あざら子、退院する
若干展開が早い気もするが、退院した。いや別に、実のところそれほど急ではない。もともと、2週間弱で退院の見込みです、という話で入院の計画が立っていたのだ。なので、正確には、特に問題なく予定通り退院した。
比較的さっくり抜けた一本めのドレーンに対して、2本めはなかなかしぶとかった。廃液の減らないこと減らないこと。いつが退院になることやら。しかし病院は面会制限があるし、どうも同じ病棟内にインフルが隔離されてたりするようだし、出歩くわけにもいかない。できることはスクワットとベッドでゴロゴロするくらいである。そんな感じでゴロゴロしてるうちに、寝た。あざら子は昼寝が得意である。気づくと寝ている。そうして2日ばかりやたらめったら昼寝していたら、ぱたっと廃液が減った。今まで動きすぎだっただけなのだろうか。この隙を見逃さず、2本めのドレーンがスパッと抜かれた。ちなみに寝過ぎて看護師さんから「体調悪いとか気分悪いとかないですか?」と心配されてしまった。すみません、怠惰なだけです。
さてこれでもう、あざら子を縛るものはない。アイ・アム・フリー!
「じゃああざら子さん明日退院だからね」
おっとそうきたか。流石に抜いて翌日退院になるとは思わなんだ。
もはや連れ回しすぎて盟友となりつつあった点滴棒にも別れを告げ、荷物の片付けを始める。と言っても、入院準備の時にも触れたが、今回の入院は対して必要なものもなかったので、片付けもたいそうなことはない。
参考に、入院中あざら子が持ってきてよかったなあと思ったやつをあげておく。
サボリーノ
60秒で肌完成みたいなノリのフェイスパックである。病室にはもちろん洗面台があるので、そこで丁寧に洗顔とスキンケアをしてもいいのだが、術後は腕が動かしにくかったりするし、何より洗面台が低い(腰の曲がったおばあちゃんでも使える仕様である)。あざら子は高身長ではないが低身長でもないので、あんまりヘビーユースしづらい洗面台であることは確かだ。結果、面倒で顔のスキンケアは全部これでやった。楽。ドライシャンプー
もちろん、洗髪に優るものはない。ただ、毎日毎日洗髪させてもらえるとは限らない。やってくるのはボサボサギトギトフケだらけヘアである。ここにドライシャンプーでマッサージを挟むと、ほんのちょっと、ほんのちょっとだけだが気が楽になる。あざら子はスプレータイプとシートタイプ両方を持ってきたが、わりとシートタイプがおすすめかもしれない。フケとか拭えるので。ヘッドスクラブ
上記の通り、毎日頭が洗えるわけではない。何日か分の皮脂が溜まった頭をリセットしてくれるのはヘッドスクラブに限る。これを贅沢に2回たっぷり使ったら、1週間溜め込んだ皮脂も消えた。サイコー。体拭きシート(できれば介護用品コーナーとかにある大判のやつ)
シャワーを浴びられない患者さんには、普通清拭用のタオルが配られる。が、これは毎日とは限らないし、なんか体が気持ち悪い時に自前で拭けるものがあるとありがたい。汗拭き用のポケッタブルなやつは小さすぎて戦力にならないので、ぜひ大判のやつを探してほしい。イヤホン
テレビ見たい人は有線イヤホン必須。イヤホンがないとテレビは見せてもらえない。あざら子はテレビには1ミリも興味がなかったが、暇を持て余して音楽を聴くのにワイヤレスイヤホンが重宝した。ゲームとかも音が周りに聞こえなければいい暇つぶしになるので、使いやすいイヤホンを持っているといい。あと万が一イビキがやばい人が同室になった時に、耳栓がわりにも使える。リップクリーム(わりと強めのやつ)
病院の砂漠化を舐めてはいけない。のど飴
全身麻酔で気管挿管をすると、喉が痛む。こればっかりはどうしようもないので諦めるしかないのだが、のど飴があると少し気持ちが安らぐ。声はガラガラだけど。
ざっとこんなものだろうか。
さて、退院しての生活がどうかというと、びっくりするくらい特に変わりはない。強いていうなら、右胸になんか硬いもんかが入ってるなーという違和感があるくらいのものである。
あざら子は利き手が右なので、つい右を使いがちなので、右手を伸ばす時にちょっと痛かったりするのだが、死にかけ(※麻酔の影響で寝こけてただけ)の妻を見た夫氏が、なんかやろうとするたびにすっとんでくる過保護マシーンになっているので、ありがたく甘えさせてもらっている。
院内散歩を自粛した影響は大きかった。スクワットなりなんなりしていたので大丈夫だと思っていたのだが、立ちっぱなしとか長距離歩くとか、そういう持久力がガタ落ちしている。これはしばらくリハビリだなあ……。