ステマ規制でお金を失う人を減らせるだろうか?
結論から言う。
一時的には減るがすぐに戻る。
その理由を話そう。
2023年10月よりステマ規制が始まる。
ステマとは、消費者に広告や宣伝と気がつかれないような形で作られている広告や宣伝を指し、主にインフルエンサー、ブロガー、ユーチューバーなどを使って現在進行形で行われている。
ステマは、20代には特に効果的で、女性に対しては全世代に通用する宣伝方法である。
今回規制がかかった事で一定の効果は望めるだろう。
しかしながら、これに備えてなのか広告はより巧妙になってきている。
このような事は伝統的に起こっており、過去「No.1広告」「嘘の口コミ」というのが規制されたように、今後も似たようなものが出てくると考えられる。
特に投資関連、副業関連は優良誤認しやすい広告が多く、気を付けなければならないだろう(私から見れば積立投資の宣伝も収益不動産の宣伝も十分に優良誤認させているように見えるが)。
では今後どのようなコラム、動画等に気を付ければいいの考えてみよう。
■序列をつけるもの
これは既に行われているものだが「〇〇ランキング」とか「〇〇10選」みたいなものは誘導広告と考えていい。
効果は概ね「No.1広告」と同じだ。
伝統的なものだと「住みたい街ランキング」なんていうものが有名だ。
きちんとしたものがあると信じたいが、殆どの場合ヤラセで、酷いものだとアンケートすらとっていない。
あれを見てその町に憧れを持ってしまう人が一定数存在するので立派な優良誤認案件なのだが、ずっと問題になっていない。
お金関連でいうと「お金が貯まる方法3選」とか「お金持ちがやっている習慣3選」みたいなタイトルで釣って、実際にお金を持っている人にアンケートをとったわけでも何でもない「情報」を流し、口座開設や投資信託の購入に誘導するなんてものがある。
■インタビュー記事
「架空の成功者をでっち上げインタビュー記事を書く」という専門家から見たらツッコミどころ満載なものがある。
効果はかなりあがっているようで、書籍まで登場してしまっている。
恐ろしい世の中だ。
見分け方は結構簡単で成功者の名前が伏せられている(若しくは仮名をつかっている)ものは信ぴょう性がかなり低い。
なぜ架空の成功者をでっち上げてまでこのような記事を書くのかというと、例えば資産運用の記事を書くとして、ライターが平坦な文章を書くより、成功者がインタビューで体験談を語っている方が「ウケる」からである。
これから資産運用を始めようとしている人から見たら重要な情報のように思えるだろう。
架空の成功者の気持ち悪いところは、例えば「小型株で成功した」と言っている若い投資家が、何故かその後小型株から完全に手を引き投資信託に切り替えたり、配当狙いのポートフォリオに切り替えたりしている事だ。
そういう人もゼロではないだろうが、何故現在進行形で使える武器を捨ててわざわざ収益の望めない運用方法に全部振りするのか?
何故いきなり年間4%とか言い出すのだろうか?
脳をいじられたとしか思えない。
もう一つは架空の相談者に対してFPが答えるというもので、これもかなり悪質だ。
相談者のレベルが気持ち悪いほど低い。
私も10年ほどFPをやっていたが、こんなレベルの低い相談者が来たことは無い。
算数が出来ないのだ。
「十分なお金があるのに不安になっている夫婦」や「明らかに家を購入してはいけない収入なのに家を買ってしまった人」などアホのオンパレードなのだ。
そんな架空の相談をわざとらしく解説していくFPのコラムは非常に滑稽だが、世の中には一定数算数が出来ない人もいるので、そんな人から見てそのFPはとても頼もしく見えるだろう。
そんな方法で相談件数を稼いでいる悪徳コンサルタントが存在する。
来てくれる人はそのコラムを読んで感心するような「カモ」なので御するのは簡単なのである。
この他にもグレーな広告は沢山存在する。
今回のステマ規制で上記の様なコラムや動画も消えてなくなってくれれば良いのだが、抜け道を見つけてそこを商売にする人達が必ず出てくるだろう。
No.1広告の時もそういったコンサルタントが跋扈していた。
その方法は巧妙で、見抜くことは困難だろう。
そして明らかに間違っているのに取り締まる側が取り締まるつもりがない広告も相変わらず存在し続けるだろう。
これはかなり厄介だ。
私たちは油断せず「ありえない事」を見抜く力が必要になる。
この手の広告をうつ事業者や個人は初めから騙すつもりでやっているからだ。
本来騙す方が悪いが、こういった悪人が世の中から完全に消える事は無いのだから、身を守るしか術は無いのである。
身を守るには「知識」と「自分で考える努力」が必要だ。
だから今日も勉強に励むのである。
ではでは・・・・