ニュートリノ研究が秘める宇宙の可能性
EaRuです(n*´ω`*n) 今回は量子学についての話です。今注目されているニュートリノの実態について迫っていきたいと思います。 まず第一に、ニュートリノとは何なのかについてです。端的に言うと、ニュートリノは原子よりも小さい”素粒子”の一つですね。素粒子は”クオーク”、”レプトン”という二つの枠組みに分けられます。クオークはすべてが少数の電荷を持っていて個々に存在することが出来ないのに対して、レプトンは非常に独立した粒子であるので、個々に存在することが出来ます。ニュートリノはその二つの中でもレプトンの中に含まれており、さらにニュートリノの中でも”電子ニュートリノ”、”ミューニュートリノ”、”タウニュートリノ”の三つに分けることが出来ます。ちなみにニュートリノは光より速いとされています。そうです。もしこれが本当なら相対性理論は覆りますね。 ちなみにニュートリノを観測は大量の様々な物質を用意し、その物質とニュートリノが起こす反応を捉えることによってされています。反応を捉える方法もそのニュートリノと物質の反応によって生まれた荷電粒子を検出したりする方法と、反応により変換が起こった原子核の崩壊の様子を観測することにより検出する方法などがあります。しかしニュートリノ観測は思った以上に難しいので、大規模な実験装置を用意しなければ観測はほとんど不可能と言えるでしょう。 そして、ニュートリノを語る上で欠かせないのが、ニュートリノ振動です。ニュートリノ振動とは、時間の経過とともにニュートリノの種類が周期的に変化していく現象のことです。実はこのニュートリノ振動という現象の観測、ほんとに大発見なんです。というのも、以前までニュートリノには質量という概念が存在しないと思われていたのですが、このニュートリノ振動により質量が存在しているということが証明されたのです。これは従来の量子学の標準理論を覆すものでした。こういうこともあって、ますますニュートリノという物質が謎に包まれたと同時に、新たな可能性を秘めた物質として世間から再び注目されることとなったのです。ちなみにこのニュートリノ振動が観測されたのは1998年、飛騨にある”スーパーカミオカンデ”という施設でした。 では、ニュートリノはなぜそこまで研究が重ねられているのでしょう。それは、”宇宙の起源に迫ることができる”からです。多くの研究者がニュートリノのなんでも貫通してしまう性質、そして放射やガス、磁力の影響で進む軌道が変わらないという性質に注目しています。この性質により、遥か彼方から飛んできたニュートリノ素粒子の道筋を辿ることができるため、人類が現時点で把握できてない部分も把握することが出来る可能性もあり、宇宙の起源の解明に繋がるかもしれないのです。 このようにニュートリノは、宇宙研究と深いつながりがあり、謎が多く残る非常に面白いものなのです。
※写真引用 IceCube Collaboration