【試合感想文】 5/2ロッテ1-5楽天:岸孝之150勝&鮮やか初回の足攻!!
NPB史上51人目。チームは3連勝!
岸孝之が楽天にFA移籍してきたのが2017年。以降、楽天のエースは則本昂大だったかもしれないが、常にエース級の働きをしたのが、青グラブからのワインドアップで舞う背番号11だった。
通算150勝に王手をかけたのが、昨年9/11ロッテ戦。以降、9/28西武戦では1球に泣き、8回1失点HQSながらも黒星。これは悔しかったと思う。契約更改時に選手が色紙に書く恒例の今年の漢字。昨年、岸は『少』だった。
いわく「今年目標にしていた150勝に届かず、もう少しのところで規定まで達する事が出来なかった。最後の最後で凄い悔しい想いをしたので」とのこと。
年またいで今季初登板の4/9ロッテ戦こそ2回6失点KOされたが、4/16ソフトバンク戦、4/23日本ハム戦ではいずれも勝利投手の権利を得ながら、後続が打たれて白星消滅の憂き目に遭っていた。
4登板中3登板は好投しながらも、通算150勝に届かなかったが、5度目の正直だ。打線もかみ合い、見事なメモリアルを飾った。
この勝利を5月反転攻勢の礎にしたい。同日、開幕直前の故障から2軍実戦復帰したギッテンスが2発含む8打点の大暴れ。近々に1軍合流見込み。駒は揃った!
ロッテのお株を奪う鮮やか3盗塁
僕が「Mr.安定感」と呼ぶ岸がゲームメイクするのは、なかばわかっていた。だから、この試合のカギは打線がどれだけ援護できるか?だと思っていた。
ロッテ先発の西野勇士は開幕から無傷の3連勝、前回ソフトバンク戦は7回無失点HQSを記録しており、ここまでのCSW%もパリーグ先発平均を約6%近く上回る33.7%をマーク。
それだけに初回の2点はファンを、岸を、チームを勇気づける先制劇になった。イーグルスが初回に複数点を獲得したのは今季初なのだ。
立役者は小深田大翔、島内宏明だ。ここ数年の(盗塁含めた)走塁巧者のロッテのお株を奪う鮮やかな足技になった。
今季もストレート打率.300と真っ直ぐに強いコブがフルカウントから146キロを右前へ弾き返すと、続く3番・浅村栄斗の初球。通算197盗塁の聖澤諒さんも認める好スタートで仕掛けて、捕手・田村龍弘の2塁送球を完全にかいくぐって得点圏を演出してみせた。
その後1死2,1塁、4番・島内が二進したコブを右前先制打でホームに呼び込む。その島内も5番・岡島豪郎の打席で二盗成功。今度は田村は送球できず。直後に岡島のバットから快音が響き、右翼線ツーベースでホームに帰ってきた。
小深田は3回にも四球→二盗を決めており、この日は田村から3企図3盗塁だった。
じつは試合前時点のパリーグ盗塁阻止率ランキングは、1位・佐藤都志也.833、2位・甲斐拓也.700。この2人はちょっと異次元だが、田村も.417で3位の好位置につけていた。昨年までのキャリア通算盗塁阻止率でも3割を超えてくる28歳は11年目の今季元気なのだ。
それだけに、田村から決めた3企図3盗塁、しかも立ち上がりに2盗塁を決めて、決めた走者がいずれもホームを踏むという素晴らしい電光石火の攻撃になった。
これで小深田は失敗なしの6盗塁。今季は五十幡亮汰、周東佑京あたりと激しい盗塁王争いを繰り広げてもらいたい。
岸孝之、新境地か?!
先ほど「岸がゲームメイクするのは、なかばわかっていた」と書いといてナンですが、じつはそんなに簡単な話ではなかった。
というのは、岸がロッテと今季初顔合わせになった4/9●E1-10Mでは、過去通算防御率2.18を誇る好相性のZOZOマリンが舞台だったのに、2回7安打6失点KO。変化球が機能せず当該31球で空振りゼロ、5安打3四球を計上する苦しい内容だった。
あまりにも変化球が決まらないので、降板後の岸も「いいところが簡単に見送られて、甘いのを打たれたので、何か(原因が)あるのかなとも思う。修正できたら」と口にしていたほどだった。
それを受けての再戦だったが、前回ツーベース2本を浴びたチェンジアップが今回も思うようにハマらなかった。
チェンジアップ14球中7球がボール。空振り2球とカウント稼ぎのファウル1球は同日今季1軍初昇格してきた和田康士朗の打席で記録したもので、4番・井上晴哉にはうまく看破されるなど、和田以外の打者にはなかなか有効球にならなかった。
だから、この日、岸は事実上3つの球種、ストレート、スライダー、カーブのみで戦っていたことになる。
これは当noteで何度も言及していることだが・・・(続く)
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