娘がふた口、妻がひと口、残りは私
バレンタインデーに同僚から、小さなチョコレート菓子をもらった。
ビスケットでチョコレートをサンドした、ほんのりビターな大人のお菓子。
結婚する前から、バレンタインデーにいただいたものは、必ず持ち帰って妻に報告する。
忘れっぽい私の代わりに、妻はホワイトデーのお返しを考えて用意してくれる。
去年からチョコレートの味を知った娘は、私が持ち帰ったお菓子を目ざとく見つけて、「パパ!それなに!ねーねー!それ、ほのの?」と聞いてくる。
「パパの会社の人から、バレンタインデーでもらったんだよ。一緒に食べよっか?」
「うん。ママも一緒に食べよっ!」
ということで、娘の手のひらに収まるくらいのチョコレート菓子を、家族みんなで分ける。
娘がふた口、妻がひと口、残りは私。
ほとんど残ってなくて、ほんのりチョコレートの香りを感じる程度だったけど、娘の「みんなで食べるとおいしいね!」のひと言で、幸せな気持ちになる。
ひとつのものをわけっこ出来るって、しあわせなこと。
それは、楽しいコトや嬉しいコト、悲しいコトや寂しいコト、いろんなコトでも同じ。
そういえば、今日はホワイトデー。すっかり忘れてた。
どうしよう。何も用意していない。
わけっこ出来るケーキでも買ってこようかな。
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