Nobuyuki Matsui SS22 Collection "Through the curtain"
Nobuyuki Matsui SS22 Collection "Through the curtain"
コレクション立ち上がりを目前に今シーズンのテーマについて書いてみます。恐らくどの家庭にもあるカーテン。それが今シーズンのテーマ。思想的な部分とプロダクト的な部分から紐解き、今シーズンの表現に落とし込んでいます。
SS22のテーマをデザイナーが考えていた頃、世の中は未曾有の脅威に晒され、普段通りの生活は一変。これまで普通にできていたことが普通ではなくなる。恐らく誰もが初めての体験だったのではないでしょうか。その中で強く制限されていたのが外出。家の中にいることが世の中的に正とされ、休日はおろか、仕事にさえも出向くことができなくなる非日常な時間。そんな家で過ごす時間が多くなった時に目に留まったもの。それがカーテンだったのだろう。
カーテンと言われて何を連想するか。上記に挙げたようにプロダクトとしてのカーテンを想像する人も多いだろう。勿論、その要素は本コレクションの随所に組み込まれている。ただ僕が感じた一番のキーワードは”曖昧”という言葉。
カーテンは窓や壁とは違って、外と中をはっきりと区画するものではなく、時には外であり時には中である曖昧な存在。その曖昧さを美しいと感じたことによるところが今回のテーマになる大きな要因になったのだと感じた。
彼がいう曖昧は様々なところで表現されている。とても繊細で綺麗な生地に対しての、敢えて組織を壊す様な加工。本来であれば縫製する部分を切りっぱなしで残したデザイン。着る人によって着方に変化が出るように余白を残したパターン。人種や性別の垣根を超えて作られた洋服達。コレクションピースに一貫して表現されているのがこの曖昧さだと感じている。
メインとなるファブリックの一つにレースがある。ステンドグラスから着想を得たオリジナルパターンのレース生地。一見、女性ものの様に見えるくらい繊細な生地をメンズ服の技術を駆使して作り上げた洋服達は、一口にユニセックスとは言えない程に完成度の高く、これまでに見たことのない様な洋服になっている。
まだまだ伝えられることは多いですが、ここから先は是非店頭に足を運んで頂いて一緒に洋服をご覧頂き、感じて頂ければなと思っています。今週末は通常オープン日にSS22の先行予約会も開催致します。一足先にご覧頂き、手に取って、袖を通して頂ければと思っています。まだまだ何が起こるかわからない世相ではありますが、是非この機会に足を運んで頂けましたら幸いです。皆様のご来店をこころよりお待ち致しております。
East End Gallery
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