![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/43086915/rectangle_large_type_2_6a50414997e37512a68ca9088e535fb9.jpeg?width=1200)
へっぽこお遍路日記48「うどんのあったかさは、汁だけでなくそのうどんを打つおじさんの大きさと温かさ。」
1月9日 まわったお寺67〜70番札所
歩いた距離19km
朝コーヒーをいれながらまた話し込んでしまった。ダイキもソウタもほんとにおもしろくてそれぞれを持っていて、だからその話の焚き火に誰かが薪を置くように話題をもちだすとそこからまたボーッと火が燃えはじめる。ええやんか。この一瞬はこれっきりだもの。またいつかなんて、またいつかのままかもしれないから。
最初のお寺はすっかりまだあちこちが凍っていて、そして陽が当たらないから震えるようにお経を読んで、そうしてまた歩きはじめた。低気圧はまだそこにいるのか風がビュービューと吹き込んできて寒い寒い。
コンビニでも椅子のあるところとないところがあって、あったかかったころには椅子よりもコンビニの邪魔にならないところにシートを敷いて足を伸ばすほうが体が休まるのだけれど、これだけ寒いとそんなことよりとにかくあったかいところに少しでも長くいたいので休憩スペースがあると飛び込む。
うちのネコの太郎の気持ちがだんだんと分かってきた気がするもんだ。
とここまで書きながら、さみー!と思いながら飛び込んだコンビニには休憩スペースがなかったので仕方がなく、建物の横の少しでも風が当たらないところに避難してコーヒーを飲んでていると、向かいの駐車場で焼き芋を売っていたおっちゃんが「ひと口だけれど、どうぞ。お接待です。」と半分に切った焼き芋を持ってきてくださった。
なんてこった。これけ寒いときのひとの温かさは、それこそ心をあっためてくれる。これ思い出しながら書きながら、「ああ言うこと書こうとした!」と思ってしまったりするのだけれど、それは文字どおりそうなのだ。
ものごとが、そうあって欲しいタイミングでまさに起こるときに。これはひとの心に灯りをともすと思ってる。
あいちゃんが会いにいくよー!と言うてくれていて、ちょうど3つ目の寺だったかな、お寺に入ったもののウンコが漏れそうで、ちょうどトイレを探して焦っているときに後ろから「まさくーん!」とあいちゃんが手を振った。
数年ぶりの再会としては最悪のパターンだけれど、あいちゃーん!と手を振り返すとあいちゃんが「トイレは左だよー!」と神の発言をくれた。おかげでもれずにウンチャンはトイレの奥底へと旅立っていった。
戻ってきてあいちゃんに「ほんまありがとう!なんでトイレて分かったん!?」ときいたらあいちゃんは「だってFacebookで今年の抱負はウンコを漏らさないことって書いてたから」って教えてくれて、あの新年の僕にお年玉をあげたいくらいによくやったと思った。
風ビュービューやしどないしよかーと思っていたら、イベントをよく主催しているあいちゃんがまさかのこの寺で婚活イベントをしたことがあるということが分かりお寺の若住職にお願いして境内の風の当たらないところで珈琲を点てさせてもらった。あいちゃんファインプレー!
記憶にいるあいちゃんよりも目の前のあいちゃんはトーンが落ち着いていて、そんなに多くを言葉にするわけではないんだけれど、彼女なりに人生を積み重ねているんだろうなと思った。
さあ今日はなんとかこの先の国道沿いにある遍路小屋(基本行ってみないと泊まれるかどうか分からない。こないだはまさかの住宅街ど真ん中でトイレもなかったのであきらめた)まで歩こうかとテクテク歩く。
ちょうど遍路小屋の数百メートル手前におうどん屋さんがあって、ここでお腹いっぱいあったまってから向かおうと入った。お客さんは僕だけ、けれど迎えてくださったご主人も女性もあったかい笑顔でむかえてくださった。
あとからあとからお客さんが入ってきては慣れた感じで注文されていたので繁盛店なんだなぁ。
「お、後ろになんか書いてありますね?」
とご主人に話しかけられて、お遍路のこと、珈琲のことなどお話をさせてもらった。そうしてあったかくてでっかい天ぷらうどんを食べる。うめー。ほんとうめー。となりの人が注文してる炊き込みごはんうまそー!けどもうお腹いっぱい。
よし!気合いも入ったしいくかー!とお勘定お願いします、と女性に伝えるとちょっと待ってくださいね、とご主人がやってきた。
「遍路小屋って言ってもついたてのようなものがあるだけだし、この店7時までだから泊まっていったらいいですよ」
えーーーーーー!!!なんてこった。嬉しすぎる。
「7時まではお客さんも来るから、上で休んでくれていいですよ」
もうほんとに心が温まりすぎてのぼせてしまいそうだ。
あいちゃんからちょうど「近くの温泉のチケットがあるから送っていってあげようか!?」とメッセージが届いたので、緊急事態!うどん屋さんが泊めてくださるって!と返事を打ったらあいちゃんもよく来るうどん屋さんだったらしく、来たらいいじゃん!と呼び寄せた笑
あいちゃんもうどんと楽しい会話できっとあったまって、そしてあいちゃんにお風呂屋さんに連れて行ってもらってお風呂であったまることもできた。なんて有り難い1日なのだろう。ほんまにほんまにありがとうございます。
ここから先は
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/63566105/profile_9df58da5981316945ef97dce10223b92.jpg?fit=bounds&format=jpeg&quality=85&width=330)
自分が自分でいられること。
旅の日々で自分の心に浮かぶ思いや気づきを読み物として。僕の旅の生き方のなかで、読んでくださる方々の心に心地よい余白が生まれればいいなという…
自分の人生を実験台にして生きているので、いただいたお金はさらなる人生の実験に使わせていただきます!