#27 「ジュエリー買取」が有利なのはルース(裸石)か製品か?

今回は、前にジュエリー買取り店にいた時に受けていた問い合わせについて、思ったことを綴っていこうと思います。

「ダイヤモンドを売る時は、枠から外した方が高くなりますか?」

これは、ダイヤモンドに限らずルビーやエメラルドのようなカラーストーンが付いたジュエリーを持ち込まれる時にも、よく質問されました。

結論を先に行うと、

「ケースバイケース。場合による。」

です。

以下に、「こうした方が査定金額は高くなる可能性がある」ということを簡単にお伝えいたします。

○ノンブランドのダイヤモンドのリング(婚約指輪、立て爪タイプ)

→枠から外して、枠とルース(裸石)の状態にしておいた方が良いです。本来、鑑定機関でもダイヤモンドのグレーディングはルース(裸石)の状態でしか行わないのが基本。枠に留まっていると、爪などの金属の下にインクルージョンが隠れている可能性も考慮に入れてグレードをつけるので、1ランクくらい下に見られることがあります。また、買い取りを担当する人が慣れていないと、裏面の石の汚れや爪の反射した影をインクルージョンと見誤ることもあり。

○一粒大きい宝石がついているデザインではなく、パヴェリングのように複数の石がたくさん付いている。

→これは、石を外さずに製品のまま持ち込んだ方が高くなる可能性あります。よく地金は金属専門のお店に持って行って、そこで外された小さな石をたくさん持ち込まれる方がいらっしゃいましたが、外すときに欠けたり割れたりしていることも多く、石のみに査定金額を付けることは難しいことが多いです。(ダイヤモンドは、メレダイヤのように小さくても値段が付くことはある)
複数石付いているデザインのファッションリングやファッションネックレス系は、ノンブランドの物でも中古市場で需要があるので、買い取った後に「新品仕上げ」という磨き直しを行ってまた市場に出すことができます。なので、よほど変形していたり石が何個か無くなっていたりすることがなければ、製品のまま持ち込んだ方が高くなります。デザインを評価されてその分高めに査定金額を付けてくれることも多いです。

○ブランド物のジュエリー

→これは、「ブランドに強い買い取り店かどうか」によります。ブランドジュエリーにあまり詳しくない買い取り店に持ち込んでしまうと、「地金代+石代」の単純計算になってしまうことが多いです。ブランドジュエリーの買い取り実績があるところに持ち込めば、単純な「素材としての買い取り金額」ではなく、そのブランドの「作品」として全く違った次元の査定金額を付けてくれます。(ハリーウィンストンやヴァンジュエリーフ&アーペル、グラフなどのハイジュエリー)
ただもちろん、現在のトレンドという部分はあると思うので、そこはインターネットなどで買取り実績をリサーチして信頼できるお店を見つけることが重要です。もちろん、石は外さずに製品のままで持ち込んでください。箱やラッピング材、リボンなど付属品が残っている方が査定金額はより高くなります。

○査定してもらっているその場で「これも見て欲しい」と外したジュエリー

→査定金額は低くなることが多いです。何故なら、汗や皮脂でかなり汚れていることが多いから(石の裏面)。持ち込むときは水洗いか、古い歯ブラシに中性洗剤を泡立てたもので石の裏面を軽く洗ってあげて、汚れを軽く取ってからのほうが、やはり汚れとインクルージョンを見誤られることを防げるので、簡単にちょっと拭いておくくらいはやっておいた方がいいかもです。

大まかに言うと以上の感じかなと思うのですが、みなさんはどうでしょうか?経験されたことはありましたか?

それぞれに問題点ももちろんあります。

例えば、立て爪のダイヤモンドリングからダイヤを外すって、一般的には自分ではできないですよね。まあ、これは買い取り店によっては職人に代理でお願いしてくれることもありますし、リフォームを行っているジュエリーショップであれば外しだけでも受けてくれるところはあります。
ただ、「枠から石を外す」ということは、宝石にとってはリスクと負担がある行為ですので、万が一にも欠けたり割れたりということがないとも限らないと思っておかなくてはいけません。

そして、使用していたジュエリーは、気づけないレベルで若干変形していたり、石を止めている爪が緩んできたりしていることもあります。
買取り店に持ち込む前にゴシゴシと洗ってしまうと、パヴェのような小さな石がたくさん付いていたりするデザインの物は爪が小さかったりもするので、その段階で「石落ち」してしまって価値が下がってしまうこともあります。

こんなことを書いてしまうと、「じゃあどうすればいいの!?」と私でも感じてしまいますが・・・。
参考までに知っておいていただいて、一度とりあえず買取り店に持ち込んでみて、「もう少し査定金額が上がる方法ってありますか?」と聞いてみてもいいかもしれません。

きちんとしている買取り店だったら、「もしこうであったらちょっと査定金額あがります」と、ちゃんとアドバイスしてくれます。

いくら使用しなくなったジュエリーだとはいえ、持ち主にとってはかけがえのない思い出が詰まった宝石たち。金額うんぬんだけではなく、その「思い出」も踏みにじられるような金額では手放したくないですよね。
ジュエリーを購入するときと同様、「信頼できるお店選び」と、「信用できる担当スタッフ」との出会いが重要になってきます。

一度手を離したジュエリーたちには、おそらく二度と再会することはありません。

どうか、後悔しないよう、買い取り店に持ち込むときはじっくりと考えてみてくださいね(^^)

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宝石・ジュエリーの疑問やリフォームの不安な点、疑問点、ご質問などがございましたら記事にしてお答えいたします。お気軽にコメントで残していってください(^^)


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