大学専門科目(水理学)のYouTube運営をしてみた振り返り(初回投稿から76日目,登録者数102人)

土木工学系の専門科目「水理学」にフォーカスしたYouTubeチャンネルを立ち上げ、初めての投稿をしてから76日が経過し、登録者数が100人を超えました。弱小チャンネルのチャンネル登録をする、という行為を経験したことが私自身になく、登録してくださった方にはとても感謝の気持ちでいっぱいです(理由は後述)。
登録者数や再生数は動画品質(私の能力)と市場規模に大きく依存し、『大学専門科目のYouTube運営』という主語は大きすぎると思いますが、一度ここで振り返ってみたいと思います。
https://www.youtube.com/channel/UCopQo53m9hT-iIoiqWr75wg

かなり端的な現状の肌感覚としては『大学専門科目のYouTubeで収益を得る目的であれば、達成にセンスと忍耐力が必要で、割に合わない。別のモチベーションが不可欠。』です。

視聴ポテンシャル層の定性的な想定

動画の対象とする水理学は、土木工学の専門科目の一つであり、大学及び高等専門学校で必修科目として扱われることが多いように思います。すなわち、土木工学を学んでいる学生の皆さんや、卒業後に資格試験等のために学び直したい技術者の方々が視聴ポテンシャル層であると考えられ、ニッチな分野であるものの母数はそれなりにありそうだ、と筆者は考えていました。このあたりの数値について定量的な分析を行っているわけではありませんので、的外れかもしれません。

客観的事実(登録者数,視聴回数,総再生時間,等)

チャンネルの成長に関わる客観的事実を以下に列挙します。以降に示す種々の値は、YouTube Studioから引っ張っているものです。

  • 初回動画投稿から:76日目

  • 投稿動画本数:23本

  • 動画の延べ時間:7時間43分

    • 平均的な動画の時間:20分/本

    • 動画の作成にはそれなりの準備しているつもりではある。が、編集の手間を嫌って一発撮りをしているなど、他のYouTubeと比較すると動画作成に関わる負担は相当に小さいと思われる。

上記のような取り組みのレスポンスとして、以下の結果を得ました。

  • 登録者数:102人

  • ユニーク視聴者数:777人

  • 視聴回数:2,092回

  • 総再生時間:127.6時間(チャンネル登録者はこのうち24%の時間に寄与.残りの76%は未登録者)

  • 高評価率:96.7%

考察

777人もの方に動画を見て頂き、トータルで127時間も頂戴した、と思うととても恐縮する気持ちになります。一方で、大学での90分/コマを使った講義だと思えば、85人に1コマ教えれば到達する数値になっています。対面・時間同期型の大学の講義と比較して論じること自体がナンセンスかもしれませんが、必要な情報をシークしながら掻い摘まんで学習することができる、というYouTube学習の特性は、視聴回数と再生時間を稼いで収益化するモデルとの相性が悪いを感じました。(一緒に自習しよう!的な時間同期型のライブ配信が多い理由もここにあるのかも?なんて思いました)
より多くの登録者数と既再生数を有する著名な先生のYouTubeに人が流れるのは当然ですが、ユニーク視聴者777人という数値は、今ひとつ視聴ポテンシャル層に当チャンネルが十分にリーチできていないことを表しているように思わせます。そもそも、YouTubeで「水理学を検索しよう」と思う人が少ないとも考えられ、ポテンシャル層にリーチするためのSNS活用等が重要であると考えます。
また、当チャンネルが扱う水理学の基礎的な面よりも、資格試験にフォーカスした内容の方が需要が大きいことは、他チャンネルの再生数等から推察されました。
このように、(少なくとも私の動画作成や解説のセンスを与条件とする限りでは、)大学専門科目のYouTubeチャンネルの収益化は容易ではなく、なかなか割に合わない取り組みであると言えます。収益化を目指すならば、ポテンシャル層を大きく取れる範囲まで分野を広げる、ポテンシャル層にリーチするためのSNS戦略等を合わせて取る資格試験対策等を取り入れる、と言った取り組みが必要と考えられます。また、チャンネルの成長には相当の時間を要すことが想定されますし、そこまでいくとプロの講師としてYouTube以外で生計を立てるべきレベルだと思われます。
私自身は、『水理学を分からない科目から分かる科目に変えたい。水理学を楽しいと思ってもらいたい。』ことをモチベーションにしているので、収益化の可否を問題にしていませんが、必要としているかもしれない方々の目に触れていないのならば、そこは大きな課題だと考えています。

『チャンネル登録と高評価、コメントをよろしくお願いします!』

YouTuberの多くの方々が『チャンネル登録と高評価、コメントをよろしくお願いします!』と動画の末尾で締めくくる様子はよく見かけるシーンです。私自身がYouTubeチャンネルを立ち上げる際に、収益を目的としない立場からこの文言は基本的に言いたくないと考えていたのですが、今ではそんな縛り付けなきゃ良かったなと思っています。理由は次の2点です。

  • 登録者数や高評価数、コメントのやり取りの多いチャンネル・動画はレコメンドに上がりやすく、検索上位になるため、視聴ポテンシャル層にリーチする可能性が高まる

  • 登録者数増や高評価、コメントは単純に嬉しい

弱小チャンネルの運営においては、『単純に嬉しい』が強烈に重要でした。聞き手がいるか分からない弱小YouTubeでの専門科目の解説は、基本的に空虚に向かって話し続ける行為です。相手が居るのか居ないのか、分かった顔をしているのか分からない顔をしているのか、話すスピードが速すぎるのか遅すぎるのか、問題の難易度が適切か、など、教室で学生を前にしていればなんとなく掴める情報が全く得られません。
発信側と受信側での関係性が生じるのが、登録者数・高評価・コメントです。これらを介して発信内容に対してポジティブな応答を示してもらえたときに、ようやくホッとするのです(再生数はクリックされたかどうかであり、内容の良否に依らない)。この意味では、わずか2ヶ月間ではありますが、折れずにYouTube投稿を続けることができたのは、日々少しずつ、登録者数の増加や高評価、コメントを頂けたことに依っています。重ねて、当該チャンネルの登録をしてくださった皆様、高評価やコメントをしてくださった皆様に感謝をお伝えしたいと思います。
視聴者が思っている以上にこれらにより励まされる効果は大きいので、是非、高評価とコメントを気楽にしてもらえると弱小チャンネル運営者は励まされると思います。


ということで、とりとめの無い感じになってしまいましたが、以下の様にまとめて終わりたいと思います。

大学専門科目のYouTube運営を考えている方へ

収益目的ならばやり方をよく考えた方が良いです。単一の専門科目でどうこうしようと思っても厳しいのが実情だと思います(すごいセンスの持ち主なら別。でもそうならば別の商売をやった方が良い)。

YouTubeで教育・学習系チャンネルを視聴されている方へ

どうか気楽にチャンネル登録、高評価、コメントをしてください。クリック一つですごく励まされます。

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