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早とちりする人へ

先に言ってしまうが、私はよく昔から早とちりをする人間である。

これについて、自分なりの原因を考察したので身に覚えのある方はご参考にしていただければ幸いである。

ただし、飽くまでも私の 「主観」 のみによるものであり、研究や信頼のおけるデータに基づいたものではないことにご留意いただきたい。


早とちりの脳内で起こっていること

簡単に言うと、「早とちり」 とは下記の状況で発生する。


頭の回転速度 > 理解


理解するよりも先に、脳が処理を始めてしまうのである。


その根拠は、少々長いが下記に詳解する。


IQ テスト (WAIS-III)

私は自分の発達障害を疑い、30 代になってから WAIS-III を受けたことがある。

巷で 'IQ ~' といわれているスコアが算出されるアレである。
WAIS-III 以外にも検査方法があり、算出方法も異なるため、詳細は Google 検索にお任せしたい。



ちなみに海外版 MENSA の疑似テストなども出回っているが、あれとはまた異なるテストである。

WAIS-III の中の一部に MENSA 的なテストが含まれている、というようなイメージだ。

したがって MENSA の疑似テストのみで WAIS-III のスコアの予測はできない

ただ、実体験では近似値は出る認識だ。




私の WAIS-III の検査結果として 「発達障害ではない」 とのことだったが、以降の医師の反応がどっちつかずのため、未だによく分らないでいる。


まぁ、後述の画像も見つけたことだし、幼少の頃の私のエピソードは 「モロ ADHD だよね!?」 というものばかりのため、無理もない。

↓ ネットで見つけた画像

ランドセルを持っていくのを忘れることについて


WAIS-III の結果と 「早とちり」 がどう関係あるのか、ということについて、少し詳細に述べる。

私の WAIS-III の結果を、一部隠して下記に添付する。
(黒塗りの部分にはスコアが記載されている)

左側は下記の項目である。なお、説明はネットで拝見したものから借用している。

  • 言語性 IQ (言語をあつかう能力)

  • 動作性 IQ (作業をおこなうための能力)

  • 全検査 IQ (総合的な IQ ← 通常 「IQ 〇〇」 といったらこれを指す)


右側は上記 「言語性 or 動作性 IQ」 を構成するものであり、「群指数」 と呼ぶ。
群指数のさらに配下に 「下位検査」 というものがある (ここでは割愛)。被験者はこの 「下位検査」 を 1 つずつ受けることにより、群指数および左側の IQ が算出される仕組みである。

「群指数」 の内容は下記のとおり。

  • 言語理解 (言葉を聞いて理解したり、自分が説明・表現したりする能力)

  • 知覚統合 (目で見た 「言葉ではない」 情報を処理する能力)

  • 作動記憶 (作業や動作に必要な情報を一時的に記憶して、処理する能力)

  • 処理速度 (単純な作業を素早く正確におこなう能力)


発達障害かどうかというのは、基本的に 「平均と比較して IQ が高いか低いか」 では判断されない。

その人の脳の使い方として、偏りがないか、凸凹がないか、というのを基準として判断される。
しかし、それのみで判断されるわけではない。判断は医師にしかできない。
だから私もヘタなことは言えない。

そしてその偏り凸凹は、上図の折れ線グラフに 「水平ではない線」 として現れる。


つまり、上図の折れ線グラフが水平に近ければ近いほど、脳の発達の均衡は取れており、「定型発達 (発達障害ではない)」 という診断がされやすくなる。


さて、私のグラフである。
左側の 「言語性 IQ」 および 「動作性 IQ」 にほぼ隔たりはない (差は 4)。

しかし、右側の 「群指数」 では、言語理解知覚統合は同じ数値だが、作動記憶処理速度の数値が上がっている。

これが 「凸凹」 である。


作動記憶処理速度の 2 つが高ければ、言われたことをミスなく、速くできる。

しかし問題は言語理解および知覚統合低いことだ。

どちらも 「情報を正しく理解する」能力である。


つまり、処理速度 > 理解になってしまうため、きちんと理解できていないにもかかわらず、脳が 「分った」 気になって始めてしまう
そして終らせてしまう。

結果、「早とちり」 になるのだ。


たとえば下記の CHANGE → CHAGE と勘違いなども同様の原因だと思う。


「早とちり」 が発生するのは、ある条件が揃ったときのみ

長々書いたが、「早とちり」 の意味は下記のとおりである。

よく確かめないで、勝手に分かったつもりになること。

goo 辞書


これが処理速度 = 理解であるなら、単純に 「理解の早 (速) い人」 という評価を得られる。
一を聞いて十を知るというタイプで、こんな人が上司だったり同僚だったら最高だ。


