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へっぽこお遍路日記26「旅を分かち合うことができる人の存在をうらやましいとは思わない。けれどおめでとう、と心から祝福できるよ。」
昨日は11時ぐらいまでかかってブログを書き上げた。早く寝ろよ!自分のことが1番大事なんだから、とコメントいただくのが目に見えている。僕もね、大切なことがあるんです。旅のなかで何かをおろそかにしていることなんて、決してないの。けれど、こうしてコメントをいただいたときにね、そうじゃねーんだよなーなんて思ってしまうことがあるの、けれどだいたいそういうときは自分に余裕がないとき。あとから読めば「自分ごととして想像してコメントくださったんだろうなぁ」と読みながら素直に思うのです。
余白!大事!
というわけで本日もいってみよー!お世話になった野村さんのお宅で珈琲をいれさせてもらった。タイ人の奥さまは僕のためにガッパオ弁当を持たせてくださった。もうね、ほんとこうしてコンビニとかばかりの生活をしていると(歩き遍路ではまずもって食事のタイミングとレストランとか食堂には合わせられないのね。これも自分なりに考えている結果だよ。)、ほんとに誰かが作ってくださったものがカラダに沁み渡る。食べててじんわりしてしまうものってあるよね。ほんとに。
息子くんの手を使わない朝食と、そのあとの宿題の本読みを一緒に見させてもらって、僕も出発。ほんとにお世話になりました。今度はタイ料理を習いに来させてもらうことになった。こうしてまたご縁が続いていくことが僕は何より嬉しい。
さて、本日もマイナス2度。それでもお家でカラダがあったまってからのスタートだから、昨日みたいにガチガチに寒いことはない。ほんとにありがたいことです。2時間歩いて、コンビニでひと休み。豆の焙煎がとても大変でタイミングが作りにくいから自分のために珈琲を点てることはもうなくて、たいてい珈琲はコンビニでいただいてる。
今日は途中から海沿いルートだったんだけれど、ずっと国道で、交通量も多いし、なんたって次の寺まではスタート時で75km。ちっとも近づいている気がしないし、こういう日はとにかくモチベーションがつくりにくい。それでも毎日コンスタントに歩いていかないといつまでたってもたどり着くこともできない。
育美さんからも「ひとりは大変だなぁ。励ましあったりできんもんな。」とメッセージをもらっていたけれど、ほんとにそう思う。まだスマホがあるから、顔が浮かんだ誰かにメッセージを送ったり、もらったりするけれども、これがないころのお遍路はほんとにほんとに自分と苦しみと向き合い続けていたんだろうなぁと素直に思う。選択肢を持っていて使わないだけの根性はへっぽこな僕にはとても持ちようがない。
お昼をちょっと芝生のところで寝っころがって体を伸ばして午後も歩く。だんだん体も慣れてきてはいるんだけれど、それでも大丈夫になっているかというと、やっぱり肩も足も痛くて、その限界までの距離が徐々に長くなっているという感じ。だから辛さが楽になってるかというと案外そうでもない。
もうちょっと歩きたいのになぁ、しんどいなぁと思って歩いていたタイミングで神戸のヒトミさんからメッセージが来た。「道の駅にいるんですが、どこにいらっしゃいますか?」よっしゃー、これでがんばる目的ができた。ちょっと待っててくださいねーっと、ノシノシ歩いていく。
ちょうど左手にきれいな浜がでてきたあたりで合流できてそこで珈琲を点てた。
娘さんのミナトはおもしろい。お母さんとのコンビだとなおさら。友達同士みたいにお互いにツッコミながら、ピクニックセットを持って浜におりてきて、そうして僕が珈琲を準備しているあいだにも、ワイワイ楽しそうにやっている。
いいなぁ。素直にそう思った。
自分の感じていることを。思いを。感動も。分かちあうことができる人が一緒にいること。
うらやましいというよりも、いいなぁ。という感情。
僕はたぶんこれからも旅はひとりなのだと思う。それは自分がそのことで向き合うことができる、見える世界があるからなのだけれど、けれどそれだって、自分で選び、そして何かを切り捨てているのだ。
だから親子であちこちに出かけていく彼女たちを見て、いいなぁと思った。
ヒトミさんは、お遍路さんにお接待をできたらいいなと思って、とおっきい水筒にあったかいお出汁をたくさん詰めて、そしてお友だちから集まったお味噌汁を一緒に持ってきてはった。僕がお接待第1号だ。
食事もいいなと思ったんですけど、お遍路さんは時間も気にしてらっしゃる方が多そうだから。うん、そのとおり。けれどこうして考えて、行動して、また次に向かっていくことこそがすんばらしいと思います。やっぱり想像だけでは世界はできてなくて、そこに行動することではじめてリアルな世界として自分に飛び込んでいく。
僕も旅は学び、とか気づき、とかいうよりも「世界を獲得すること」だと思ったりもする。それは世界が単順に広がるということだけではなくて、今まで見ていた世界が変わって見えるのだ。レイヤー(層)が増えていくという感じとも言える。
まあとにかく今日も歩いたことは歩いて。珈琲を点てさせてもらって、誰かが自分に会いに来てくれて、三つ星ホテル(東屋)に泊まって、高級なラーメン(ほんとにちっこいインスタントラーメン)とどら焼きを夕食でいただき、こうして寝袋にくるまりながら震える手でタイピングをし、さっきからしゃっくりが止まらないのだけれど、もう歯も磨いたので寝るのだ。
明日のことは明日でいい。
あなたの明日がええ明日でありますように。
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自分が自分でいられること。
旅の日々で自分の心に浮かぶ思いや気づきを読み物として。僕の旅の生き方のなかで、読んでくださる方々の心に心地よい余白が生まれればいいなという…
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