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よく見る元楽天トップコンサルタントという言葉

よくセミナーやサービス展開における文言で「元楽天トップコンサルタントが・・」等の文言よく見かけますよね?
私も起業当初はセミナーや研修などをよくやっていた際に、セミナー元からタイトルを考えられよく使用されていました。
でも自分なりに違和感は相当あり、あまり使いたくない文言です。

実際、楽天の仕組みを知らない方からすると、結構キャッチーな言葉に見えると思います。実際トップコンサルタントって存在するのか等、楽天内部にいたからこそわかる内容をお伝えしたいと思います。

楽天の目標数字について

私が在籍していたのは2006年から2011年の約5年間です。その時と今の組織体系は相当変わっているかと思いますが、追っている数字はあまり変わらないと仮定しています。

  1. 流通総額(昨年対比目標)

  2. 広告目標

  3. 楽天大学の販売(今はあるかわかりません)

  4. 債権回収(広告費や出店料等の未払い金の回収)

大きくこの4つの指標がありました。
大部分は、担当店舗さんの合算流通総額の昨年対比と担当店舗さんの使用広告額目標。

純粋に営業成績は大きな数字を持っている人という捉え方も出来ますし、ずっと達成し続けている人という捉え方も出来ますし、とんでもないスター店舗を生み出したという捉え方も出来ます。

実際、全ECコンサルタントの中で、流通総額が一番大きく、広告目標も一番高い、かつ何年も連続で達成しているという人がトップコンサルタントといえる気もしていますが。
そうなってくると、元楽天トップコンサルタントという言葉はごくわずかな人間で形成されここまで乱発されるのはおかしいのではとなります。

ECコンサルタントが見えない数字

私は楽天の中でも少し変な立ち位置にいました。その時の上司が楽天のオペレーションをすべて作っていたエクセルのエキスパートで、現場の数字をROWデータから約5分~10分で可視化するエクセルをつくっており、そのサポート役も行っていました。
あくまでも楽天は相対評価となり、目標値は担当店舗さんの規模に応じて可変するという点もあり、達成率や昨年対比であらわされる比率や伸び率で良し悪しを判断されていました。

ただその数字は、あくまでも現場で落ちてきている数字であり、実は当時の名前でデータ分析部という部署が存在し、個人の収益性も出されていました。
本来であれば個人収益ランキング的な相対評価があれば、営業トップを出すのは非常に簡単なのですが、財務的な指標は楽天の場合は落ちていませんでした。

独特のモチベーションコントロール

楽天は少し独特の文化があり、人のモチベーションをどのように向上させるかという点にすごくシビアに考えていた気がします。
自身の部署の部下が退職希望を出す、休むなどのことが起きようなら、なんで攻撃が始まります。
恐らく当時の楽天は数字目標も非常に高く、普通では考えられない(達成できないと思ってしまう)目標が落ちていたのが背景にもあるのではないかと。

その中で、楽天では「楽天賞」という月に一度表彰式があります。
月に一度です。

楽天賞という文化

この「楽天賞」というのは、細かく細分化されており、月間MVPから、スピード賞、新人賞など様々な賞が割り振られています。

この賞に関しては、モチベーションの向上の目的も含まれており、仮にずっと相対的にも優れているコンサルタントがいたとしても、連続してMVPをとるということがありません。
各部署から選定された社員を、総合的にふるいにかけ決定されていきます。

それを月に一度進めていくと、確率論的に平均以上の人間がアサインされることとなり、ある程度の実績を残していれば楽天賞は受賞できてしまうのです。

正直、私自身は過去3年連続で流通総額、広告目標共に3年間全ECCの中で一番高い目標を掲げ、かつ個人収益に関しても圧倒的なパフォーマンスを上げていました。
そんな中、楽天賞で別の人がノミネートされるのは意味不明なところから、そういう判断になったわけです。

楽天の中で働いていると、自身のクライアント様が売り上げが爆伸びするケースは良くあります。でも実際クライアント様の努力であり、コンサルタントの助言というものはあくまでも助言なのです。
それを自分の手柄のようにしているコンサルタントは偽物だと今でも思っています。

私の知っているトッププレイヤーは数多くいますが、セミナーもやらなければコンテンツにも出てこなければ、自らその発言をせず、別の会社の役員や代表をやっていたりします。

まとめ

少々手荒な内容となりましたが、楽天トップコンサルタントという言葉には踊らされず、その人が優れているかどうかという点は、別の角度から見る必要性があると思っています。

是非ご参考に。




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