【試合感想文】 5/31DeNA1-3楽天:マイケル・フランコ三度目の正直
ただいまチーム最多52.1回
まずはともあれ、田中将大に3勝目がついてホッとする5月最後の戦いになった。
マー君はチーム最多4度のハイクオリティスタートを記録しながら、直近2登板は「おいおいどうした?!」という不本意な投球だった。それだけに過去4度対戦して防御率1.80と相性の良いDeNA相手に健在ぶりをアピールした47日ぶりの白星は、僕の心を一安心させた。
NPB復帰後2年連続で規定投球回入り。これは楽天投手で唯一だ。復帰3年目を迎えた今シーズンも(登板数の差異はあれど)本戦終了時でチーム最多の投球回を誇る。
今年は早川隆久の躍進、藤平尚真の台頭、荘司康誠ドラ1の活躍、松井友飛のスポット好投など若手の台頭も著しいが、それでもチームの屋台骨を支えるベテラン筆頭はマー君だ。
そして最下位からのAクラスを目指すには、34歳の奮闘はマスターピースになってくる。日米通算200勝まで残り7個だ。
フランコ、三度目の正直
3回、スコアレスの均衡を破る槍働きは、3番・フランコだった。
チームに先取点をもたらすという意味では5/14○E5-0Lの隅田知一郎撃ちの4号ソロ以来の2本目になった。
この回、楽天打線は2四球を獲得していた。相手先発の石田健大は今季ここまで与四球率1.54。1試合に最多でも四球2個どまりで、1イニング複数四球はここまでなしというコントロールをみせていた。
そんな左腕から先頭の9番・辰己涼介が8球粘りの4-2四球。バント後に小深田大翔も1塁に歩く貰ったチャンスの1死2,1塁だった。
ここから試合の流れが不穏な動きをみせる。
フランコの初球前に辰己が2塁牽制死。
ところが、2球目ワイルドピッチとなり、一走・コブが悠々2塁へ。
どっちつかずの戦況を制して主導権を握るのは楽天か?ベイか?
固唾を飲んだそのとき、フランコが左腕が投じたチェンジアップを執念で左前へ弾き返した。
バットの先でひっかけるようにして引っ張ったグラウンダーの打球だったが、よくぞバットに当てた!
じつは今季FA取得見込みだという石田の持ち球の中でも、今季はチェンジアップが無双の戦果をあげていたのだ。
当該被打率.179。空振り/スイングのWhiff%は46.2%をマーク。これは前年30.2%からの大幅アップだ。先発・救援で一概には比較できないかもしれないが、あのモイネロのチェンジアップのWhiff%が52.9%だから、その値に迫る好値だった。
つまり、チェンジアップに手を出したとき、約2球に1球で空振りさせられてしまうというワケなのだ。
フランコがコンタクトに成功して先制打を放つ前まで、本戦の楽天打者は石田のこの当該球に対しスイングをかけること5球、そのうち4球で空振りを喫していた。フランコ自身も1打席目で1球、タイムリー打った2打席目でも1球空振りさせられていた。三度目の正直でよくぞ当ててくれたと思うのだ。
さすがは5月月間打率チームトップの.290で終えたフランコのなせる業だった。
ヒット1本で生還できない楽天2塁走者たち
せっかく交流戦初勝利をあげた好ゲームなのに、1つ苦言を呈さなければならない場面がある。
1点リードの4回2死2塁、伊藤裕季也が弾き返した三遊間ゴロ突破の左安のシーンだ。
この場面は直前の安田悠馬の右中間塀際大飛球をセンター桑原将志がフェンス激突ジャンピングキャッチして、飛び出した2塁走者・岡島が2,3塁間でランダンアウトになったものの、桑原の打球に対し2塁塁審がセーフ判定をして・・・
話が長くなるので割愛するが、つまりはリクエストで判定覆りダイレクトキャッチで2死2塁再開という複雑で検証にかなり時間とられたシーンがあった直後だった。
投手にしてみれば不当に長い嫌な間が空きすぎた直後だった。それだけに、この隙に乗じて追加点を入れたかったところ。なのに、2塁走者・岡島は伊藤裕の左安で3塁ストップになってしまった。
もう少し良いスタートを切れたのでは?と思ってしまう。
2アウトだからもっと大胆に第2リードをとれたはずだ。もっと言えば、2死でカウントは3-2だった。2死2ストライクはスイングゴーが基本、ストライクゴーも狙える場面。実際、結果球は高めストライク投球(しかも真っ直ぐ)。2塁の岡島からも良く見えたはずで、アグレッシブな走塁を仕掛ける絶好チャンスだった。
レフトを守る関根は『実況パワフルプロ野球』最新データで肩力はC67。直前の3回2死2塁フランコ先制打のバックホームでも正確性を欠いたように、肩は決して強い部類ではなかった。
それだけに、大変残念な一幕だった。
5/28終了時・・・(続く)
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