【もうどうにもならない自民党の腐敗堕落】「安倍派幹部を処分しろ」──と騒ぎ立てた地方組織まで「裏金づくり」に手を染めていたことが発覚
抜粋
日刊ゲンダイ
方組織も「政治とカネ」
しかし、自民党の腐敗堕落は、もはや安倍派の幹部に処分を下したくらいでは、どうにもならないのではないか。「安倍派幹部を処分しろ」──と騒ぎ立てた地方組織まで「裏金づくり」に手を染めていたことが発覚したからだ。
共同通信が配信(16日)したスクープ調査に、呆れ返った国民も多いに違いない。
自民党の二階元幹事長に「政策活動費」として、5年間で50億円もの使途不明のカネが渡っていたことが問題になっているが、自民党の16道府県も「政策活動費」と同じ制度を導入しているというのだ。
政策活動費は、党側の収支報告書には支出として記載する必要があるが、受け取った議員側は収入として記載する必要がなく、有権者は使途を知ることができない。一種の「裏金」である。政治資金のブラックボックスとなっている。茂木幹事長も「政策活動費」として10億円を受け取っている。
共同通信によると、青森、新潟、兵庫などの県連が導入しているという。「使い方は各議員に任せている」(大分県連)といった回答が多かったそうだ。いわゆる「掴みガネ」である。
それにしても、自分たちも裏金をつくっておきながら、よくも「全国幹事長会議」で、「誰が責任をとるのか」などと口にできたものだ。
要するに自民党という組織は、上から下まで、裏金まみれの集団ということなのではないか。
呆れるのは、政治資金をどう使ったのか分からなくするために、安倍派だけでなく、他の派閥もアノ手コノ手を悪用していることだ。
たとえば茂木派議員は、政治資金を「資金管理団体」から、使途の公開基準がゆるい「後援会」に移動させることで、具体的に何に使ったのか分からなくしている。茂木の場合、2009~22年の14年間に4億4000万円を「後援会」に移動させ、「後援会」の支出のうち94.4%が使途不明となっている。こんなふざけたやり方が許されていいのか。
法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)がこう言う。
「最大派閥から地方まで、いかに自民党政治がカネにまみれているか、ということです。裏金をつくり、使途を隠そうとするのは、要するに表にできないカネの使い方をしているということでしょう。パーティーを利用した安倍派の裏金づくりも、氷山の一角なのだと思う」