【統率者/EDH】恐怖を喰うもの、ヴァルガヴォスで黒茶単デッキを組んでみた(前編)
2024年9月27日、ダスクモーン:戦慄の館が発売した。
前回のピーターラビットっぽい世界観から一変して、モダンホラーの世界観という寒暖差が激しすぎるテーマで、ユーザーたちも盛り上がりを見せて・・・とは、残念ながら、ならなかった。
MtG界隈は、ダスクモーン発売週の3日前の火曜日、
2024年9月24日に突如発表された統率者戦での禁止カードの発表によって、それはもう騒然とした状況であった。
もはやキャプチャを貼る事すら省略するが、
波止場の恐喝者、宝石の睡蓮、魔力の墓所、そしてCV:山寺宏一のミュウツー有翼の叡智、ナドゥが統率者戦において禁止推奨となった。
筆者は、この発表の2週間前くらいに、初めて赤単スライサーを組んでナドゥ以外の3枚は普通に満載していたし、そもそもマナクリプトは普段遊んでいるブックオフ武蔵小金井店で買ったパックから出たカードだ。
出会ったのは4月、初めてデッキから引けたのはフォモーリのルーハンなので5月。まだまだ数えるほどしか使えていないのだが、突然の別れとなった。
そんな状況のため、筆者の心境としては「ほげー?」としか言いようのない状態であったし、そもそも筆者の勤める会社は10月が期初のため、そっちはそっちでやばかった。
全てが終わり、そして全てが始まる期初は、
予算や評価や異動や引き継ぎのなんやのかんやのが馬鹿みたいに全部重なる時期で、ダスクモーンのカードリストは相変わらず全然読めなかった。
なんか強そうだけど、胴体がピザカッターみたいで蜘蛛みたいに足の生えてる、変な3マナの暗殺者がいるなぁ、くらいのインプットしか出来ないくらいに、筆者のIQは残念な状況になっていた。
まぁエツィオに入りそうだから1枚くらいは欲しいかなぁ、程度の欲求しかなく、
期末の忙しさと突然のマナクリプトとの別れで、ホントにスポイラーを見ていなかった。
魔王戦のカードが印刷されている・・・だと?
そんな状況なので、「今回はシングルちょっと買うくらいかなぁ。」なんて思っていたのだが、予算編成も落ち着いてきてようやく発売日にデバフが解除され、「そういや新セット今日だなぁ」と情報を斜め読みしていると、
今回の統率者構築済みデッキには魔王戦、アーチエネミー用の大判カードが一つのデッキに10枚、封入されている事を知った。
単純に、「5人で遊ぶ時用に選択肢として揃えておきたいかも」という事を思った。
普段、筆者はブックオフ武蔵小金井という穴場としか言いようのない、
しかし必ず1〜2卓は立つ近所で水曜日の夜に開催されるMTG交流会で遊んでいるのだが、
いうて毎回ピッタリ4人で遊べる訳でもない。
3人戦のテンポ感は割と好きなのだけど、
個人的には5人で遊ぶのは目視も大変だし1ターンが長くてテンポ感が変わるため、単純に時間が掛かりがちで密度が薄く感じる。
そんな時、魔王戦なら魔王以外のプレイヤーは同時進行なので時短が望める。魔王戦の場合、4人でも5人でも概ね同じようなテンポ感で遊ぶ事が出来そうだ。
例えば、閉店まで30分なんだけども、みたいな時には出番がありそうな気がしている。
・・・なんて事に思いが至ったのも、日付としてまさに発売日当日。
通勤電車に揺られながらの事だった。
スポイラーすら見ていない人間が、当然予約なんてしてない訳なので、
「いやでも流石に売り切れてるよなぁ・・・」と、おもむろにネットを調べていると、発売当日の店舗在庫なのか、晴れる屋さんでは4個セットの在庫が普通にあった。ただし在庫数は2。
電車は会社に向かっているし、スポイラーを見て判断する時間はとてもないので、各デッキごとに収録されている大盤カードが異なることだけ調べて確認し、ポチっと購入。
購入してから収録カードリストを見る、という様な有り様だった。
ダスクモーンの構築済みデッキ
構築済みデッキの詳細は公式ページを見ていただくとして、
ざっくり説明すると、
シミックの変異デッキ、
ゴルガリの昂揚デッキ、
ラクドスのダメージばら撒きデッキ、
そしてエスパーは奇跡をテーマにしたデッキだった。
筆者は高校でギャザに触れて以来、10年ぶりくらいに復帰したのが新たなるファイレクシアのタイミングだった。
まだモダンというフォーマットがなくて、スタンダードから復帰したため、イニストラードブロックの最後、アヴァシンの帰還で実装された奇跡は、それはもう当然にエモい。
下環境だとブレストや独楽で作為的な奇跡を狙う訳だけど、当時のスタンはそれらしいトップ操作なんてないので、錬金術師の弟子とかを動員しながら純正の奇跡で遊んでいた。
