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バイクで走り出す
以前にも軽く触れたことがあるが、私の育った家庭環境は、一般的にはあまり良いとは言えないのだろう。
なので、自分自身の反抗期を思い返してみるに、誰かの役に立つようなエピソードが思いつかないのだけど、大好きなかすみさんの企画なので、少しだけ参加してみようと思う。
中学生くらいの頃になると、父親は毎晩深夜に帰宅し早朝に家を出ていたようなので、ほとんど顔を合わせた記憶が無い。
彼が朝早くから深夜まで何をしていたのか知らないし、興味もないのだが、あまり家族を顧みないことに、もしかしたら寂しさや嫌悪感のような感情を持っていたのではないかもしれない。
というわけで、父親への反抗は接点がほとんどないことから、無かったように思う。
次に母親。彼女も基本的には深夜に帰宅することが多かった。
日中デパートで仕事をして、帰宅後に私と弟の食事を用意し、そのままスナックでのパートか、呑みに行くかで、こちらもあまり家で顔を合わせることが無かった。
ただ、学校のことや行事には顔を出してくれてはいたので、最低限のことはやってくれていたのだと思う。
なので、反抗期特有の感情をうまくコントロール出来ずに、反抗するという機会が、あまり無かったのかもしれない。
それでも、怒りに任せて壁やドアを殴りつけた記憶はある。
理由は思い出せないけど。
高校生になると、ガソリンスタンドでアルバイトを始めた。
タバコを吸い、稼いだお金で、深夜までレストランに入りびたっていた。
高校卒業間近には、バイクの免許を取って中古のバイクを買い、仲間と好きなだけ走り回っていた。
暴走族と呼ばれるタイプではなく、走り屋と呼ばれる峠道をレースみたいに走り抜けるタイプだった。
自分でもよく分からない、心の奥底から湧き上がる怒りのようなエネルギーを、バイクのアクセルをフルスロットルにして恐怖心に転換することで沈めていたような気もする。
とにかく狂ったように、バイクで走り回っていた。
振り返るとあれは、反抗期であり、青春だったように思う。
かすみさん、こんな内容でも良いかな。