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私とearthmanの「系」 #2 植木まり子

私とearthmanの「系」

私がearthmanの球くん、真央ちゃんと初めて出会ったのは、
自然と人間の付き合い方について自分自身が学びたいと思っているタイミングでした。

私はもともと大阪で生まれ育ちました。
岡山県の鏡野町という地域にルーツがあり、幼少期は、祖父母の家や田んぼ、畑、山に入って虫を捕まえたり、川遊びをしたり、日常の中に自然があるところで、のびのびと過ごしました。

しかし、大学、社会人になるにつれ、ファッションやメイクへの興味、とりあえず資格を取って自分に自信をつけさせようと、外側の評価に意識を向けている自分がいました。

ある日、残業の途中、疲れて立ち寄った本屋で一冊の本に出会いました。
「ターシャ・テューダーのクリスマス」
私は、迷わずその一冊の本を購入しました。今から18年前のことです。

ターシャ・テューダーの暮らしは、私の理想そのものでした。
特に、夏の間に蜂の蜜をとあったり、ミツロウを溶かして、一年分のろうそくをつくったり、、そのろうそくの香りは、なんとも甘い香りがするようなのですが、丁寧な暮らしを読んでいるだけで、豊かな気持ちになりました。

心が豊かになる生活を送りたい、と思っているのに、自分が本当にしたい事と、今の生活は真逆だなと気づいたのが20代後半でした。昇進・昇格どんどん忙しくなって、自分が本当にどうありたいか、「心豊かな生活」は、私の心の奥の箱の中にそっとしまわれることになりました。

その箱が、ひょんなことから、開けられるタイミングがやってきました。

私に、新しい命、自然そのものの存在である、こどもが誕生したのです。

公園を散歩するだけでも、こどもが一緒なだけで、ひとりで散歩しているときと景色が全く違って見えるようになりました。
緑の葉っぱが、きらきらと太陽の光を浴びて輝き、木漏れ日が差し込む大きな樹の下に腰かけて、こどもと話するだけで、なんとも幸せな気持ちに包み込まれます。


自然のリズムとこどものリズムは普段急いで過ごしがちな大人のリズムを元に戻す力があると思います。
そんな心が豊かにのびのびできる自然の環境を、自分の子供、孫たち世代に残したい、という気持ちが高まっているタイミングに球君、真央ちゃんと出会いました。

【earthmanのフィールドは自然から無意識に学べる場所】

お二人が暮らしている築100年の古民家にこれまでに4,5回訪れているでしょうか。
earthmanの二人の醸し出す空気と、やわらかい太陽の光と、風に畑の野菜や花が優しく揺れている様子。心地よくて安心できて、幸せな気持ちになれる場所です。

1日過ごすだけでも、自分がのんびりとリセットして、気持ちよくなって
リフレッシュできると感じています。
しかも、楽しかった余韻が残るので、日々の暮らし方も少しづつ変化していくというおまけつきです。

この場所を一言でいうと「自然から無意識に学べる場所」だと思います。

これまでに、古民家の壁を漆喰で塗ったり、パーマカルチャーの畑に種をまかせてもらったり、七草がゆの七草を摘んだり、炭焼きなど、普段の生活ではできない体験をさせてもらってきました。


ある日、漆喰塗りの合間に、こどもたちが、レンガでできた手作りのかまどで火をつけさせてもらっていました。
私や友人のおかあさんは、「危ないから」とこどもが火をつけることを止めましたが、真央ちゃんが、「火がどうやって燃えるか」や、「何をいれたら燃えるか?」と、こどもに質問する姿を見て、ハッとさせられました。

こどもは、「火が美味しそうな木をいれる」と答えていました。
火が美味しそうな木って?と聞かれると「パチパチいってるやつ」と答えていて、その様子を見て、こどもは良く見てるんだなーと感心しました。

もともとは漆喰塗体験を目的にしていったのですが、うちの息子が一番楽しかったことは、「自分で火をつけることができたこと」でした(笑)

親がこどものためにと思って色々と自然観察や体験に行くことも多いと思うのですが、実はそこで想定外の環境があって、その想定外の事をこどもと楽しめるようになることを学びました。

想像できない事、知らない事を発見したり、学べる、大人もこどもも純粋に楽める時間が、このearthmanの場所に存在しています。

【二人との出会い】

2019年、SDGsという地球規模の課題にむけて、何のためにやるのか?
社内外で意見や目線を合わせて対話できる場所が欲しい。SDGsの企業研修を企画する責任者だった私がそう思っていた時に、淡路島でパーマカルチャーデザインを取り入れ、土を耕さず、土を育み、自然をよみがえらせる取り組みを始めた「タネノチカラ」という団体に巡り合いました。

「幸せ」とは?「豊かさ」とは?普段、ビジネスの場で、考えることがあまりない問いをたくさんもらい、
自分自身と向き合うことがいかに足りていなかったかを痛感しました。
そして、タネノチカラのメンバーである球君、パートナーの真央ちゃんに出会いました。

出会ったのはタネノチカラメンバー宅で開催された、たこ焼きパーティ。
私と球君以外は関西人ではなく、大阪出身の私がたこ焼きを焼くことになりました。
私は、たこ焼きを焼くのが得意でなかったのですが、、初対面であること、後輩に焼かせてはいけない、
など変な気負いが邪魔をして、チャレンジしたところ、全然上手に焼けないことがばれてしまいました。
みんなに、大笑いされたことで、自分もふっきれ、出来ない自分をさらけ出せる関係性が築けました。
良い面だけだけでなく、欠点もすべて出せて、繋がれる、そんな新しい友達が出来て、とても嬉しかったです。

【二人に想うこと、感じること】

2022年の春、「地に足のついた生き方をするために、故郷の橋本市の山奥に移住して百姓します」と、和歌山の古民家で新しい生活をはじめた2人を訪ねました。
これからの取り組みや、畑の様子を見せてもらって、お昼ご飯に裏山でとれたタケノコ炊いたのや、アマゴの塩焼き、土鍋で炊いたご飯を一緒にいただきました

二人からは不安よりも、ここで毎日発見することや日々を楽しんでいるパワー、生きる力を感じ、私もやりたかった事がどんどんむくむくと湧いてきました。
年齢も、生きてきた環境も違うけれど、二人の古民家から眺める山や、畑の景色を見て幸せを感じるのは、同じ気づきがあるのかもしれません。
そして、その気づきや感動で、繋がりが深まっていくことも感じています。

今では、私の両親や家族、友人も球君や真央ちゃんと繋がり、みんな家族のように思っています。
繋がりが深くなるだけでなく、広がっていくのは、二人が垣根なく色んな人と繋がることができる人間性のおかげです。

お二人がパーマカルチャー、土づくりから、古民家改修、オフグリッド、すべて自分で学んで実践してて、失敗も含めていろいろと教えてくれるのですが、私と20歳も歳が離れているとは思えないくらい、しっかりした人生観、どうありたいのか、描いていて、話をしていると刺激をたくさんもらっています。

これからは狩猟も始めるということですが、人間が自然を手入れしながら、生き物と人間との距離感や、生き物が増えすぎないようにバランスをとっていけたら、人の営みも自然も守られると思います。

私もいま、都会から淡路島に生活の拠点を移したところで、都会と田舎の良さ、それぞれを感じる日々です。
earthmanの二人の場所を訪れながら、自然とつきあっていけるような生き方、暮らしのイメージを描く。二人を含めた家族と一緒に実現していくのが私のこれからの楽しみです。


earthmanの取り組み、チャレンジはこちらをご覧下さい🌱🌿
https://readyfor.jp/projects/we_are_earthman

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