賑やかな日々、ふたたび
昨年末、クリスマス前の12月22日
仕事を休みにして、妻さんと娘を乗せて、車で羽田空港に向かう
国道246号から保土ヶ谷バイパス、首都高速神奈川3号狩場線を経由して、首都高速湾岸線を走り抜ける
平日の昼間ということもあって、流れはスムーズ
1時間半かからずに、羽田空港に到着する
信州そばのお店で、蕎麦で腹ごしらえを済ますと、お土産コーナーを物色
空港限定で、美女と野獣とコラボしたお土産を見つけて、欲しがる娘に、帰ってきたら買おうねと説得する
そろそろ出発ゲートを通過しようとする頃から、娘の表情が曇りはじめる
パパは行かないの?
パパはお仕事あるからね
あとからくるの?
ううん、今回は行かないよ
何度かやり取りをするうちに、瞳に涙が溢れ出す
手荷物検査を受けるために、列に並ぶ
妻さんが荷物検査を受けてる隙に、パパのもとまで走ってくる
しっかりと抱き止めてから、じいじとばあばへの伝言をお願いする
うん。わかった。と頷くのを見届けて、妻さんのもとへと向かわせる
出発ゲートを潜った向こう側で、涙を手で拭いながら手を振る娘に、見えるように大きく手を振る
去年の1月に一軒家を購入して、初めて迎える年末年始は、ひとりで過ごす静かな時間となった
娘のために拵えた木造二階建てのカフェを解体して、勉強机と棚に作り替えた
娘の背が伸びて天井に頭が当たってしまうから、年末年始に作り替えようと計画していたものだ
それでも2日程度で出来上がってしまって、残った休みは動画配信サービスで映画とアニメ三昧だった
2週間を過ぎたあたりから、ひとりでの生活に慣れてきて、寂しさを感じなくなってくる
年末から仕事が立て込んでいたことも、そう感じる理由のひとつだと思う
1月11日、終日仕事を休みにする予定だったが、午前中はみっちり打ち合わせ
13時を過ぎてから、羽田空港までひとり車を走らせる
到着の15分前に駐車場に車を停めて、到着出口で出迎える準備をする
娘と同じくらいの男の子が、ママの手を離して到着出口を駆け抜けてくる
お迎えのパパに飛びつく姿を見て、微笑ましくなる
そろそろかなー、とガラス越しに行き交う人を見ていると、視界の中で駆け寄ってくる姿を捉える
パパ!ただいま!
あれ?出口違ったの?
出発の日に見つけた美女と野獣のお土産を買いに行くと、まさかの売り切れ
欲しかったデザインとは違うものを購入して、車に乗り込む
静かだった家が、急激に賑やかになる
妻さんも娘も、3週間分の出来事を伝えようと交互に話しかけてくる
キミたち騒がしいな。と言いながら、笑顔になっていることを自覚する
広いベッドにひとりだと、ゆったり寝れると思ったけど、部屋が寒くて結局縮こまって寝てた
それが、布団は取られるし、何度も蹴飛ばされるわで、就寝時間までも賑やかになる
ほら、朝だよ。幼稚園行くんでしょ
起きない娘をなんとか起こす
賑やかな日々が、ふたたび