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【統率者/EDH】神経質な予見者、ヘルガでデッキ組んでみた

2024年8月2日、MtGの新製品、ブル~ムバロウが発売。

ピーターラビットみたいな可愛い小動物の世界観」がテーマの本作は、
ある意味では王道ファンタジーそのものであり、微笑ましいイラストが魅力・・・ではあるのだが。

下環境で遊んでいるプレイヤーにとっては、6月にはモダンホライゾン3、7月にはアサシンクリードと、20世紀は3ヶ月に一度くらいしか新製品が出なかった商品とは思えないほどに、新しいエキスパンションが発売されており、
特にアサシンクリードファンで大盤振る舞いをした筆者の懐事情としては、深刻などんぐり不足に頭を抱えての発売となった。

イラストも世界観も可愛い。可愛いのだが、
今回のブル~ムバロウは、どちらかといえばカードパワーは低め。
カードを買っても使わないカードのほうが多いだろう。と予想を立てていた。

また、前月にどんぐりをたくさん使ったアサシンクリードは、
コレクションとしてもデッキとしても満足度が高いエキスパンションになった。
予定通りエツィオを統率者に据えたデッキは、回していてわかりやすく非常に楽しいデッキになっている。
現在のデッキは、多少の入れ替えはあるものの、ほぼバランスはほぼ固まってきた。

統率者能力によるコストの踏み倒しと、暗殺卿、ラムセスによる戦闘による特殊勝利以外は基本的にはプロレスであり、自分の遊んでいる環境では非常に楽しく遊ばせてもらっている。

・・・まぁそんな感じだし、3月から統率者を初めて、色々なデッキが手元にあるわけで、別に無理して遊ばんでもいいだろう、なんて思っていた。

折しも仕事も忙しいのであまりスポイラーをじっくり見る、ということもタイミング的に難しかった。
どちらかというと、自分よりもピーターラビットが好きな相方のほうが購買欲が高まっており、相方が職場帰りでたまたま見つけて買ってきてくれたプレリリースキットの開封をして、家族で「うわー可愛いねー」とか言いながら楽しく過ごしていた。

で。プレリキットに入っている、ビニール袋に封入されていたプレリマークが刻印されたプロモカードが、まぁ、カエルだった。

絵の構図が非常にかっこよい。
アベンジャーズで言えばDr.ストレンジ・・・は、どう考えても赤と黒が入りそうなので、ストレンジの師匠のエンシェント・ワンのような神秘みがある。もし動物じゃなかったら、間違いなく細君系で長髪属性のカードだったろう。

そして、書いてあることが、もう全部悪すぎる。
上の能力は「4マナ以上のクリーチャー呪文のマナコストを踏み倒せ」と書いてあるし、
下のタップ能力は「パワーを上げたり、何度も使ってマナを出せ」と書いてる。

当然、「アンタップする能力全般と相性がいい」とも書いてる。

こんなに悪いことしか書いていないカードが果たして許されるんだろうか・・・。
というのが正直な印象で、とにかくコンボで遊べと書いているように見えた。

忙しい最中ではあったが、もしこいつを統率者にできたら、
さぞ不思議で迷惑な挙動をするデッキになるんだろうな、と、気になっていた。

戦闘ダメージ主体の統率者で遊んでいるので、
あまりコンボは詳しくない方なのだが、それでもこのカードを見ていると使い方は自然と頭に思い浮かんでくる。

例えば、孤独。

想起も唱えている事になるため、ヘルガがいる状態で孤独を打つと、ソープロにカード1枚と+1カウンターとライフがついてくる。
熟考漂いならカードを3枚ドローになるし、
昔のピッチスペル達と、とにかく相性が良い。
筆者はメルカディアン・マスクスでギャザを始めたため、このあたりのカードはとにかくエモい。

