【米資産運用会社が世界142の政府系ファンドや中央銀行を対象に調査】 3年前より18ポイント高い68パーセントが金を自国に保管していると回答
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【視点】西側から「大量帰国」した金 その背景とBRICSが逃避先になる理由
各国が金準備の物理的な保管場所を自国に移す動きを加速させている。米資産運用会社「インベスコ」が世界142の政府系ファンドや中央銀行を対象に行なった調査によると、金を自国に保管していると回答したのは、3年前より18ポイント高い68パーセントにのぼった。スプートニクは投資家がどういったリスクを避けようとしているのか、資産を安全に保管するためにどのような代替手段を探っているのかを検証した。
対露制裁を受けた合理的結論
米国はロシアのウクライナでの特殊軍事作戦の開始以降、6400億ドル(91兆円)のロシア政府の資産を凍結している。このことは、世界各国の中央銀行の懸念を招いた。スイス・フリブール大学のセルジオ・ロッシ教授(金融・マクロ経済学)は、スプートニクに対し、各国の資産の本国への引き揚げは、資産を自らの手で「完全に管理」したいという安全保障上の理由から起きたと説明する。
また、ロッシ教授によると、金の「大量帰国」は、西側世界の金融資産や投資の需要が減退していることを意味している。
「米連邦準備制度理事会(FRB)や欧州中銀といった主要中銀の金融制限政策は、西側の金融資産から金準備への移行をさらに促進する可能性がある。特に中小企業や家計の不良債権の増加を考慮すると、いかなる追加利上げも西側の金融システムをますます脆弱化させることになる」