「早とちり」 は早急に導き出した答えが間違っている場合にしか遣われない。

したがって 「早とちり」 が多い人は、その人の 「理解能力」 よりも 「処理速度」 が上回っている確率が高いのである。


仕事で 「早とちり」 で勝手に進められると、かなりマズい。
あさっての方向で進められて、3 日後に 「できました!(^^)」 と言って持ってきたものが、まったく役に立たないものだったりむしろ足を引っ張るものだったりした場合は悪夢だ。
しかも納期は今日とか。

これを自ら防ぐ方法は下記の 2 つである。

  • 人の話を最後まで聞く

  • 「この認識で合っていますか?」 と、作業に取りかかる前に確認する


部下や子供にこのような 「早とちり」 タイプがいる場合、「お互い、認識合っているかな?」と確認することをおすすめする。


幸い私は自分を信用していないので、「あーまた間違って解釈してるかも?」 がデフォルトになっている。

だから相手に 「〇〇 ということで合っていますか?」 と確認し、軌道修正してもらうことができる。

しかし、誰にも確認できないときはやはりミスは増える。



ゾウリムシとワラジムシ

中学の理科のテストのときである。
テストの一部に、主にゾウリムシの生殖に関する問題が出題された。

理科の第 2 分野の 「微生物」 が試験範囲に含まれていたのだ。

その時点で気づけよ、と思うのだが、私はゾウリムシとワラジムシを勘違いした。


ゾウリムシは 「べん毛 (もう)」 という、チッチッとした毛が生えている微生物である。

かたやワラジムシはダンゴムシのような多足類である。
もう見た目からサイズから生態から、何もかもがゾウリムシとは違う


「何でワラジムシのことなんかテストに出るんだ? 習ったっけ?」


とはかろうじて思ったのだが、まぁどうせオスとメスに分かれているのだろうから、普通の昆虫同様、交尾で殖えるんだろう

と答えたらすべてバツだった。


ゾウリムシに雌雄はなく、分裂で殖えるのだから当たり前である。


言い訳をさせてもらえば、私たちの地元ではワラジムシのことを 「ベンジョムシ」 と呼んでいた。

転ばしてみて丸く転がるものはダンゴムシ、丸まらないものはベンジョムシ。

ベンジョムシは転ばさないまでも、ダンゴムシと違ってテラテラしていないし、多少薄いグレー (そしてダンゴムシと違ってなんか気持ち悪い) なので見分けがつくような気もするが、とにかく 「ワラジムシ」 という呼称は私の中では長いこと存在しなかった。

ただし、ベンジョムシのことを 「ワラジムシ」 と呼ぶ人も一部いる、ということだけは頭の片隅に入っていた。


加えてゾウリムシである。
ゾウリムシのことさえちゃんと認識していれば正解できる問題であったが、履きものの草履 (ぞうり) も草鞋 (わらじ) も見たことがない。

イメージの中で、2 つは 「非常に似たもの」 という印象だった。


正直、中 1 (?) になって微生物の授業で初めて出てきたポッと出のゾウリムシなんぞ記憶に残らない。ボルボックスやミカヅキモ、クンショウモならすぐに微生物のことだと分っただろう。
(今この note を書いているときでもゾウリムシをミドリムシの外見と勘違いしていたくらいである)


