』が提唱され、ファン歴7年の身ながら目からうろこの解釈を聞き、衝撃を受けてしまった。
そういえば蛾眉様ってラストニンジャに対しては『忌々しい』という表現を使っているんだけど、正面切って自分に挑み続けるタカ兄に対する好感度はMAXだよね。
やはり幻月を封印された事以上にラストニンジャのそういう所が大嫌いだったのかな……と今更ながら蛾眉雷蔵に対する解釈が深まりました。てぇてぇ。


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