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「おひとりさま」行動の難易度

ショップ開店にあたって、色々と書くべき内容と書くべきではない内容を考えてしまうが、結局面倒になって

「誰も傷つけない範囲で好きに書いたらいいじゃん」

と、ひとりごちた。


さて、タイトルのとおり「おひとりさま」行動の難易度についてである。
私は高校生の時から一人ファミレスしていたくらいなので、大抵のことは一人で大丈夫だ。

よく「難易度が高い」と言われる下記については「一人でおこなう意義を感じない」からしないが、なんらかその行動の対価として納得のいく報酬がもらえるなら問題なくできるだろう。
(以下、頭に「一人」を付けてご一読願いたい)

・バイキング
・焼肉
・海水浴
・キャンプ
・プリクラ

一人テーマパークは (チケットがたまたまあったので) 行こうとしたけど、結局私よりテーマパーク大好きの実姉に譲ってしまったので未遂となった。
そのためのバッグまで買ったのに。

一人回転寿司など余裕。カウンターの寿司も余裕。というか立ち食い寿司にすら行ったことがある。

26 歳くらいの時だったが、なぜか自転車をこいでヒラヒラのワンピで平日の真昼間に行ってしまい (当時は仕事が平日休みだったので)、常連さんと大将が和やかに話していたところに謎の緊張感を与えてしまったという苦い思い出がある。

そうか、私は良くても周りが気にしたりするのか…

ヒトカラは大好きで、よくストレス解消のために 23:00 ~ 05:00 まで行っていた。

ある時カラオケ屋さんに設置されているドリンク バーにドリンクを取りに行って帰ってきたら、多少酔っていたせいか間違って人のヒトカラ部屋を開けた。まさに歌い始めるところだった。
ごめんなさい m(_ _)m

しかし一度知らない年下の男性 2 人に乱入され、(幸い何もなかったが) 身の危険を感じたので行く頻度を減らした。


さて、ソースの詳細は不明だが、最も難易度の高い「おひとりさま」行動は高級レストランということだった。

ウム、やったことはない。
高級レストランではないのだろうが、美瑛のアスペルジュならランチ コースを一人で食べたことはある。
お金かけて遠くまで来ているのに、躊躇する必要などない。

おひとりさまでもコースを出してくれるのなら & お店から「おひとりはちょっと…」と断られないなら、やってやれないことはない。

これはかなり「ぼっち耐性」があると自分でも自負しているところだが、そんな私がやむを得ず取ることになってしまった (個人的に) 難易度激高のできごとが下記だ。

4 年くらい前だろうか、初めてタイに行くことにした。GW で 10 連休くらい取れたので、さっそく愛読書の『地球の歩き方』を買ってきてパラパラとめくる。

「バンコク・チェンマイ・プーケットに行こう!」とテンション上がり、チケットと宿をおさえて計画を立てた。

私はカナヅチではないが、泳ぎは得意ではない。それでもプーケットはそんな人間にとっても胸がときめくステキな場所だった。

透き通るような青い海。透明度高過ぎて舟が宙に浮いているみたい。ラグーンに行くんだ!

などなど、あの時の浮かれようといったらなかった。先日チラッと書いたが、ストレスを感じることがあっても

「でも私 GW にはプーケット行くしー!!」

と思って感情を上書きするのに大いに役だったのである。

せっかくプーケットに行くなら、プーケットから日帰りでアクセスできる (さらに透明度が高い) ビーチに行きたい。なるべく静かなところがいい。

そうして白羽の矢が立ったのはラチャヤイ島というところだった。

現地でツアーを申し込んだ方が断然安いという話だったけれど、ミスって申し込めなかったりボートに乗り遅れたりしたらアウトだ。そんなことで貴重な 1 日を無駄にするわけにはいかない。仕事があるので帰国日は絶対なのだ。

ここは初めてなんだし安牌を取って多少金銭出ていっても日本で予約していくのだ!

という訳で、日本語対応のサイトで申し込んだからか、実際現地に着いたらツアー客の 95% が日本人だった。中国系・ロシア系と思える家族連れ & カップルが各 1 組ずつ。

そう、日本は GW なのだ。
全員がカップル or 3 人以上のグループで参加している。そこに私は一人で参加していた。なかなかの怪しさだ。

これ、さすがに私も多少気になったがまぁ仕方ない。(やることもないので) せっかくタイに来て自分では出せないボートに乗っているのだからと海の写真を取りまくっていた。
一応、防水のスマホであった。

参加したツアーは最終的にラチャヤイ島を目指すのだが、途中のシュノーケリング ポイントに寄って 2 回ほどシュノーケリングを楽しむ。

楽しんだのは泳ぎの得意な人 & 得意じゃなくても笑い合える仲間がいる人だけだったと思う。

私はどちらにも属していなかった。深く潜れないし (でもライフ ジャケットは怖くて外せない)、「てへっ (^v^)」とか笑い合える仲間もいないのだ。

そんな私を見るに見かねたのか、ツアーのボートを操縦していたスタッフが私の手を引っ張ってたくさんのものを見せてくれた。


が、楽しかったのも束の間、地獄の「おひとりさま」行動が始まる…
(まだ始まってなかった)


長いから分けるべきなんだろうかと思いつつ、忘れそうなので一気に書いてしまおう。


この、いろんな景色を見せてくれたスタッフに言われて初めて知った。

私のスマホが海底に落ちている

という事実を。


いや、防水ケースに入れて首から提げてた。でもさっきケースに入れたままだと反応悪かったから、一回出して写真撮ってケースに戻してからチャック閉め直した。

このチャックが開いてしまっていた。

海底で太陽の光を受けて白く光るスマホ。シュノーケリングさえ満足に魚と戯れられない私に、水深 5 ~ 8 メートルくらいはありそうな海底のスマホなど拾えるわけがない。

ああ、帰国したら

「私のスマホは今もプーケットの海底に沈んでいるのだろうか…」

と、思いを馳せることに決定するんだろうな、と思って諦めかけたその時!