というわけで、テストなどの孤独な環境では 「ワラジムシではなく、ゾウリムシ」 と軌道修正してくれる人がいなかったため、そのまま突っ走って無得点となった。



まとめ

「早とちり」 する人。
これをご高覧になっているご本人がそうかもしれないし、ご友人やご家族がそうなのかもしれない。

その人が発達障害かどうかは置いておいて、「そういうこと (処理速度 > 理解) が脳内で起こっているのかもしれない」 という知識が、いつか役に立つこともあるかもしれない。



余談

逆に、作動記憶 & 処理速度が不得意という人もいる。

「言われた・言ったことを覚えていない」 とか 「作業に時間を要する」 とか。

ただ、私とは異なり、正しく理解できているなら時間はかかっても間違って処理を進めることはないはずだ。



定型発達の人がどのくらい定型発達なのか (?) が分らないのだが、ネットで調べても大体棒グラフの凸凹がある図しか出てこない。

そもそも普通、「自分は発達障害なのではないか!?」 と思わないのだと思う。

だから 「自分は発達障害なのでは!?」 と思った人のみが受診し、「やっぱり!」 という結果が掲載されるので、「きれいな水平線」 状のグラフはますます見かける機会が少なくなるのではないか。


だって受けるのに心療内科などで 3 ~ 4 時間、(保険適用で) 3 ~ 4,000 円かかるのだ。
必要ないなら受けないだろう。

すべての心療内科で対応しているわけではないため、対応しているところも探さなければならない。


なぜ私が受けることになったかというと、下記のような経緯である。

私の近しい友人に対して 「これはもしかしたら…… 何らかの病気? 障害?」 と思うようなことが何十回もあったのだ。

そしてその友人のことを理解しようと、考えうる病気や発達障害のことを調べる & 知るにつれ、自分が幼い頃のエピソードと ADHD の特性が多く重なり、「え、いやむしろ私がそうなんじゃないの?」 と心配になって受けたのだ。


幼い頃、突然道路に飛び出して何回か轢かれそうになっていたらしいし (しかも 1 回は母親が運転する車の前に飛び出したらしい (^^;))、ここ 10 年くらいの間にもメインのカバンを 3 回もなくした (全部無事だったし 1 回は未遂)。

そのうち 1 回は会社の PC が入っており、回収するまで 「クビ」 の 2 文字がチラつき、背筋が凍る思いがした。
(一応、セキュリティ対策はしてあるため会社的には大問題ではないらしいのだが、本当に生きた心地がしなかったし 2 度と同じことはしまいと誓った)

20 代で一人暮ししていたときも、家の鍵をなくして実家から合鍵が届くまで 3 日間家に入れず、仕事もあるしで漫喫に泊まったり散々だった (><)


頻繁に本気で物をなくすようなことはないのだけれど、なくすときは大きいものをガツンとやってしまう。

財布は今のところセーフだが 1 回目のカバン紛失のときに一緒になくしてるからアウトかも。

あ、PC のときも入ってたか。

傾向としては 「メインのカバン以外に 1 ~ 2 個カバンを持っている」 となくしやすい。
普段 1 個しか持たないので、「1 つ持っている」ということに安心して2 ~ 3 個目がおろそかになる。

ちなみに 2 回目の 「未遂」 に終ったというのは、滞在先のホテルを 「お世話になりました!」 と後にしようとしたときに、ソファに置いたリュックを忘れておみやげのたこ焼きだけ持って出ようとしたところ、ホテルの人に 「お忘れですよ!」 と言われたというものだ。

数十分後には手元に何も残らない


危なかった。たこ焼きも大事だけれどリュックはもっと大事だ。旅行が続けられない。

ホテルの人もちょっと引いていたように思う。
でも教えてくれてありがとうございました m(_ _)m


スマホもよく家の中で分らなくなるのだけれども、Google アシスタントに訊くとスマホを鳴らしてくれるのでめちゃくちゃ助かる機能!!
※ 要件あり




結局、検査結果が出ても ADHD なのかそうじゃないのかよく分らないんだけれども、分ったところで何か変るわけでもなさそうだし、とにかく早とちりにしてもカバンなくしにしても、対処方法を理解した上で実行していくしかないのかな、と結論づけた。



お読みくださりありがとうございました (^^)

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