#044 金持ち父さん貧乏父さん 実践その2:スタートを切る為の十のステップ―⑩「教えよ、さらば与えられん」―与えることの力
(※本記事は2021/3/31に投稿されたものとなります(https://earth76.com/044-%e9%87%91%e6%8c%81%e3%81%a1%e7%88%b6%e3%81%95%e3%82%93%e8%b2%a7%e4%b9%8f%e7%88%b6%e3%81%95%e3%82%93-%e5%ae%9f%e8%b7%b5%e3%81%9d%e3%81%ae2%e3%82%b9%e3%82%bf%e3%83%bc%e3%83%88%e3%82%92%e5%88%87/))
実践その2は、以下の十のステップがあり、本日は最後の⑩の内容となる:
■スタートを切る為の十のステップ
・①強い目的意識を持つ―精神の力
・②毎日自分で道を選ぶ―選択する力
・③友人を慎重に選ぶ―協力の力
・④新しいやり方を次々と仕入れる―速習の力
・⑤自分に対する支払いをまずすませる―自制の力
・⑥ブローカーにたっぷり払う―忠告の力
・⑦元手はかならず取り戻す―ただで何かを手に入れる力
・⑧ぜいたく品は資産に買わせる―焦点を絞る事の力
・⑨ヒーローを持つ―神話の力
・⑩教えよ、さらば与えられん―与えることの力 ←本日はこちら
■こんな人にお勧め
・人に与えることで、あとになって、2倍にも3倍にもなって返ってくると聞くが、本当にそうなのか信じられない人
・ギバー、テイカー、マッチャーの分類と対策について興味がある人
・なぜ人に与えれば与えるほど自分に戻ってくるのか、理論的に理解したい人
■「十分の一税」という考え方
筆者曰く、金持ち父さんは
・収入の十分の一を教会へ献金すべきだという「十分の一税」という考え方を固く信じていた
とのこと。
「税」とは言っても本当の税ではなく、自主的に十分の一は寄付するということを決めているのだそう。
きっと税金対策だろうと思っていたところ、(それもあるかもしれないが)どうやら
・まず人に与えることで、あとになって、2倍にも3倍にもなって返ってくる
と信じているからとのこと、であった。
実際経験上も
・何かを売りたいと思ったら、誰かが何かを売るのを手伝ってあげることで
・自分のものも売れるようになるし
・契約を取りたいと思ったら、誰かが契約を取るのを手伝うことで
・魔法のように、自分のところにも契約が舞い込んでくる
というのだ。
■アダム・グラント「Give&Take」
ここで気になったのが、「人に与える」ことが、常に返ってくるとは限らないのではないか、と感じた違和感である。
特に都会に住んでいると、必ずしも返報性を感じるひとばかりではなく、人の行為に乗じた悪い奴らも一定数存在するのではないか、という感覚である。
そこで思い出したのが、アダム・グラント著の「Give&Take」という書籍である。
この書籍では人は大きく3種類に分けられ
・ギバー(Giver):与える人ー「何をしてあげよう」と考える人 25%
・テイカー(Taker):奪う人ー「何をしてもらおう」と考える人 20%
・マッチャー(Matcher):与えてもらったら返そうとする人ー「バランスが大事」と考える人 55%
という人達とのことである(もちろん、シチュエーションにより変わり、家庭ではギバー、仕事ではテイカーという場合もあるそうだ)
■誰が生産性が高くて成功できるか
この3種類の中で、誰が最も生産性が高く成功できるか、というと、以下の通りとのこと
1位.ギバー
2位.マッチャー:可もなく不可もない為
3位.テイカー:短期的には成功するものの、マッチャーによって相応の復讐をされる為
ギバーは実は2種類いて、一方のギバーは一位だが、もう一方のギバーは最下位になるとのこと
■2種類のギバー
A)自己犠牲のギバー
B)他者志向性(Win&Win)のギバー
■A)自己犠牲のギバー
・「なんでもやります! 」タイプ
・依頼されると断れず、自己犠牲によってテイカーによって搾取される
・自分が10、相手も10だとすると、自分を0にして、相手を20にするイメージ
→しかしながら、そうすることで、今回が最後のGiveになってしまう、次回のGiveを与えることが出来なくなってしまう
■B)他者志向性(Win&Win)のギバー
・「誰に、どうやってギブするか」を考えるタイプ
・相手を選び、Win&Winとなる方法を考えた上でギブをする(相手を少しだけ勝たせる)
自分が10、相手も10だとすると、自分を15にして、相手も20にするイメージ
→そうすることで、今回のGiveが終わっても、今後もGiveを続けることができる
例)部下のやる気を上げる為に時間を使う →結果部下から信頼されたり、生産性が上がったりする
とのこと。
と言うことで、「他者志向性」のあるギバーになる事が生産性を高め、成功する道であることは分かったのだが、テイカーへの対策も考える必要があるとのこと。
■テイカーへの対策
1.テイカーから逃げる
2.逃げられない場合はテイカーの特徴を知り、テイカーへ与えたら与え返してもらうという「マッチャー化」する
■1. テイカーから逃げる
テイカーは怖く、他者志向性が身についていないギバーだと、詐欺に引っかかってしまうこともあるとのこと
・自分が自己犠牲型のギバーだと骨の髄までしゃぶられる
・自分がマッチャーだとひたすら奪い合いの戦争で消耗してしまう
ということで、テイカーと絡んだら、ハッピーエンドにならない、沼にはまって、時間のムダ。テイカーは百害あって一利なし、とのこと。
尚、時間やお金、気力を奪われていることを、頼られていると勘違いして「自分がいないとあの人はだめ」と思ってしまう人もいるので気を付ける必要があるとのこと。