信じられないかもしれないが、右のカードは全盛期で2000円しました。

ピッチと相性が良いのはクリーチャーだけではない。激励を打つと、ほぼ暗黒の儀式の上位互換の様なマナブーストになる。

いきなり5マナ出るのは何等かの犯罪感がある。

怨恨なんかも殆ど太陽の指輪みたいなものだし、
加速力は相当なものになりそうな気がする。

また、クリーチャーが出るとアンタップしてほしい。
とくれば、侵入警報。

友情コンボ発生装置っぽい気はするが。

クリーチャーが場に出ると、すべてのクリーチャーがアンタップするエンチャントだが、4マナのクリーチャーをヘルガのタップで出したら、カードを1枚ひいて、+1カウンターが置かれ、ヘルガがアンタップする。
次にヘルガが出せるマナは1マナ増えている。

また、『ほとんどの場合で使わないストレージカードだけど、この統率者に限っては価値が宇宙』なカードとして、チャクラムの受け手が存在する。

地味にエレメンタル。

引いたカードがまた4マナ以上の単色のクリーチャーなら、同じことを繰り返す事ができる。つまり、ヘルガがチェーンコンボの構成要素になっており、
ただでさえ胡散臭いピッチスペルが、ヘルガによってドローに変換され、チェーンしていく・・・という絵が想像できる。

食物連鎖があればアンタップ装置が無くても想起持ちがチェーンするし、コンボになる霧虚ろのグリフィンも4マナ。
全部引き切ってから最後にヘルガを食物連鎖し、無限マナを歩行バリスタに注げば良さそうだ。

ただでさえダメそうなのにヘルガと相性が良すぎる。

ただ、ドローソースがヘルガだけだと、当然息切れするだろう。
クリーチャーがデッキ内に4~50枚入ったとしても、ヘルガで安定して後続を引くには、できれば召喚トリガーで2~3枚は引きたい。

ヘルガと似たような能力によってカードを引く必要があるのだが、
いわゆる垣間見る自然を内蔵したクリーチャーは、結構多い。

インガとエシカは、実質的にやっていることがほぼヘルガ。

侵入警報が揃い、例えばインガとエシカ、チュレインが並んでいたら、
多分マジックザギャザリングではなくて、それはもう単なる拡大再生産でしかなく、ドローカードを中心にピックしたドミニオンのような挙動になるだろう。

当然、クリーチャー主体のデッキになるため、除去や全除去はすべてがきついため、防御札をマシマシにすればデッキになるんじゃないかな。と思った。

で、実際にデッキを組んでみた。

サーチカード系列は一旦抜いている理由は後述。

クリーチャーは今まで組んできたデッキの中では最多の41枚。
クリーチャーの役割は、
・マナクリ
・アンタップ要員
・マナ・コストをインチキできる系。
・カードの引きまし要員
・フィニッシャー(戦闘やコンボ)
・めっちゃマナ出た時のXマナの注ぎ先

といった感じの役割を持っている。
当然ながら、マナクリでもありカードの引きまし要員になれるようなインガとエシカはめちゃ強く、Xマナ払えるクリーチャーはよほどの仕事をしてくれないとなかなか入れられない、という感じになる。
また、ヘルガのマナ能力は選んだ一色のマナが大量に出るため、マルチコストとは相性が良くない。

実際に組んでいると、想起が多い=エレメンタルが多く、収穫の魂やチャクラムの受け手なども地味にエレメンタルであったため、
発現する浅瀬くんを搭載してみている。

ただ、3マナはヘルガの能力の誘発条件にならないため、よほどでないと入らない印象。当初は深夜の護衛を入れてみたりしていたが、単体で弱すぎたしヘルガも使えないので即解雇となった。

また、歩行バリスタがいることから太陽冠のヘリオッドを搭載してみたが、サーチカードを搭載するような構成なら入れたほうがいいかもしれないが、上の構成なら不要かもしれない。
ヘルガのライフゲイン能力でカウンターが増える能力を誘発できるが、カードをわざわざ一枚使ってやらなくてもよいし、それがやりたいなら硬化した鱗で良いと思う。

