#35 「指輪のサイズ」に思うこと
ジュエリーを扱っていて感じるのは、一番売れるアイテムが「指輪(リング)」であるということ。
贈り物であっても、自分用に購入する場合でも、ネックレスやピアス、ブレスレットなどに比べて、圧倒的にリングが売れます。
個人的には、プレゼント用だとサイズが分からなくても買いやすいのでネックレスやピアスがお勧めかなと思うのですが、やはりそこには「指輪(リング)」というアイテムにとって特別に存在する秘密があるようです。
まず、皆さんはジュエリーって"何のため”に身につけますか？
自分を美しく見せるため、
他の人との差別化を演出するため、
仕事とプライベートのONとOFFの切り替えのきっかけ、
プレゼントされたから
・・・などなど、その理由は無数にあると思います。
その中でもよく言われることがあります。
指輪(リング)と、その他のジュエリーとの決定的な違い。
それは、「自分のために装う」か「相手のために装うか」の違い。
ネックレスやピアス(ブレスレットやアンクレットはちょっと当てはまりませんが)は、自分では見えません。これを身につけるときは、表情をより華やかに演出するためだったり、会うお相手に自分を知ってもらうための服装のコーディネートの一つとして「相手のために装うジュエリー」という存在になります。
一方、リングは自分自身の"目で見える"アイテム。
もちろん指を長く見せる効果があったり、所作を美しく見せる一助となったり、外に発信する要素もありますが、自分の視界に常に目に入り、自分自身がその輝きや造作を楽しむことができる唯一のアイテムといえます。
そう考えると、やはりジュエリーアイテムの中でリングが一番売れる理由というのは、「自分のために装う」方が多いからではないかと感じます。
しかし、この「指輪(リング)」というのは本当に曲者で、なかなか自分にぴったりと「サイズが合う」ものに出会うのが難しいです。リングを普段されている方は、一度は経験したことがあるのではないでしょうか？
「朝入った指輪が、夜抜けない」
「購入時はぴったりのサイズだったのに、むくんでいたのか納品時にサイズが合わない」
「年齢とともに関節の節が出てきて、入るけど根本でくるくる回ってしまう」
などなど・・・。
その都度サイズ直しをしていたのではキリがありません。
そもそも購入時のサイズも、リングの輪の部分の「幅」、「厚み」、「裏抜きされているかどうか(リングの内側にくり貫きがあるか)」などで0.5号～2号前後の誤差がデザインによって選び方が変わってくると思います。
正直、根本的な解決方法はありません。
しかし！
今回は、前に販売をしていた頃、逆にお客様に教えてもらった便利なアイテムがありましたので、今日はそれをご紹介します（ご存知の方も多いかもしれませんが、改めて・・・）
それは、「リング・アジャスター」。
世代によって通じるか通じないか分かれると思いますが(笑)、これは簡単に説明すると、昔の黒電話の受話器と本体をつないでいたあのくるくるしたコードみたいなものです。
リングの幅や厚みによって、タイプが選べる。色もメーカーさんによって様々あります。
自分の指に合うように、巻き数を調整することができます。
伸びるビニールのような素材なので、ちょうど良いところでハサミでカット。
私が持っているのは透明のもので、これだとどんな種類のリングに巻き付けてもほとんど見た目が気にならないからお気に入り。つるつるのビニール素材なので、着けていても全く違和感なし。何度でも付けたり外したりできるし、もちろん水に浸けても平気。何本かセットで、アマゾンなどで数百円で買えるので、本当に気軽に試すことができます。
着脱に違和感はないのですが、ビニールだからか肌への密着度合いが良くて、「指輪がくるくる回ってしまう」という方の場合はストッパー代わりにもなると思います。
リングのサイズに関する悩みは本当につきなくて、特に私は手が小さい方なので今までも本当に苦労してきました。
その割に、回りやすい「石にボリュームがあるもの」や「造作が大きいもの」が好きで、どうしてもサイズが合わないしくるくる回ってしまう。
でも、この「リング・アジャスター」に出会ったことで、だいぶ着けられるリングの幅が減ったし、着けているときのストレスも減ったと思います。
この場を借りて、あのとき教えてくれたお客様、ありがとうございました(年輩の男性でしたがジュエリーを楽しまれる、お洒落な方でした)
皆さんも、リングをご購入の際は
「このデザインだったら○号でいけるかな・・・？」
と、デザインとサイズを一緒に検討されると思います。
もしサイズが合わなくてもどうしても欲しいものがあったら、是非この「リング・アジャスター」を試しに使ってみてください。2～3号くらいの調整ならいけます。
自分がその時着けたいジュエリーを、着けたい装いで身につけられないのはやはりつまらないですよね。
どうか、お読みいただいた方のお役に立ちますように・・・(^^)
＜募集＞
宝石・ジュエリーの疑問やリフォームの不安な点、疑問点、ご質問などがございましたら記事にしてお答えいたします。お気軽にコメントで残していってください(^^)