なんと先程のスタッフが「取れるか分らないけど潜ってみる」と言うではないか。

ツアーはそろそろ次のポイントに向かう時間だった。このアクシデントのせいで船を出せないため、彼は添乗員に「今からスマホを拾う」と伝達し、拾いに向かってくれた。

そしてまさかの「プーケットの海底に沈んでいる」ものとして思い起こされそうになった私のスマホを手に握って戻って来てくれたではないか。

「惚れてまうやろーっ!!」

と、関西人でもないのに謎のテンションで (心の中で) ツッコミを入れ、そのスタッフとスマホの回収を喜んだ。
(本当にありがとうごさいます m(_ _)m)

添乗員のトミーに「防水?」と訊かれてそうだと答えたら「やったね!」と返してくれた。

さて、問題はここからだ。
いや、私のスマホはね、防水なんだよ。防水なの。
こんなシチュエーションを想定して選んだわけじゃないけど、防水なんだよ。

電源、入るでしょ……???


……。


入らない。
いや、こんなことは今まで一度もなかった。電源が入らないことなど一度もなかった。
アカン、明らかにおかしい!

試しに SD カードを取り出してみた。

濡れてた。

ハイ、文字どおり水没してました。ダメでした。


一応、予備のスマホを持っていたのでなんとか SIM カードを入れ替えて連絡はできる状態にしていた。ただし、スペックが低い & 古い廉価版の海外版スマホだったので、メールさえ落ちる始末… (LINE もできないくらい古い)。

カメラは一応付いているけど「ガラケーの方が高性能だよね?」レベルのものなので、写真残すとかいう話ではない。
そんなことしてこの携帯までキャパ オーバーになって壊れたら困る。

私はテンションだだ下がりで、トミーが「携帯水没させるお客さん何人も見てる…」って少し憂鬱そうにしていた。申し訳ない m(_ _)m

ラチャヤイ島に着いたが私はスマホのことが気がかりでとても「楽しむ」という気分ではなかった。

着いた途端ランチになり、バイキング レストランに連れていかれたが大量のハエがそこここを飛んでいて食欲減退。そして慣れないライフ ジャケットを締めすぎたのか、胃が気持ち悪い…。

※ タイは大好きで何回か行っているが、後にも先にもハエがこんなにいたのはこの店だけである。
だからこの記事を読んで「タイにはハエが…」という印象は持たないでいただければ幸いである。

トミーにも申し訳ないので何とかハエがたかる前のパスタ? を少量食べた。

ラチャヤイ島のビーチはサンゴや貝の破片がゴロゴロしている。波打ち際にいるだけでも寄せて返す波に引きずられたサンゴたちで足がズタズタになった (マリン シューズはくるぶし丈のものを履いていたので、足首が生キズだらけに…)。

パラソルは 200 バーツくらいで 1 日中借りられたが、一人だと荷物を置いていくにも抵抗がある。日本のようにコイン ロッカーはない。
(置いていくしかないので置いていくんだけど)

あんなに楽しみにしていたプーケットで実際に起こったことは、

・スマホの水没
・ハエとの食料の取り合い
・足首がズタズタになる

という事実で、この 3 点のみを強烈な記憶として保持している。

という訳で長々書いたが、割と「おひとりさま」行動平気な私からしても、

「丸腰 (スマホがない) で GW の日本人だらけの海外アクティビティ ツアーに参加」

は結構、いやかなり厳しかった。

よくよく考えたら冒頭の一人海水浴一人バイキングが図らずも組み込まれているではないか。

「どうか周囲の人にスマホ水没させたこと知られませんように!」

と、心の中で謎の見栄っ張りが炸裂していた。

そして多分バレていた。


水没したその日のうちにプーケットの携帯ショップに行き、

「ネットと Google Maps が使えてカメラが付いているものが欲しい」

とお店の人に言い 1 万円くらいの Dual SIM の Huawei の端末を勧められるがままに購入したが、チラッと見た限りでは 4,000 円くらいで買えそうなものもあったように思う。

プーケットは個人的には要注意の都市だ。
(「プーケット タクシー」などで調べてもらえればお分りかと)
タイは大好きだが、ここではボッタクリ未遂に遭ったこともあるし、とにかくタクシー代が高い (日本人からしたら安いが) ので「おひとりさま」にはあまりおすすめできない。

ということを身を以て学んだように思う。

後で確認したら Google Photos の自動アップロード機能のおかげで、水没する直前のボートの中での写真データがクラウドに up されていた。

「あぁ私のスマホはプーケットの海底に…」

は、素晴しいスタッフのおかげで思わずに済んだが、

「あぁこの後私のスマホは水没したんだよな」

という思いはすることとなった。

(もちろんこの自動アップロード機能がなかったら、ヘタしたらタイ旅行中の写真が全部無駄になっていたかもしれないので、感謝しかない m(_ _)m)


帰国してから携帯ショップにスマホを持っていったら、結局バッチリ水没していた。「防水でも海水はダメです」とお姉さんにハッキリ言われ、新しく買い直した。

クレジット カードに付帯している海外旅行保険を使ったのでそれほど痛手ではなかったが。

もし同様の体験をすることになった人がいたら、ぜひこの海外旅行保険のことを思い出してほしい。


長々お読みくださりありがとうごさいます m(_ _)m

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