ガールズバンドクライ二周目
山奥に住むが、アニメは見るし、ゲームはする。
ガールズバンドクライというアニメが今春にあった。
ガールズバンドが売れていくストーリーで、よくあるものではあるのだが、無性に刺さる。
アニメなど、映像作品は二周目をすることはほとんどないのだが、した。
主人公の仁菜は高校二年、いじめられていた子を助けることで、逆にいじめの対象になってしまう。
いじめはおかしい。間違っている。私が助けなければ誰が手を差し伸べるのか。私は正しい。
そんなド正論で、自らの身を危険に晒す行為をしてしまう。やらないといてもたってもいられない。
私は間違ってない。絶対に。
軽微なことだったが、自分にもその経験がある。
中学のクラスのLINEグループに、他校の訳のわからないアカウントを次々追加するクラスメイトがおり、LINEグループが荒れた。
その他校のアカウントを削除して回る。だって迷惑だし、鬱陶しいし、僕は間違っていないから。
すると、案の定、何してんだ、という話になる。
自分の場合は運が良く、卒業後のタイミングだったので、悪化はせず、時は流れた。
自分はその過去の自分のことが好きだ。よくやった。お前は間違っていない。
そんな感情が、仁菜の姿と重なり合ったのだと思う。
その上で、バンドというテーマである。
高校時代は特にバンドに打ち込んだ。楽しかった。
仲間と一緒に音を奏でる。ライブハウスの雰囲気を共有する。もみくちゃになってフロアで騒ぐ。
そんな楽しい思い出の裏には、人間関係のゴタつきは付き物だ。
プロを目指してやっていた訳ではないので、仁菜らの本気度には敵わないが、共感は多い。
人と一緒に協同してひとつのものを作り上げる。面倒くさいことを言い出す人がいるかと思えば、逆に面倒がられることもある。
モヤモヤ、イライラ。
けれど、その経験も含めて良かったこと。本気でぶつかることは気持ちがいいこと。
現在地、山奥の里のコミュニティで生きる。
社会問題を直視して、この選択は間違っていない。絶対正しいんだ。証明してやる。やってやる。
しかし孤独だ。
仁菜のように自分にはバンドメンバーが今はいない。
たぶんそれは、自分がまだ本気でぶつかっていないからだとも思う。自分の問題でもある。
しかしバンドを組むなら同じ時代のロックを聴いて育った人と組みたい。
同じような社会的背景を抱えている同世代を求めてしまう。
ないものねだりなのは分かっている。ゆらゆらゆらゆら
俺は正しい。間違ってない。証明してやる。
そんな強がりを自分が認めてあげないと自分を保てない、弱々しい正論モンスター。
自分の一つの側面を客観視させてくれるのが、アニメの良いところ。
LINEグループ事件で悪さをしたクラスメイトがアニオタだったせいで、アニメに対する偏見が強くなり、触れる機会を遅らされたので、そこだけは恨んでいる。
ガールズバンドのプロデュースしたい。
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