無我夢中
ゴールデン・ウィーク(略してG・W)という名の長期休暇が過ぎ去り、強制的に平穏な日常へと突き落とされる。
休息は非日常と向き合う貴重な時間でもある。
その間、無駄を削ぎ落とし必然と思える叡智を養う贅沢な時を満喫するのだから。
まぁ、堅苦しい与太話はこの辺にしておき、G・W最終日にボキは都内で行われているオペラシティ美術館、またはミュージアムにて篠田桃紅女史の個展を鑑賞した。
実は実話で二度目の鑑賞だ。
こちらの美術館は時間という概念を放出させるほど作品の展示方法に力を注いでいる。
これは主観的な意見でしか無いが、作品を密接にさせない苦労が垣間見れる点も付け加えておく。
美術館の宣伝は周囲に任せるとして、今回鑑賞して痛感した事は、篠田桃紅女史の作品を通し事実確認はもとより、固定概念の打破といった前衛的な個性と向き合う重要な機会を得たと想う。
『書』は心の奥底に潜む代弁でありつつも、自己の『解放』でもある。
これらを見事に体現し、匠に表現した作家の一人が篠田桃紅女子である。
当たり前を物事に例えると、わたし、またはぼくやあなたも自身(自信)へと解放されない。
色に滅ぼされ、線に支配されるよりも、点で主張する意義を深めたいと解釈したい。
それこそ戯言であると認知されそうだが、事実は唯一無二でしか無い事を考慮すると容易いと感じられるはずだ。
人が人で動かされる事は必然なのだろう。
然し、人がものごとで動かされる現実をどれだけの人々が受け入れるのかはいまだに謎だ…
最後の休日に触発された能書きの一文でしか無い。
追記
これまであらゆる色を探求し、手探りをしてきたが、墨が持つ強弱を知ると色眼鏡に囚われていた自信が改めて愚かに思う。