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無事でよかった

今日は今年初めて、歳上のお友だちに会いにいくことにした。御年82歳。全くそれを感じさせない、テンポの良い会話と、常に新しい本を読み、ニュースに触れ、生き生きと感想を語る素敵なお姉さま。

今年初の電話をして、ひとしきりおしゃべりした後で、好きそうな本とお餅を持ってお訪ねすることになった。20分くらいで着くから、と言って自転車で向かった。

チャイムを押す。いつもならすぐに、はーい、と出てこられるのに、反応がない。もう一度鳴らすが、シーンとしている。あれ?聞こえないかな、と携帯を鳴らす。家の中で鳴っているのが聞こえるが、何度鳴らしても出る気配がない。

まだ着かないだろう、とちょっとそこまで出かけたかな。

待ってるうちにお昼寝しちゃった?

まさか、この短い時間で、急に具合が悪くなって倒れたりしてない?

年齢的なこともあり、心配になった。とりあえず、少しその辺を回って、探してみよう…ウロウロして、また20分くらいしてからチャイムと電話を鳴らすが、やはり反応なし。

こんな時どうしたらいいんだろう。警察?近所の人?でも大事にしてただの昼寝だったら申し訳ないし…色々とぐるぐる考えて、とりあえず持ってきたものをドアノブにかけて一旦帰宅した。また明日にでも訪ねて、まだこれがドアにかかっているようなら警察に連絡してみよう…

帰宅しても心がざわざわする。もしかして倒れてるなら、早く対処しなきゃいけない。明日まで待つなんて悠長な事は言ってられないのでは?もう一度電話するが、やはり出ない…いよいよ警察か、と思ったところで、彼女から電話が来た。

ごめんねー、急にお隣さんから保育園のお孫さんのお迎え頼まれちゃって、断れなくて。すぐ戻れると思ったけど、間に合わなかったわ〜!

もう、一気にホッとした。本当に無事でよかった。と同時に、一人暮らしの高齢のお友だちとお付き合いするなら、こういう事態も考えて、離れている家族の連絡先なども聞いておかないと、いざまさか、ということもあるなあとつくづく感じた。

持っていったのはよりによってお餅だったので、余計な心配かもしれないと思いつつ、少し柔らかめのお餅だから、気をつけて食べてね、と言い添えた。

夕飯時、彼女から「お餅美味しかったよ、念のためにちゃんと焼いてからお雑煮に入れたからね」と元気な電話。まだまだ何年後も、この元気な声を聞いていたい。

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