【試合観戦記】 4/10楽天5-4オリックス: 西垣雅矢プロ初白星。大卒3年目の成長を後押しする延長10回ベテラン決勝打
西垣雅矢、プロ初勝利
先日NPB300登板を達成した宋家豪が8回に2ランを被弾。
勝ちパターンが崩され、ゲームが振り出しに戻ったときは思わず天を仰いだ。
しかし結果的に1点差を制した素晴らしいゲームになった。
うれしいのは、西垣雅矢のプロ初勝利だ。
同点の9回、9番から上位に戻るオリックス打線を相手に三者凡退ピッチを披露。いつの間にか変えていた独特の新型フォームで躍動し、最速152キロの真っ直ぐと得意の変化球を操り、チームに貢献した。
過去25登板は勝敗に関係ないマウンド。終盤の競った展開はキャリア初
過去2年の1軍25登板は、ほとんど勝敗の趨勢に関係ない場所でのマウンドだった。
25登板中19試合はビハインド。そのうち3点差以上突き放された状況が14試合。いっぽうリードした6試合も4点差つけた場面が5試合と、どちらにせよ点差の離れた場面が主だった。
唯一の僅差リード登板は2022年7/18オリックス戦(楽天生命)。1点リードの5回2死2,1塁で火消し登板がある。このときは中盤のワンポイント的な使い方をされており、もはや1点も許されない終盤のヒリヒリした状況は本戦が初体験。
そのなかでも、しっかりと自分の仕事を遂行してくれた。昨オフに泉犬鷲寮を退寮し、アジアウインターリーグ派遣が決まっていたなか、慌ただしく「無計画引っ越し」を断行したドタバタぶりとは思えないほど、落ちつきのある成長したピッチングをみせてくれた。
150キロ越えの制球も上々
成長したといえば、過去1軍では150キロ以上と出力を上げたスピードボールを放ったとき、力みが原因だったのか、当該ストライク率43.2%とあまり有効的ではなかった。
しかし、この日投じた150キロ越え5球は全てストライク。紅林弘太郎を空三振にねじ伏せ、この日3出塁していた西川龍馬をイージーな中飛に退けた結果球も、この150キロ越えだった。
こういう場面を抑えることができてプロ初白星もついたことで、今後へ向けて大きな糧になるんじゃないか。
高校は今春センバツでも準Vを飾った報徳学園。強豪校ながらも専用グラウンドを持たず(下記記事参照)、苦労した環境で白球を追った青春時代だった。
大学は早稲田大学。現役時代は「投げる哲学者」と呼ばれメジャーも経験した理論派の小宮山悟監督のもと野球を学んできた。
昨年はご存じのとおり危険球退場(頓宮)や故障に苦しんだ1年。
こういう苦労人を強く応援したい。
西垣が・・・(続く)
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