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エスノグラフィーとは?人々の生活世界を理解する研究手法

エスノグラフィーは、人類学や社会学で用いられる質的研究方法の一つです。人々の生活世界を深く理解し記述することを目的としています。

エスノグラフィーの基本的特徴
研究者は以下のようなプロセスで調査を進めます:
• 現場への長期滞在
• 現地語の習得
• 人々との信頼関係構築
• 参与観察の実施
• 非構造化インタビューの実施
• フィールドノーツの作成
特徴的なのは、研究者が単なる観察者ではなく、現地社会の一員として関わりながら調査を進める点です。

多様化するアプローチ
近年では以下のような新しい手法が発展しています:
• ネイティブ・エスノグラフィー:当事者自身による研究
• マルチサイテッド・エスノグラフィー:複数地点での調査
• ナラティブ・エスノグラフィー:個人の語りに注目
• チーム・エスノグラフィー:複数研究者による協働
• マイクロ・エスノグラフィー:微視的な文化場面の分析

エスノグラフィーの本質
エスノグラフィーの核心は、人々の生活実践を文脈も含めて理解し、その意味世界を内側から描き出すことにあります。研究者は、観察者としての客観的視点を保ちながらも、対象となる人々の視点に立って理解を深めていく必要があります。
このバランスの取れたアプローチにより、より深い文化理解が可能となります。

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