【試合評】不動の4番に黄信号、新8回の男に赤信号~3月19日●楽天0-2ロッテ
木曜日までに5試合を戦う、首都圏オープン戦シリーズ。
その第2戦、楽天は9勝1敗2分でオープン戦1位と好調のロッテと激突した。
舞台はZOZOマリン。13時にプレイボールがかかり、春の陽光のなか、2時間52分を戦い、0-2で惜敗している。
今日は2人の外国人の話をしよう。
本稿の主役はハーマンとウィーラーだ。
両軍投手陣が仕上がりの良さをみせた。
スコアボードに並ぶのは、ゼロばかり。
一方、楽天打線は散発5安打。
回を重ねるたびに、今日は点が取れそうもない。
そんな思いが強まっていく。
3月15日広島戦から続くオープン戦の連勝記録を伸ばすことは難しい状況だ。
しかし、イーグルスのピッチャーも奮闘する。
先発・美馬、二番手・森が合計7イニングを投げ、ロッテ打線を散発4単打に抑える。
ぼくは8回裏から登板した三番手ハーマンのマウンド姿を見ながら、
「このままいけば、3戦連続の零封できるかも?!」
そんな思いにかられていた。
ハーマン「投球回<被安打」はこれで3試合め
しかしだ。今季、ミコライオに代わって「8回の男」を任されるというインテリ外国人が痛恨の2失点。
1死後、鈴木にセカンド内野安打を許したのが、きっかけだった。
オープン戦打率8位の.324と打撃好調、本戦でも1安打1四球と結果を出していた敵軍主将に対し、3球目で2ストライクに早々に追い込んだものの、そこから決め手を欠いた。
追い込んでから、真っすぐはファウルでカットされ、誘いの変化球は見きわめられ、1-2がフルカウントにもつれこんだ8球目。
内角速球を1,2塁間の右前ヒットコースに打ち返されてしまう。
途中出場でセカンドに入った三好が1,2塁間深いゾーンで球際で良く追いつき、身体を1回転させて1塁へスローイングしたものの、セーフ。
この内野安打をきっかけに、その後、ハーマンはリズムを乱していく。
鈴木に出塁された後、3アウトまで17球を投げたが、この間、足立がマウンドへ行くこと1度、与田コーチが通訳を伴ってマウンドに歩を進めたのが1度。
にもかかわらず、2死3,2塁、伊志嶺に150km真っすぐを中前へ弾き返され、走者2人が帰ってくる本戦の決勝打を喫した。
両軍のスタメン
楽天=1番・ペゲーロ(右)、2番・茂木(遊)、3番・枡田(指)、4番・ウィーラー(三)、5番・島内(中)、6番・今江(一)、7番・松井稼(左)、8番・藤田(二)、9番・嶋(捕)、先発・美馬(右投)
ロッテ=1番・荻野貴(右)、2番・平沢(遊)、3番・鈴木(二)、4番・パラデス(指)、5番・ダフィー(三)、6番・高濱(一)、7番・加藤(左)、8番・田村(捕)、9番・岡田(中)、先発・唐川(右投)
対外戦防御率6.00、被打率.524に...
ちょうど1週間前の3月12日の日本ハム戦。
2安打を打たれながらも1イニングを零封し、「来日初セーブ」を挙げたハーマンに対し、梨田監督は「よくなってるし、心配してない」と答えていた。
しかし、これでハーマンの対外戦成績は、6回を投げ終えて6失点、防御率6.00、WHIP1.83、被打率は21打数11安打の.524になった。
ことここに至り、梨田監督も決断を迫られる事態になったと言えそうだ。
◎ハーマン 2017年 試合別 投手成績
※オープン戦は3月5日DeNA戦以降
機能しない変化球投球、狙い撃ちされている真っすぐ
それにしても、なぜハーマンは良く打たれてしまうのか?
理由は諸々だろう。
今回はその中の1つをピックアップしたい。
精度悪すぎの変化球問題だ。
これでオープン戦で95球を投げたハーマン。
そのうち、速球64球、変化球31球。
各々のストライク率は以下のとおり。
変化球でほとんどストライクが取れないのだ。
速球 76.6% (49/64)
変化球 38.7% (12/31)
本戦では変化球8球投げて、7球がボールカウントになった。
変化球が使えないようだと、当然、打者は速球1本に狙いを絞ってくる。
そのなか、ストライクゾーンにカウントを取りにきたファストボールを、打ち返されてしまっている。
変化球のストライク率、せめて50.0%は欲しいところ。
これが最低限クリアできないようだと、ミコライオの後任として勝ちパターンの8回を任せるわけにはいかなくなる。
不動の4番に暗雲
さて、ウィーラーの話だ。
来日3年目、今シーズンも不動の4番のはずだが、ここまでイマイチなのだ。
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