【冒頭から暴投#001】フリーペーパーって「自由な紙」でいいの?
小樽のフリーペーパー「たるぽん」が創刊されてから約6年後に始まったコラム「冒頭から暴投」の記念すべき?第1回目のコラムです。
懐かし過ぎて泣けてくるわー^ ^
2004年の7月に創刊した、現在の「たるぽん」の前身「たるぽん瓦版」は、当時、1色刷りのA4判サイズ2ページでした。「小樽発のフリーペーパーを作ろう!」という呼びかけで集まった、市民有志によって、当時、紙面構成や内容、フリーペーパーの仕様等が話し合われました。そして、一番初めに出た案が「A5判サイズ・オールカラー・〇〇ページ」という仕様のものでした。しかし、オールカラーのページものを印刷する際の費用は「それなり」にかかる訳で、「どこにそんなお金あるの?」「素人が集まり、これから作るフリーペーパーに、広告を載せてくれるところなんてある?」「だったら自分たちでできる範囲で始めようよ」という事になり、前述の仕様に決定し、スタッフで印刷費を出し合い、スタートしたのを思い出します。
あれから、約6年。今回、けしてページ数は多くありませんが、念願の「カラーのページ物」に、ようやく辿りつきました。
ただ、この形でいつまで続けられるのかは、正直なところ未定です。「見難い」とか、「協賛が集まらない」とか、「絶対前の方が良い」的な現実にぶち当たったら、ある日突然、また、がらっとイメージが変わるかもしれません。そういう意味では、今回のリニューアルは、「創刊当初に思いつき、一度はやってみたかった形」にすぎないのかもしれません。
今後のたるぽんの行く末を考えると、前進もあれば後退もあるはず、更には、撤退が必要な時も来るかもしれません。でもそれらは、その時点での「今できる事の最大値」であり、後退も撤退も後ろ向きだとは考えません。
人は何故、前進・拡大・発展等を「正」と考え、後退・縮小・停滞・撤退等を「負」と考えるのでしょう。いつの間にか人は「分母は常に一定である」と思い込んでるような気がしてなりません。分母は日々変わる、分子の動きだけにとらわれては、自分の足下を見失ってしまうのではないかと思うのです。だから、これからもたるぽんは、形や構成・内容は変われど、自分たちのできる事を、できる範囲で、できるだけ頑張り、今できる事の最大値を形にして行く・・・これで良いのだと考えます。
フリーペーパーというのは、本来「無料で入手できる情報誌」という意味だと思うのですが、「たるぽん」は、局面局面でフレキシブルに変化しながら、その時点での最大値を形にしていける、「フリーペーパー=自由な紙」でありたいと思うのです。
読者の皆さんが便利に楽しめて、ご協賛頂いているお店や企業様には、「費用対効果」として正しい広告サービスを提供し、且つ、編集する私達も思いっきり楽しめる・・・そんなフリーペーパーになれる日を夢見て、素人ながら、今後も続けられる限り続けて行きたい今日この頃です。
[2010年TARUPON FREE4月号 vol.68掲載]