4 スペイン巡礼3日目 - くつはわざわいの元
自分の手元に唯一残るスペイン巡礼の証、クレデンシャルを眺めている。
17年も前のことで本当に記憶は雲散霧消している。恥ずかしながら。
3日目の4月25日は、NavarraのAlbergue Larrasoanaに泊まったようだ。この巡礼宿まで、どこをどう行ったかは上記の地図のようだ。
巡礼2日目がピレネー越えだったので、Roncesscalles にあった元修道院の宿からは高低差500mほど道を下っている。
歩いているうちにわかったことだが、履いていたナイキのテニスシューズなのだが、自分の歩き方の悪さ、シューズの内部の構造などにより、左足親指あたりが擦れて痛くなっていた。入念な準備もせずいきなり歩き出したぼくが悪いのだが、これはこの巡礼において大きな問題となって行った。
・なんせ歩くと痛い
・痛いので数キロ歩いては靴を脱いで休んだ
・靴の左足前方や、甲の部分にフエルトを入れて痛さを軽減した
・この左足の痛みとの格闘を以降3週間ずっと続けた
・今ではあのとき巡礼を途中でよく投げ出さなかったなと感心する
・特筆すべきは頻繁に靴やソックスを脱いで休んでいたせいか奇跡的に豆は一切できなかった
・3週間目にレオンという大きな街にあった大きなデパートの上階にあったアウトドアコーナーで見つけたサロモンのミッドソールのトレッキングシューズに出会い救われた
・それまで人生最長10キロしか歩いたことのない不勉強なぼくは足にあったトレッキングシューズの重要さに気づかされた
・特に17年前の当時中敷に使われていた Ortholite のクッション性は抜群で、舗装路や野道を歩くと雲のうえを歩くような心地だった
・あの当時パリでは円ユーロの交換レートが170円で100ユーロしたその靴は17000円相当だったがその有用性から十分に元が取れたと思っている
・レオンの町を越えてスペイン巡礼最後の行程である雨の日の多いガルシア地方ではゴアテックスが水の侵入を防いでくれた
・雨でドロドロになった草の多い道などではミッドソールの高さが水の侵入から足を守ってくれた
・さらに言えば靴を履いたときに前方の指のところに少し隙間を作り且つソックスの厚さで綺麗に足と靴をフィットさせる調整には体験と技術がいる
・テニスシューズで歩くぼくとは対称的に他の巡礼者の日記をみると靴底の硬いハイソールの靴紐で編み上げる登山靴を履いて足を痛めているケースを散見する
・長距離の徒歩巡礼においてはウオーキングポールも重要なアイテムだがこのぼくの巡礼ではそこまで考えが及ばずポールなしで歩いたのでこの稿では触れないが巡礼を予定する人はぜひ考慮して欲しい
つづく