退職所得増税は余裕で躱せるが、給与所得増税は躱すのが難しい
岸田政権令和の大増税シリーズの一つである給与所得控除減額。
これが施行されたら全ての給与所得者に間違いなくダメージがいくだろう。
完全に躱すことが出来ないからだ。
「給与所得者であれば必ずダメージを与えられる」といった特攻攻撃なので、完全回避したいなら給与所得者を止めるしかない。
ただその方法はあまりお勧めできない。
何故なら、給与所得以外でお金を稼ぐには「センス」か「知識」或いはその両方が必要だからだ。
例えば個人事業主になれば増税後の給与所得者よりも手取りを多く確保できるのか?というと年収と同じ年商なら寧ろ手取りは下がる。
では投資家はどうかというと、給与所得者の時と同じくらいの額を投資で稼ぐには、資金と腕が必要だ。
それが既にあるような人間なら、給与所得控除が減額される程度ではビクともしないだろう。
という事で給与所得者は八方塞がりなのである。
そもそも給与所得に依存している人は、事業も投資も上手くないという人が殆どで、そういう人を狙い撃ちにするからこそ確実に税をとれる。
■何故給与所得控除が減額されるという話が出たのか?
そもそも給与所得控除とは何なのか?
一言で表現すれば「給与所得者の経費」みたいなものだ。
では実際に給与所得者が仕事を行う上で、給与所得控除の金額くらい経費を使っているのか?というと答えは「NO」だろう。
これに対し個人事業主には実際に使っていないお金を経費にする術がなく、インボイス制度が始まる事で捕捉率も高まり、このままいくと給与所得者より多くの税金を納めるようになるか、手取りを大きく減らす人が増えるだろう。
この様に「給与所得者は個人事業主に比べて優遇されている」という“税の不均衡みたいなもの”はターゲットにしやすく、とられる方も反対もしづらい。
個人事業主に対して何らかの控除を追加すれば不均衡は解消するのだが、わざわざ給与所得者を個人事業主の方に近づけてより税をとろうとするところが非常に姑息で、この話の中に経営者が入っていないのも非常に岸田らしい。
弱者を虐げ強者にすり寄るテンプレみたいなことを平気でやっている恥ずかしい人物が今の日本の総理大臣なのである。
■退職所得控除削減は躱せるが、給与所得控除削減は躱せない
給与所得者にとって退職所得は勤めている企業から貰えるものと、iDeCoで作るものが該当する。
よって詳しいやり方はここには書かないが、今回の退職所得控除の減額では確実に税金をとれるといったものにはならず、知恵を絞れば無税でやり過ごせる。
なので、はっきり言ってこちらは何の問題もない。
問題は避けようがない給与所得控除減額の方だ。
給与は自分でコントロールできないため自動的に税が徴収されてしまう。
税を徴収する側から見たら対象が給与所得者を止めない限り控除額減額の影響を確実に与えることが出来、確実に税金を回収できる。
このカードは強い。
給与所得控除減額が施行されれば、給与所得者の購買力は確実に落ちることになる。
年収500万円の人で年間20~30万円ほど弱体化する。
この影響で、自動車は売れなくなり、通信費は抑えられ、学費に割くお金は減る。
今まで貯金が出来ていた人が出来なくなり、住宅ローンが払えなくなる人も出てくるだろう。
そんな中で資産所得倍増とか言っている岸田政権は正気じゃない。
年収が高くない人達は積立NISAどころではなくなる。
そして皆さんが心配している“物価の上昇とやら”は不景気になることで解決されるだろう。
その犠牲は大きい。
皆さんが恒久的な不景気を望むなら岸田政権の行う増税に乗ってもいいと思うが、私は不景気なんてまっぴらなので強く反対する。
黙っているという事は、今回の増税にも賛成していることになるので給与所得の方は声を上げた方がいい。
そうしないと手遅れになる。
■給与所得控除減額を止めるにはインボイス制度も止めなければならない
給与所得控除減額は個人事業主との税の不均衡が理由の一つとなっている。
不均衡を大きくしている理由の一つがインボイス制度だ。
インボイス制度があれば税の捕捉率は上がるが、より個人事業主への締め付けが強くなるため、この存在があると給与所得控除減額に対して反対を言うのが厳しくなる。
セットで潰さなければいけないのだ。
税金をとる側は、税金を多くとるための口実を考えている。
インボイス制度、企業への給与引き上げ要請、この二つは今回話題になっている給与所得控除減額の為の助走であり、前者は理由づけ、後者は効果促進のために利用される。
もう一度言うが、給与所得控除減額は施行されたら回避することが出来ない。
ダメージを軽減する方法は存在するし、すぐにでもやる事は可能だが、その議論よりも前に、この増税を止めることが先だろう。
ではでは・・・・
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