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いのちと向き合うためには、いのちの専門家にならないといけないのだろうか。

【いのっちの電話】というものがあります。
それは昨日から書いている坂口恭平さんが、ライフワークとしてはる生きるのがつらい人を受け入れる電話です。

政府にも【いのちの電話】があります。
かけてもなかなか繋がらないそうです。けれど僕が試したわけじゃなくこれは坂口さんが語ってはることやから自信がありません。

自信がないからいま調べてみました。

政府の電話というよりかは、法人として全国にネットワークを持ってるんですね。なるほど。そして少しのぞいてみたら、つながる時間帯があるんですね。なるほど。

中身についても調べてみました。それはどんな人が相談員をしているかということ。なるほど、募集のページがあるんですね。

【東京いのちの電話相談員募集】
https://www.indt.jp/info/staff.php

いのちの電話には研修があるそうです。

1年半。なんと!そして受講料がかかる。

はい。人生を終わりにしたいと思っているかたを止めるためにやるんですよね。

そして、相談員の報酬はと調べてみました。

【ボランティア】

と出ています。

はい。人生を終わりにしたいと思っているかたを止めるためにやるんですよね。


僕は想像しかできないけれど、この命をあつかうやりとりをボランティアでやることができる人ってある程度の思いと行動ができるひとか、それかもうご自分の生活はある程度区切りがついているかたじゃないと難しいんじゃないかと思います。


ここまでで書くのは浅はか、かもしれないけれど。

この条件で相談員が集まるとはなかなか想像しにくい、そしてそのことが原因で電話がつながりにくいんだとしたら、とても痛い。

どうしてか。僕ならこう考えます。

追い詰められている人がそれでも誰かに思いを伝えたいと思って、かけた電話がつながらなかったときに、どんな寂しさが待っているのだろうかということです。

だいたいどこの電話も時間が決められています。

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つながらなかったときには、翌日この時間を待ってからまたかけるのだろうか。

1時間おきにかけてみるのだろうか。

想像していたら心がソワソワしてきました。

有償にして、そしてシフトを組めば、24時間対応にできるのではないか。

そんなことを考えてしまいました。


政府からの助成金のようなものがしっかりないとしたら、そしてそのことで相談員がボランティアのみの受付だとしたら、とても24時間体制なんてパッとはできないと思う。相談を受けるほうの理屈はなんとなく想像できる。


けれどその受ける側のゆとりに、相談したい側の緊急性はどこまで対応できるのだろうか。そして何より大事な一線をこえようとしている人たちにはどうしたらいいのだろうか。


そんなことを朝から考えています。そう、この自分を見つめるシリーズは自分の頭が起きてしまう前に書こうといういわば朝の歯磨きみたいなものなので、そんなものにみなさんをお付き合いさせてしまっているのです。

僕はいのちの電話の問題をみなさんに定義したいのではありません。よく知らなかったから、さっと調べて自分で書いてみただけです。


さて、坂口恭平さんの「いのっちの電話」に戻りましょう。

なんだかすげーことしているなと思ったんです。いま10年続けているそうです。

どうやってやっているか。

それは彼が携帯の電話番号を公開しているんです。どんなかたちで?

Twitterのプロフィールのところの画像に電話番号が入っています。

彼の書籍の表紙に電話番号が入っています。

24時間いつでもどうぞ、出られなかったら折り返すから。というスタイルです。

とんでもない人だと思いました。どんな精神で日々いのちを終えたいと思っている人と向き合っているんだろう、と僕はほんとにこの人はとてつもない人だなと思っていました。


つい最近チャンスが訪れました。

坂口さんはツイキャスというLIVE配信をよくやっています。そこでひとりで24時間テレビをやってみたり、歌の練習を公開していたりします。そのなかで、僕が見ているときに、彼が歌を歌っているときにいのっちの電話がかかってきました。

相談してきたひと「あの〜・・・・・・」

坂口さん「こんにちは!電話ありがとうね!いまねLIVEで歌を歌っているところだからね、一緒に聞いてみようか!いい!?」

相談してきたひと「は、はい・・・・・」

(坂口さん熱唱)

坂口さん「どう?少し楽になった?」

相談してきたひと「とってもいい歌ですね」

坂口さん「あ!そうだ!いま配信してるからあなたの声も入っちゃってるわ!どう?だいぶいっぱいいっぱいな感じ?」

相談してきたひと「はい」

坂口さん「わかった。またかけてきてよ。ね!待ってるからね。ありがとうね!」


そうして通話が終わった。

それからもちょくちょくかかってくるのだけれど、だいたいこういったかたち。


「おい!もっとしっかりやれ!」

そう思ったあなた。大丈夫、僕が文字を書いていて、それを読んでいるだけだから僕が嘘を書いているかもしれないし、ちゃんと状況を伝えられていない可能性だってありますからね。

さて、書きましょう。

とんでもない人だなと思った。この人は。愛だなと思った。それはもう考えなしに。理屈でもない。けれどもLIVEで見ている僕が勝手にそう思ってる。


彼は言う。電話をしてくる人と話していると見えてくることがある。

「友だちがいない」

「自分ひとりでの過ごし方がわからない」

「誰かと話がしたい」

「ほんとうにこの電話のあとに自殺をしてしまっていたとしたら、必ず警察から直前の通話記録として電話がかかってくる。過去に電話がかかってきたのは1度。」


こんなことはもう10年いのちと向き合い続けた人でないと言えない。彼は自殺を無くしたいと言う。だから彼自身がずっとずっとそれを続けている。

最近はメディアに出て一気に相談件数が1日120件とかになって、急遽SNSで電話相談員を13人募って、彼が出れない電話を振り分けて対応しているそうだ。

そのひとたちは何の研修も受けていない。

ただやりたい、そう思って手を挙げた人たち。

来年はその人たちを有償の相談員としてできるように持っていくことが彼のひとつの目標だそうだ。とんでもない人だ。


いのちと向き合うべきなのは、いのちの専門家だろうか。

僕たちは生きている。

僕たちはいのちの専門家じゃないのだろうか。

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