忘れ物と葛藤と宣言と
年長さんになった娘は、最近、幼稚園の準備を自分でやるように言われて、彼女なりに一生懸命頑張っている。
とはいえ、6歳になって3、4ヶ月。
忘れ物も多いし、時間ギリギリになることも多い。
出勤時間を後ろにずらすことで、毎朝の幼稚園への送りはパパと一緒。
一昨日は、送り届けて自宅の玄関を開けたところで、「通園バックと体操着忘れてる!」と妻さんの声。
オレ届けてくるよと、玄関で受け取って、幼稚園まで届けた。
その日の夜、仕事から帰宅すると寝る準備ができたほのかから、「パパ、体操着とどけてくれて、ありがとう」とお礼を言われた。
いいえー、忘れ物しないように気をつけてね。
今朝のこと、いつも通りに幼稚園に着くと、年長のお友達は、消防団の法被を着ている。
それを見た瞬間、自分が忘れていたことに気づいて立ち止まるほのか。
その横を自転車に乗った他のママさんが、「あ、法被忘れた」と言いながら、自転車を停める。
後ろに乗った男の子を降ろしながら、「まぁ、いっか。お迎えのときに持ってきてあげる」と話しかけている。
男の子は、ママさんになにやら文句を言っていたけど、諦めたのか、納得したのか、そのまま園舎に向かって歩いていく。
その様子を見ながら、立ち尽くすほのか。
「どうする?お迎えのときママに持ってきてもらう?それとも、今から取りに戻る?」
逡巡して、小さな声で「取りに戻る」
「帰りにママに持ってきてもらったら?」
彼女なりに一生懸命考える。
心配そうに見守ってくれていた他のママさんからも「ほのちゃん、お迎えのときにママに持ってきてもらったら?」
「うちの○○は、そのまま行ったから大丈夫だよ」
と声をかけてもらう。
下を向いて悩んで、小さな声で「取りに戻る」
「そうか、じゃあ、取りに戻ろう」
声をかけてくれたママさん達にお礼を伝えて、来た道を引き返す。
スマホで妻さんに「はっぴ忘れた。戻ります」とメッセージを送る。
半分引き返したところで、法被を片手に走ってくる妻さんと合流。
その場で法被を着て、また引き返す。
「明日は忘れ物しないようにする」
6歳児の宣言が、とても愛おしいと感じる秋の朝。