〔参考2-前編〕おみくじは 当たらないから盛り上がる?!(書籍「古びた未来をどう壊す」より①)
前回の投稿(↓)から続きます。
このイベントの中で、
「ウソは記憶になりうるか?」
「事実じゃない情報の効用(?!)」
などの論点を語り合ったのですが——
そんな
〔事実じゃない、どうでもいいような話〕こそ
実は
〔集い・交流の場〕の運営に欠かせない要素
かもしれない・・・
と、
気づかせていただける書籍に出会いましたので
紹介させて頂きます。
●「古びた未来をどう壊す?
~世界を書き換える『ストーリー』の
つくり方とつかい方~
(宮本道人/著 光文社)
なんと、SFの〔利用法〕なるものを説いた
真正の実用書です!!!
20世紀にはSFとして描かれていた
ロボット、サイバースペース、アバター、
メタバース… などが
現在では既に現実化していて
世界的企業の創業者たちも
SFを大いに参考にしているそうで、。
近未来を具体的な情動をもって体感し
探究・思索するのに最適なツールだ、と著者。
今までの延長線ではない、
想像したこともないような面白い未来像を
SFを創作しながら考え、そののち、
現実化できる部分を逆に探り出して行動し
実現につなげていこう!
という手法が語られる
思想&ワークショップ形式の本でして。
クソまじめに コチコチ頭で
これまでの続きの現実的未来を考えても
何も新しいモノは思いつかなくて
むしろ
常識を大胆に〔ハズれる未来予想〕をしよう!
と説く 著者の思想・手法はとても斬新です。
手法の具体的なところはネタバレになるので
紹介は控えますが、
ノウハウ以前の、導入部の第1部から
とても 目からウロコな示唆を得ました。
〔P.82〕のコラムの見出しはいきなり
「おみくじは 当たらないから盛り上がる」
著者が、友人と京都の下賀茂神社へ行って
一緒におみくじを引いてみたときの
エピソードが語られているのですが——
****(以下、引用)****
そのときふと、こう思いました。
おみくじに書かれている内容が、もっと
「当たる可能性が高い未来予測」だったら
こんなに楽しく語り合えるのか?と
ちょっとSF的に想像してみて下さい。
おみくじに、人間ドックの検査結果から推定
された余命が書かれていたらどうでしょう?
見せ合うのも気まずいし、
朗らかに語り合うのも厳しそうですよね。
(中略)
つまり、おみくじというものは、
書かれているのが不確かなものだからこそ
ドキドキしながら文字が出てくるのを待ったり
それをネタにゆるゆると未来を語り合えたり
するのだ、というのが
そのときの僕の気づきでした。
「コミュニケーションのネタとして、
当たらない未来の断片を買った」
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このエピソード、
人の集う場での コミュニケーションの
本質突いてるなあ、と
アタマが下がる想いがしました・・・
〔疑いようのない事実情報〕や
〔実用的すぎる有益情報〕とかって、
それを 集いの場で断定調に語られたら
話は そこで切れて
会話 盛り上がりませんよね・・・
今回の、私イジリの気づきは
まさに これです。
————イジリの眼〔5〕———
↓ ↓ ↓
「ホントか分からないような、
たわいもない話こそが盛り上がる」
いやはや、自分の経験を思い返せば
まさに そうなのであります。
自分も 気をつけなければ(笑)
次の投稿でも、引き続き この本から
学び、考察していきたいと思います。
どうぞ、お付き合いください。
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あなたの周りに 〔みんなの居場所〕を。
〔語らいのある世の中〕づくりを目指して
イジリは 発信を続けて参ります。