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ボストン駐妻?日記|#6 アメリカと東京

アメリカって何が特別なんだろう?

ボストンに住んでいるとアメリカ出身の先生たちは必ずこう言う。
「ボストンは安全で、交通の便も良くて、たくさん店もあって本当に楽しい街。多分日本から来た人たち以外はそう感じるはず」

そう、本当にそう。パリ、ロンドン、バルセロナ、シンガポールなど、これまで色々な世界の大都市に行ったが、他と比べるととても住みやすい街だなと感じる。
物乞いやスリも少なくて安全、チェーンショップもたくさんあって便利。雪は降るし寒いけど、一晩の間に塩と除雪車で道は歩きやすく整備され、車がなくても電車・バスを乗り継げばどこにでも行ける。

それはよく理解しつつ、最後の追記が問題で、日本、特に私が育った東京と比べるといずれも全く魅力がない。安全で便利で店があるなんて当たり前すぎて何も感じない。東京になくてボストンにあるものが何なのかまだ分からない。

ニューヨークも同じようなもので、人はさておき街を見るだけでは「こんなものか」という印象を持ってしまう。でっかいH&MとZARA、各種ハイブランド、MOMAショップ、これ全部山手線周辺にあるし、物価もあって日本のほうが安い。

日本の若者が世界に出ないとよく大人は嘆くけど、これは言語や安定志向のせいだけじゃないなと感じた。東京があまりにも魅力的過ぎて、世界があまりにも均質化しすぎていて、世界に出たところで「こんなものか」と感じてしまうのが根本的な原因。これって解決できるのかな?すべきなのかな?

まだヨーロッパのほうが見たことないような歴史的な建造物や美術品があるから楽しい。まだアジアのほうが知らない匂い・食べ物があるから楽しい。

アメリカって何が特別なんだろう?世界のリーダー国家だからこそ、他の国に輸出されすぎていて、知らないものが見つからない。アメリカに恋している東京出身の人がいたら、ぜひ何が魅力的なのか聞いてみたい。

少なくともわかったのは、私はたぶん東京での生活がとても好きだということ。ここに来るまでインドア派を自負していたのだけど、ここにきてわかったのが、いわゆるアウトドアではないもののアウトドア派だったということ。

なんか適当にふらっと街に出て、コーヒー片手に洋服とか雑貨を見ながら街を歩いて、疲れたらまた喫茶店で休憩するみたいな、そういう休日の過ごし方がとても好きだし、そういう瞬間に幸せを感じる。というか、中学生の時からそんな生活をしているから、それ以外の休日の過ごし方を知らない。

結構、東京に戻りたいかもしれない。


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