相手のための思いと行動がすべてのはじまり。
お腹空いた。だいぶお腹空いた。
オナカガスイタ。こう書くとスガシカオかセカイノオワリっぽくなるな。さて本編!
(どうかここでスベったからって読むのをやめないで!汗)
昨日の夜、夕食を食べにでて吸い込まれたおでん屋さん( 韓国でもおでんはおでんなの!びっくり!)のおばちゃんから、「あなたも釜山ソウルの自転車道を走ってきたんでしょ?」と言われビックリ。えぇそんなルートあったんかいなと調べたらすぐに出てきた・・・。
こんなことなら先に調べとったら!!!
なんて思いはしない。よく分からず走ってから、これまで出会えた人たちがいる。交通量多いとこでは怖い思いもしたし、気づいたらバイパス走ってしもてて焦ったこともあったし、それは考え方によっては「悪いこと」かもしれんけれど、僕からしたらドキドキ・ハラハラした立派な記憶に残る思い出だ。プラス・マイナスとか善悪とのものさしで考えはじめた途端に見えなくなってしまうことってあると思う。僕は別に訓練したわけでもないんだけれど、あんまりにも多くのトラブルを体験させてきてもろたからかどうかこういう考え方が自然になった。
えーっと脱線したかいな。ほんで今日からはそのソウルまでのサイクリングルートを辿る。なんと立派な。アップダウンが少なくて車とも別に走れる川沿いルートがしっかり整備されているではないか。散歩している人がいたり、地元のサイクリストに海外のツーリストも走っている、ルアー釣りしている人もいたりなんかしておもしろい。韓国での挨拶の仕方にも慣れてきた。ふだんは目が合ったらニコッとしたりお辞儀するんだけれど、あんまり無表情で真っ直ぐみんな走っていくもんだから(もちろん元気よく挨拶してくれるひともたくさんいます)、前もって距離があるうちにわかりやすくペコっと頭を下げるようにしたらほとんどの人が返してくれはるようになった!嬉しい!
ちょうど2時間ほど走ったところで、朝ごはんを食べていない僕はルートを外れてマンションが並ぶ住宅街に入っていった。韓国のご飯屋さんってオモテからだと様子が分からないところも多くて、そして店によって麺だったり、焼肉だったり、煮込みだったりするのでまだちょっと様子をうかがってエイヤ!と入らないといけない僕なのだけれど、今日も朝ごはん探しに苦戦して、あーこのままじゃー!となっていたところにちょうど中でひとりのお兄さんがご飯を食べている食堂を見つけたので入ったのだ。
迎えてくれはったおじさんに、ごめんね日本人だから言葉がわからなくてと伝えて、それからオススメをお願いした。そしたらこれな!と右上のやつを指差しておじさんは厨房に入っていった。コンロに分厚い鉄鍋を置いてブォーっと火をもやしてはる。これはチゲっぽいやつか!?と待っていたら豆腐のたくさん入ったやつがきた!おまけに!おまけにー!お魚の唐揚げに付け合わせのキムチやちょっとしたものまでたくさんたくさんー!韓国に来ていちばん嬉しいごはんだ!いっぱい種類食べれるもんー!
とりあえず食べかたを教えてくれて、僕がうめー!と言ったので安心したおいちゃんはテレビニュースを見始めた。韓国の大統領などが出てきていて、そのあとデモの様子なども映ってて、ときどきなんか声をあげてはる。やっぱり日本でも韓国でも自国の政府への思いってあるわなぁと思いながら、おいしいごはんをお腹いっぱいいただいた。ちょうど食べ終わった頃に厨房でテキパキ働いてはる優しそうな顔のおかあさんが、おいちゃんになんか言うてはって、そしたらおいちゃんがミルクと砂糖が入ってるインスタントコーヒースティックを指さして飲む?と聞いてくれたのでいただくことにした。よーしじゃあ僕はコーヒーお返しするぞー!
昨日から覚えたGoogle翻訳のアプリを使って、これからコーヒーつくったら飲んでもらえますか?と聞いたらおいちゃんニッコリ微笑んでくれた。おっしゃーやるでー!ポットを火にセットして、豆をゴリゴリと挽きはじめたら、いい香りねぇとおかあさんも仕事をひと区切りつけて厨房から出てきはった。ていねいにドリップをして、そうしてふたりに飲んでいただく。ブラックはどうかなぁと思っていたけれど、おいしいわぁ香りがいいと喜んでくれはった。(こういうところはGoogle翻訳ではなく、テレパシーつかってます。)
コーヒー飲みながらおいちゃんがいきなり電話しはじめたと思うとスマホを持って僕のところにやってきた?ん?どゆこと?とりあえずこんにちは!言うてみたら電話からもこんにちは!と聞こえてきた。お父さんが僕に電話をくれました、言うてはる!息子さんか!日本語勉強してはったんやろうな。お父さんそれ知ってたから僕に日本語で話をさせてあげたくてかけてくれはったんやなぁ。嬉しい。ありがとう。
電話のあとにはね、なんでそもそもコーヒーなんやと言う話になって、Google翻訳つかって、国に違いやわだかまりはあれどもね、人はおなじやと思うねん言うたら喜んでくれはった。そして僕がとっても誇りに思ってるフリーハガーのくわばらくんのyoutubeを観てもらったらな、おかあさん涙ためながら見てくれはった。お父さんは何度もうなずきながら、僕に握手をしてくれはったよ。僕もジーンと来たわ。
お代は受けとってくれへんかった。それどころかおっきい梨をもってきなーってくれはった。なんだか空が広がっていくような、そんな心持ちでふたりに手を振ってまたサイクリングルートにむけて走りはじめた。だいじょうぶや。自分が信じているものはまちがいない。相手のための思いと行動がつながっていく。
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自分が自分でいられること。
旅の日々で自分の心に浮かぶ思いや気づきを読み物として。僕の旅の生き方のなかで、読んでくださる方々の心に心地よい余白が生まれればいいなという…
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