【戦評】オープン戦首位奪還も、投打に不安を残す逃げ切り勝利 ─ 3月17日○楽天4-2中日
初回先制、終盤逃げ切り
開幕まで日に日にカウントダウンの度合いが強くなるこの時期のオープン戦。
ぼくらファンの手に汗握る頻度も徐々に増すなか、楽天が日曜日のデーゲームで中日を4-2でくだし、5日ぶりにオープン戦1位へ返り咲いた。(広島とタイ)
ヒットは楽天6本、中日8本。
数では相手が上まわったが、初回に打線がつながった楽天が効率良く3点を先制。
1四球3安打を集中させ、4番・島内宏明と6番・銀次がタイムリー、さらに2死3,1塁からのダブルスチールで三走・浅村栄斗がホーム生還する機動力で点をもぎ取った。
5回にも3番・浅村の犠飛で加点した楽天は終盤ドラゴンズの追い上げを振り切り、先行4点を守り抜く逃げ切り勝利を飾った。
先発は高卒3年目、東北20年代のエース候補、藤平尚真。
前日の池田隆英と同様、藤平もここまでかんばしくなく対外戦10回を投げて防御率9.90である。
開幕ローテへ正念場のマウンドになったが、四苦八苦しながらも5回無失点の粘投。
試合前、「則本の穴埋めといったら藤平しかないと思うんですよね」と期待を寄せた解説・広橋公寿さんも、ゲーム中には「いやあちょっと内容は物足りないですね」「内容がいまひとつっていうのがありますよね」「球のキレもないし、コントロールもないし、よく0点におさえている」とボヤきの連続。
体裁を最低限取り繕う投球という印象で、平石洋介監督も「悪いなりに試合を作ったと思いますが、追試でしょうね」と発言。
開幕ローテの当確ランプは次週・ナゴヤドームの中日戦への持ち越しになった。
これで対外戦成績は9勝6敗2分に。
オープン戦は6勝2敗1分とし、オープン戦勝率5割以上まで残り1勝に迫った。
両軍のスタメン
中日=1番・渡辺(中)、2番・京田(遊)、3番・平田(右)、4番・ビシエド(指)、5番・アルモンテ(左)、6番・高橋(三)、7番・福田(一)、8番・堂上(二)、9番・木下拓(捕)、先発・又吉(右投)
楽天=1番・辰己(中)、2番・橋本(右)、3番・浅村(二)、4番・島内(左)、5番・ブラッシュ(指)、6番・銀次(一)、7番・ウィーラー(三)、8番・嶋(捕)、9番・藤田(遊)、先発・藤平(右投)
左打者が躍動、又吉を鮮やか攻略!
藤平も良くなかったが、相手先発・又吉克樹もピリッとしなかった。
一歩間違えれば、両軍先発が派手にゲームをぶち壊しかねないそんな雰囲気にみえた。
ストライク率は藤平58.8%、又吉59.7%、ほぼ同じ。
しかし、外角狙いが内角へ、内角狙いが外角に抜けるといった「逆球」では、当方計測で藤平7球に対し、又吉は19球と圧倒的に多く、全球数の28.4%を占めた。
なかでも、右打者の外角狙いで逆球が目立った。
当該18球のうち11球が内角へ到達する投球になっており、そんな又吉の不安定ピッチに中日ファンはヒヤヒヤだったはずだ。
右のサイドスローは、右打者には一定の強さを発揮するものの、左打者には不利と言われている。
又吉も御多分に漏れず、昨年は右打者を打率.253/OPS.625に抑える一方、左打者には打率.420/OPS1.181と打ち込まれていた。
本戦でもそれを踏襲し、、、
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