で、しかも統率者のアミナトゥはエンチャントに奇跡を持たせる事ができるし、補充みたいなカードも収録されてる。
補充デッキはそれこそマスクスからギャザを始めた世代にはモロにブッ刺さる訳で、調律からパラ波捨てて補充を打ったら、そりゃ楽しいに決まってる。
12年くらい前と24年前くらいの思い出が融合するコンセプト、となると、
エモーションのミルフィーユでしかなく、
そんなん絶対てぇてぇやん・・・という気持ちになった。
・・・で、組んで遊んではみたのだけど、
つんよい教示者マシマシのコントロールみたいなデッキになる訳で、
うっかりオパール色の輝きとパラ波が揃うと場のクリーチャーが全部いなくなったりするんだけど、殴って勝つのは無理だし、コンボするならアミナトゥを絡めようとすると重いし、という感じで、あんまり上手に組めなかった。
てか、やっぱ調律と補充を安定的に引く60枚構築・相手のライフが20点で成立するコンセプトではあるので、デッキ構築は楽しいのだけどもなぁ、という感じから抜け出せなかった。
ヴァルガヴォスくん
んで、統率者を遊びに店舗に行くじゃろ?
ブックオフ武蔵小金井のMTG交流会は、参加費が完全無料な上にシングルカード購入用の100円クーポンがついてくる、コスパレシオがメムナイト状態なので、流石に何かパックくらいは買うじゃろ?
そうするとヴォルガヴォスくんがパックから出てくる事もあるじゃん。
値段がついてるカードがパックから出てくるのは勿論嬉しいんだけども、
正直なところ、「・・・何に使うのこれ?」くらいの印象しか持てなかった。
MtGには他にもデーモンは沢山いるし、自分にはあんまり縁はないだろう、なんて思ってたんだけど、たまたま拝見した「とーかいEDHリプレイ」のヴァルガヴォス構築で衝撃を受けた。
無色でもないのに統率者が9マナでも、統率者って遊べるのか・・・。
そういうのもありなんだ・・・というのは、シンプルに衝撃だった。
そりゃ出たら強いわけだし、ヴァルガヴォスには虚空の力戦の能力がついているので、ヘルムヴォイドコンボが統率者との一枚コンボで成立する。
一人しか倒せないコンボだけど、そもそも魔王はそういうもんである。
そして、ヘルムはなぜか1枚もっているのでデッキを組んで見ることにした。
ただ、問題は統率者領域からどうやって9マナを召喚するか?
というところだ。
もちろん暗黒の儀式などを筆頭に一時的なマナ加速は得意な色だけど、それにしたって普通の構築ではまず出てこなさそうだ。
こんなに重たい統率者組んだことないぞ・・・?どうしたらいいんだ?
と思っていたが、
よく考えると、ほんの短い期間だが、これより重たいマナコストの統率者を組んでいたことを思い出した。
ってことは、往年の黒茶単みたいな感じで構築できればなんとかプレイアブルになるんじゃね??ということを思いついた。
モダンホライゾン3ではエルドラージがフィーチャーされているので、地味に無色マナを使う小回りの効くカードも増えている。
もし、統率者がヴォルガヴォスなのに、立っているマナファクトから急に無霊破や歪める嘆きなどのリアクションカードが飛び出したら、奇襲性はかなり高くなるだろう。
ただ、EDHを初めて日が浅いこともあると思うが、
黒茶単というコンセプトのデッキは見たことがないので、実現するかどうかはわからない。
もし黒茶単が統率者で成立するならば、黒マナが出て、かつ無色マナが出るマナ基盤になることはわかるが、カード名が全く思いつかない。
まぁとりあえずストレージから無霊破を探すか・・・とモダホラ3の箱を探していたところ、太陽光変換器というカードを見つけた。
黒茶単は、土地やマナファクトから◇の不特定マナと黒マナが出て欲しいはずなので、言うなれば無色マナと色マナが出るタリスマンが欲しいわけだが、このカードをよく見るとそう書いてあった。
あとは土地。
土地としてはコイロスの洞窟の白がないバージョンみたいなのが欲しい訳だが、全く思い当たらないので、「まぁ遊んだあとに友達に聞くか・・・」という気持ちで、とりあえず組んだのが以下のリストとなる。
無色マナは沢山欲しいとはいえ、
マナブースト要素としては陰謀団の貴重品室とヨーグモスの墳墓、アーボーグの土地基盤を採用している。
アーボーグがあるならウギンの目からもマナが出るし、
貴重品室はあればあるだけいいのにで演劇の舞台やヴェズーヴァも使って良さそうだし、演劇の舞台とヴェズーヴァがあるなら暗黒の深部も入れていいよね?あ、ウギンの目が入るならエルドーラジの寺院は入るよね?
