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へっぽこお遍路日記43「出会いの数と、その人のことを知る数は同じではないけれど。」
歩いた距離28km
まわったお寺:60番札所
夜明け前。お寺の無料宿を出ると、ご住職は参道に水をまいて、もう1日をはじめておられた。地域の方にも元気よくご挨拶をされている。もう少し時間があればご住職にもお話を聞いてみたかったな。出会いの数と、その人のことを知る数とは同じではない。出会う人の数の方が圧倒的に多いのだけれど、自分次第で知ることができる数はきっといくらでも増やしていけるんだと思う。
今日もなかなかしんどい1日だ。山の頂上近くに次のお寺がある。横峯寺。
ずっとずっとグネグネ道を辿って行ったその先に駐車場があって、残り2kmは登山道を登るようになっていた。
年始でまだお休みだからか、家族連れで山登りの格好で来られている家族と何組もすれ違った。きっと遍路に触れたことない人にとっては僕の格好と荷物は、この登山道には不釣り合いに映っただろう。
小学生になるかならない子が
「すっげー荷物!なんか、【てます】って書いてる!」
としばらく歩いた僕の背中に届く声で家族に話してた。
シャツのなかで汗がしたたるほど暑くなって、肩が食い込んでしんどくなったころにお寺に着いた。太陽は高い山に遮られて、屋根のうえのほうをかろうじて照らす程度。足元がズズっとなったので見てみると溶け残った雪が凍って参道にへばりついている。あれまー寒いはずだ。
かいていた汗も一気に冷えてブルブル震えるようになりながら経を読み、納経をいただいたあとは、下りの遍路道を確認してすぐにくだりはじめた。あぁ寒かった。
昨日あれだけゲストに会って話をしていたのに、今日は納経所でお寺の方とふたことみこと交わした以外はずっとひとり。しずかに、けれど、こうして思いを馳せるような日もいいもんだと思いながら残りの登山道を下っていった。
日が落ち切って、弱ったなぁこのままじゃ水が足りないなぁと思っていたころに、登山道が道路に合流して、くだっていったところに水の音。ちょうど水がくめるようになっていた。ひと安心。
ちょうどあたりが暗くなったころ。奥の院としてある山の中のお堂にたどりついた。今日はここで夜を明かさせていただく。
経を唱え、簡単にリュックのなかの昨日いただいたいなり寿司と粉末スープの食事をとって、お堂の屋根の下で、お堂の真ん中には頭を向けて寝袋にもぐりこんだ。
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自分が自分でいられること。
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