土地構成は、基本的にはとにかく緑マナが出てマナクリスタートをして、2ターン目にヘルガを唱えられることを重視している。
また、森をコントロールしていないとスカイシュラウドの切断獣やぶどうのドライアド、激励がピッチスペルモードで使えないため、森をコントロールすることが重要となる。
そのため、マナファクトは青マナと白マナをサポートしてヘルガを召喚することを目的に、青白のタリスマンと印鑑を搭載している。

ただ、マナクリが揃っているならマナファクトの有り難みが途端にストップ安になるため、普通に稲妻のすね当てなどでも良いかもしれない。

構造的には出産の殻と相性が良いデッキだが、全般的にアーティファクトへの依存度が低い構成なので、溜め込みやのアウフや無のロッドを採用してもいいかもしれない。

サーチカードを抜いている理由としては、パワーレベルが高くなりすぎる、と思っているから。
カジュアルといえる線引って、難しいけどそのあたりかなぁ・・・。と思っている。

競技性を上げるならば、儚い存在や雲隠れ、みなぎる活力や一同集結!などの一定条件でのみ噛み合うカードを減らして、
悟りの教示者や真の木立、牧歌的な教示者、などのサーチ系や、ペミンのオーラや現実への遊離、フリースペルのドレイクやパリンクロンなどを搭載する方向性になるだろう。

特に、侵入警報、ヘリオッド、食物連鎖などはエンチャントだし3マナだしで幻の漂いからもサーチできる。コンボ要員となるチャクラムの受け手や霧虚ろのグリフィンはクリーチャーなので俗世の教示者から引っ張ってこれる。

ちなみに、初期はアカデミーの学長と全知を搭載していたが、カードを引くクリーチャーがいないと全知で使うカードが確保できず、Xのマナ・コストをもつカードとも相性が悪い。
その状況になっていれば盤面すげーことになっているのでそこまで重要ではないかな、って印象。
イメージ的には侵入警報の代替手段、って感じなんだけど、レクター経由でないと出てこないので、殻系をたくさん採用していないと、ちょっと取り回しが厳しい気がする。

出産の殻、新生化、異界の進化なども基本的には相性が良い。
ラッシュウッドの切断獣が突然チュレインになると、もちろん強いわけだけど・・・なんというか、まぁそりゃそうだよね、という感じ。

今後の改善案としては、
中盤以降はヘルガは立ってターンエンドすることも結構あるので、
ヴェンセールとかCIPで打ち消しやバウンスをもっているようなクリーチャーもありかも。

また、10マナくらいは突然サクッと出たりするので、初代ウラモグを普通に一枚くらい入れてもいいかも。侵入警報経由ならティムールの剣歯虎とコンボですげぇことになるかも・・・。とかとか。

あと、「なんか面白そうだなぁ・・・」でデッキを組んではみたものの、
個人的には無限コンボで勝つことに全く慣れていない。
なんとも言えない罪悪感のようなものを感じる。

ヘリオットバリスタを決めた時、「こんな簡単に勝っていいのか・・・?」という感覚を覚えたし、コンボを決める楽しさも少しあったし、
言語化が難しいが、カジュアル卓で終盤に存在していた終了に向かう時特有のカードとやりとり、みたいなものが薄く、
戦闘メインで遊んでいる時に比べると、突然ゲームが終わる感覚、というのが確かにあった。

一方で、統率者としてのヘルガの魅力って、
ピットサイクルのようなチェーンコンボを走り切るような時に最大化されるんじゃないか?とも感じている。

もはや美学の話でしかないが、
歩行バリスタとヘリオッドで唐突に勝つより、食物連鎖と霧虚ろのグリフィンで無限マナを決めてからヘルガで勝つほうが、文脈的に美しそう、というか。

結局のところ、まず自分がどう納得するか?という話なんだけど、
ヘルガはコンボデッキに慣れるという観点では、いい統率者なのかもしれない。

しばらくは、色々と試しながらデッキレベルとコンボデッキに向き合ってみたいと考えている。

今日はそんなところで。
それではまた、どこかで。

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