みたいな発想なんだけど、
沼が少なすぎてアーボーグを引かないと破綻するんで大丈夫かなとは正直思いつつ、まぁやってみて学ぶしかない。
組んだデッキの初起動なんてそんなもんです、という感覚はなんとなくわかっては来た。
で、実際にまわしてみたが、概ねデッキは動いた。
ただし、上のレシピは無色マナと無色マナを要求するカードのバランスはとても悪くて、
当然、黒マナが出なくて苦しんでいたけど、3ターン目にコジレックが着地したりしたし、
あとはまぁ黙示録シェオルとオークの弓使いがいる状況で記憶の壺を回したりした。3人戦なのにホントにひどいことになった。
このマナ基盤なら引き運もあるだろうけどヴァルガヴォスも流石に召喚できるし、出たら流石に強くて、絆魂は染みるしピン除去はほとんど打たれないしで言うことはない。
キャスト出来ただけでなんかが実績解除される音が脳内で聞こえるのも楽しいポイントだ。
結論としては統率者でも黒茶単統率者は成立するんじゃないかしら、
という手応えは感じることが出来た。
黒茶単用の土地
ひとしきり遊び終わったあと、太陽光変換器が如何に価値があるかを熱弁しつつ、「無色マナと黒マナのみが出る土地探しているんです」というお話をした。
基本的には黒単構築は貴重品室のために沼を増やすべきで、マナファクトから無色マナ出るから◇マナはそっちから供給すればいいのでは、というすごく真っ当な意見をもらいつつ、大きくは2つの情報をもらった。
イフニルの死界
ちゃんとギャザをやっていない時期のカードだったので、認識してなかったけど確かにこれは要件にばっちりあっている。なんなら最強かもしれん。
合体する非道、ウラレックのレシピ
無色マナかつ色マナが出る、という要件は合体する非道、ウラレックも同様なので、そのレシピを見るといいと思います、というアドバイスをいただく。
その場ですぐに候補になりそうとして教えてもらったのは、霊気拠点と氷の橋、天戸だった。
基本的には一度しか色マナが出ないが要件は満たしている。
黒が濃くなると使いにくくなりそうだけど、選択肢としては十分だ。
んで、帰宅後にウラレックのレシピを調べて、以下のような有望株を見つけた。
大闘技場はタップインなのでイフニルの死界の下位互換だが、
概ねイフニルの死界のように使えるカードだ。
進歩の地平は、恐らくモダホラ3の統率者デッキあたりで収録されているカードかなと思う。
1つ目の能力は反射池のような感じだが生み出すことのできるマナと書いてあるので、隣に◇マナを生み出す土地があれば、無色マナも生み出すことができる。
2つ目の擬似的なランプも重たい統率者にはあっているし、ドローも強い。
んで、反射池のようなカードが欲しいなら反射池も当然候補にあがるだろう。また、完全に忘れていたけど、アーティファクトデッキならば産業の塔も要件を満たす。
産業の塔はアーティファクトがないと色マナが出ないので、イフニルの死界の完全下位互換ではあるけど、概ねマナは出るだろう。
ていうかイフニルの死界強すぎじゃねぇか?
初回で概ねコンセプトが成立する見込みが得られたので、
今後は上述した土地基盤の整理とともに、微妙な活躍だったりデッキと合わないカードを入れ替えていこうと思う。
リストがもうちょっと固まったら、このページの下に追記できればと思う。
それでは、今日はこんなところで。
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