■2.逃げられない場合はテイカーの特徴を知り、テイカーへ与えたら与え返してもらうという「マッチャー化」する
<テイカーの特徴>
テイカーは見抜くのが難しく、第一印象は良い人であることが多いとのことだが、以下が特徴である:
・自己中心的
・人の話を聞かない
・SNSの写真が実物より良く映っている
・貴方の人生を劇的に変えた人を4人挙げてくださいと聞くと、自分より地位の高い人を上げる(テイカーは自分より偉い人にこびて、下の人間に非常に厳しいという特徴がある 例:居酒屋の店員やタクシー運転手にやたら上から目線の人など)
<マッチャー化>
自己犠牲にならないように、自身が与えたら、与え返してもらうよう要求する(返報性の要求)。そうすることで骨の髄までしゃぶり取られることを防ぐ
とのこと。
■与える「人」と「方法」が重要
ということで、「金持ち父さん貧乏父さん」に話を戻すと、おそらくここで筆者が言っている「与える」の対象は、
・「マッチャー」や「ギバー」の人達に対して
・他者志向性(=Win&Win)になる方法で
Giveすることであり、そうすることで
・「返報性の法則」
によって、
・彼らがお返しをしなければならないと感じる
ようになり、
・何倍にもなって返ってくる
という論理なのであると、理解した。
■テイカーになるな
筆者は一つ面白い例を出していた
・凍てつく寒さの夜、両手いっぱいの薪を抱えてストーブの前に座っている
・ストーブに向かって、こう叫んだ「温めてくれたら、薪をくべてやるよ!」
というものだ(笑)。
この例は、「先に与えよ」という意図で出しているが、どちらかというと「テイカーになるな」、という意味あいの方が妥当な気がする。
■与える対象はさまざま
筆者は与える対象は「お金」だけでなく、「愛情」「幸せ」「セールス」「契約」「知識」とさまざまなものだと述べている。
・出会った人たちが自分に微笑み返してこないと思ったら、自分から「ハロー」と微笑みかけると、微笑みを浮かべた人が増える、
とのこと。これについては、アメリカと日本の文化の違いはあるとは思うが
■出し惜しみせず与える
また、筆者は
・「知識」についても出し惜しみなく「教える」
ことで
・その教えた人が近い将来賢い人間になった際、
・その賢い人間に色々助けてもらう方が、自分ひとりで成功を目指すよりも近道になる、
と述べている。
これも、「テイカー」でない場合という前提が付くわけだが、アダム・グラント氏曰く、テイカーは20%である為、マッチャー55%、ギバー25%で80%となるので、多くの人に教えれば教えるほど、返報される確率は上がる、と言えるのではないかと考える。
それが、筆者や他の成功者が良く言う、「与えれば与えるほど、自分に返ってくる」という意味の真髄ではないか、と自身で納得した。
すなわち
・サンプルが1人や2人
だと、たまたま運悪くテイカーに当たってしまったりすることもあるので、何も返ってこない、となるのだが、確率論的に
・5人にギブすれば、4人からは返ってくる計算
なので、最低5人にギブすれば、かなりの高確率で返報されるということになりそうだ(そして1人のテイカーに関しては気にせず忘れる(笑))。
■まとめ
以下、本日のまとめです。
・十のステップの最後10個目は⑩「教えよ、さらば与えられん」―与えることの力である
・筆者は「十分の一税」という考え方で収入の十分の一を寄付している
・これはまず人に与えることで、あとになって、2倍にも3倍にもなって返ってくると信じている為だ
・これは全ての人に当てはまるわけではなく、ある一定の条件を満たした場合に当てはまると考えられる
・アダム・グラントの「Give&Take」によると、人間は3種類に分けられ、ギバー(25%)、テイカー(20%)、マッチャー(55%)が存在する
・ギバーはさらに2種類に分けられ、「自己犠牲型」のギバーと、「他者志向性(Win&Win)型」のギバーである
・成功する確率が最も高いのは「他者志向型(Win&Win型)」のギバーであり、最も低いのは「自己犠牲型」のギバーである
・ロバート・キヨサキ氏が言う「与える」対象は「ギバー」「マッチャー」を前提にした「返報性の理論」が前提であると考えられる
・とは言え、「ギバー」「マッチャー」で80%を占める為、最低5人に与えれば4人からは返報される為、なるべく多くに与えれば与えるほど、返報が大きくなるというのは、理論的に妥当である
・また「知識」を出し惜しみなく「教える」ことで、近い将来その人が賢い人間になった際に助けてもらえる
以上となります。
今回は、読んでみて私自身が少し引っかかってしまったため、別の本の内容(アダム・グラント氏のGive & Take)を差し込んだ上で、私の解釈も踏まえて解説してみました。
このように前提条件が分からないと、結論が???となることはあるのですが、前提条件をパズルのピースのように当てはめてみると、非常に腹落ちするということがあるのだ、と今回しみじみ感じました。個人的にはかなりもやもやが、すっきりして、満足しています(笑)。
もし読者の方で以前本書を読まれてしっくりいっていなかった、など同じように感じていらした方がおりましたら、このような前提をもとに考えるとすっきりするのではないかな、と思い少しの助けとなりましたら、幸いです!
あすなろ(earth76)式:https://earth76.com/
Twitter:https://twitter.com/earth76_
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