おもしろきこともなき世をおもしろく
こんにちは。鎌倉の情報デザイン会社、アースボイスプロジェクトです。
暑いですね〜。今日から関東も梅雨明けだそうです。
湿気の多い鎌倉では、梅雨はカビとの戦いでもあります(涙)。
ようやく解放されてホッとしつつも、今年も酷暑との予想。少しでも涼やかに、爽やかに過ごす工夫をしたいものです。
BJ Electric
さて、本題に入ります。
弊社代表はギタリストでもありまして、楽器の調整やらアンプの調整やらで、電気屋さんにお世話になることが多いんです。
いつもお世話になっているのは、藤沢にほど近いBJ Electric。
オーディオ、アンプ、楽器の音源部分の調整、ケーブルなどなど、音に関する電気部分はほぼ全て扱っておられます。
代表の石河(いしこ)宣彦さんのオーディオの話が面白い。
それで時々、弊社代表にくっついてお邪魔しています。
今日もオーディオの世界の移り変わりなどなど、いろいろなお話を伺いました。石河さんのお話をきっかけに色々考えさせられたので、紹介方々書かせてていただきます。
アナログレコード再興
録音された音楽コンテンツ(音楽レコード)の世界は、物凄く移り変わりが激しいですよね。
30数年前にCDが発明され、アナログレコードが衰退。その後、ネットの普及によりiTunesが発明され、ハイレゾなど関連製品が主流になり、CDも衰退。
目まぐるしく変わった音楽レコード周辺の歴史ですが、「歴史は繰り返す」と言われるように、この何年かで、アナログレコードがまた復活してきました。
一般社団法人日本レコード協会による、2010〜20年のアナログレコードの売上推移を見てみましょう。
昨年度はコロナの影響か、若干数量が減っていますが、ほぼ右肩上がりで売れているのがわかります。
レコード針の需要
石河さんが新人の頃、初めて担当したのはレコード針の製造。その後、CDの台頭により、レコード針が衰退したので、その後の世代に技術を受け継ぐことなかった。
ところが、上記のグラフのように、アナログレコードが復活すれば、当然、レコード針も需要が増えます。
レコード針は、石河さんのようなレコード針の製造経験のある世代が、まだ現役だからなんとかなったわけですが、中には、全く技術が受け継がれずにモノだけ残ってしまった場合もある。
製造中止になった古い機械の修理
10数年前にお世話になった三重県のある企業では、既に製造中止になっているような古い機械の修理を頼まれることがあるそうです。
その企業さんは、そういった古い機械を全部分解して、その原因を調べるんだそうです。例えば、「部品AとBとの間に、こういった形状の部品Cがあったはず」というように原因を追求し、その部品Cを削り出して作るんだそうです。
すごい話ですね。
ないものを作り出した増田安二郎
そこで思い出したのは江戸時代、当時不可能と言われていた国内での大砲製造に成功した、増田安二郎。
嘉永5年 (1852年)に津軽藩(現青森県)の依頼により、後の砲術奉行、高島秋帆と協力して製造したそうです。
その模様は歴史ギャグ漫画「風雲児たち」に詳しいですが、安二郎さんの子孫が経営されている企業「増幸株式会社」さんのウェブサイトにも書かれています。
面白いことを追求する
「これまでレコード針、ステレオ、ケーブル、アンプ、楽器の修理まで、オーディオに関することは一通りやることができて、自分は幸せだと思う。あとは、この技術を受け継いでくれる人がいたらね〜」と石河さん。
やはりこういった道は、最低10年は腰を据えてやらないと身に付かないそうです。
設計図通りにはいかないのが通常。材質などによっても個々に違う対応を求められる。そういったことに柔軟に対応する力が必要だし、より良いものを追求する好奇心も大切。
「俺たちの若い頃は、金よりもいかに面白いかで仕事を選んだ。だから、ここまでやってこれた。興味があるモノなら、もっと面白いものを、もっといいものをと無理なく追求できる。先に収入を気にしてちゃ、こんな仕事できないよね(笑)」と石河さん。
おそらく、三重県の企業さんにしても、安二郎さんにしても、石河さん同様、面白い!と思ってひたすら追求したから、ひらめきも生まれ、成功に繋がったのではないかと思います。
ということで、酷暑の中でも涼しいこと、清々しいことを探していきたいと思います。
高杉晋作も「おもしろきこともなき世をおもしろく」と言ってますしね。
榎田智子@鎌倉