動物はバグっている: ② セイウチ
セイウチ
セイウチを、よく見たことがおありだろうか?
私はなかった。
① サイでも言及したが、私は動物園が好きではない。
そしておそらく水族館恐怖症なので、水族館にはもっと行ったことがなかった (加茂水族館には 2 回行ったことがある)。
したがって、セイウチをマジマジと見る機会はなかった。
ある日テレビで、どこだかの水族館の「セイウチ ショー大成功!」というニュースをやっていた。まだ平和だった頃だ。
水族館恐怖症なのは、デカい魚が怖いからだ。
食べるのは大好きだしシュノーケリングも問題ないが、ペット ショップでもアロワナ クラスの魚で怖くなり始める。
リュウグウノツカイなど、実際に打ち上げられたのを見たら失神してしまいそうだ。
そんなデカい魚がウヨウヨしている水族館など、行けるはずもない。
エイが一番気持ち悪い。
加茂水族館はクラゲに特化しており、水槽はあまり大きくないしクラゲも小さいものが多い。
「庄内の魚コーナー」ではギョッとするが、足早に通り過ぎれば問題ない。
(今見たらエイが追加されてる!?)
デカい魚は怖いが、哺乳類はなんとなく平気である。
しかし詳しくない。
セイウチ・トド・アシカ・アザラシ・オットセイ・マナティー・ジュゴン・・・。この辺の生物を
説明しなさい
絵に描きなさい
と言われても、できないだろう。
だから、セイウチがテレビに出ているのを見て、ああそうか、不思議の国のアリスに出てくる、牡蠣を食べちゃう動物がセイウチだったな、なるほど似ている。ビートルズの歌にもあったな。
という認識しかなかった。
そしてあのセイウチは服を着ていたし、おそらくオスだったのだろう。
セイウチを見慣れている皆さんには今更な話かもしれないが、見慣れていない私は衝撃を受けた。
え、何あれ! お腹のところズタズタなの、怪我してるの!?
と、思ったのだ。
違うのだ。(おそらく) あれはセイウチのメスの生殖器なのだ。
あまりにも露わに公共の電波に載せられて、普段目にすることもない器官を、まったく馴染みのない動物を介して目の当たりにしたのである。
ここで私はパニックになった。
「え、あれ映していいの!? モザイクとかかけなくていいの!?」
と。
しかしそうなると、逆に動物愛護団体などから
「セイウチをいやらしい目で見るな!」
などという反論が出るのかもしれない……
と考え、一体何が正しいのかますます混乱してしまった。
どうなのだろう。
「お腹のところがズタズタ」と表現したように、ちょっと一瞬ケガかと思うのである。
子どもによっては、もしかしたらトラウマになるようなものかもしれない。
そりゃあリアル タイムのセイウチ ショーでの生殖器にモザイクをかけることは不可能だろうが、あれは……
どうするのが正なのだろう。
ビックリしたので調べてみたら、なんとオスの生殖器には 60cm もの骨が入っていて (陰茎骨というらしい。そして世界最大)、それを使って敵と戦ったりするらしいのだ。
(映像でのソースは見つけられなかったので、真偽不明。バランス悪くなるだろうし、そもそもキバあるし「骨を人間が武器として使用した」というのが読み間違えられたのか?)
ちょっと「バグっている」とは違うのかもしれないけれども、(骨が) 世界最大となればそりゃーお腹がズタズタに見えるくらいの生殖器でないと繁殖できないのかもしれない。
このnote を書くにあたって、初めて「ゾウアザラシ」というのを知ったが、これまたなかなかのバグりっぷり。なぜあんなふうに鼻先が伸びたのだ。
本当に現存している動物は、ことごとくどこかが著しく他の動物と違う。
これが進化の秘密なのだろうか。