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【試合評】「全て」を狂わせたオリ杉本の初回先頭打者弾~9月9日●楽天3-5オリックス

プレイボール直後の被弾劇

2014年9月21日の日本ハム戦(●E10-12F)から、2015年4月2日西武戦(●E1-6L)に記録した9連敗を塗り替える、球団史上初の本拠地10連敗。

「全てを狂わせましたよね」

その悪夢の幕開けは、解説席に座った後藤光尊さんがそのように評した、先発・辛島が浴びた初回先頭打者ホームランだった。

同日1軍に昇格してきたばかりの1番・杉本にバックスクリーンへと運ばれるプロ初安打・プロ初本塁打の大当たり。

この先制パンチで出鼻を挫かれた辛島は、この後、崩れてしまった。

2番・大城にセンター返しを許すと、3番・吉田正とのフルカウント勝負は慎重になりすぎたのか四球を与えてしまい、無死2,1塁。
4番・ロメロを上手いこと追い込みながらも、2-2からの決め球チェンジアップの制球を欠き、右翼線を破られるタイムリーツーベース。
なおも無死3,2塁で5番・マレーロにはセンター後方に犠飛を打ち返され、その後の2死3塁、7番・伊藤にも適時打を弾き返されてしまう。

楽天が初回に4失点以上の先制点を奪われたのは、美馬が立ち上がりに4点を失った8月23日ロッテ戦(●E3-5M)以来、今季6度目になった。

この4失点が、チーム状態の悪い鷲軍には最後まで重かった。
辛島は2回以降はゼロを並べたものの、5回に無死3,1塁から併殺打の間に1点を奪われ、5回5失点。

打線は後半戦に入り反撃に転じ、先頭の1番・島内が四球を選んで出塁した6回には3番・アマダー、5番・銀次の長短適時打で2得点。
さらに翌7回は8番・藤田がヘルメン内角149km速球撃ちによる2号ソロで1点を返し、3-5と2点差に迫り、その後も1死3,2塁と好機を作ったが、1本出ず。

2点ビハインドの最終9回には抑え・平野から1死満塁のチャンスを作ったものの、2番・茂木、3番・アマダーが揃ってイージーフライに凡退し、ゲームセット。

この日も2位・西武が日本ハムに0-1で敗れていたため、楽天が勝てば先月30日以来の2位奪還というゲームだった。
それだけに、逆転勝利でkoboパークを湧かせて欲しかったが、いやはや、残念な21回戦になった。

これでチーム成績は3位、119試合66勝51敗2分の勝率.564に。
首位ホークスのマジックはいよいよ6になり、オリックス戦は14勝6敗1分、9月2勝5敗、koboパーク29勝22敗2分、先制された試合20勝38敗1分、6回終了時に負けている試合7勝42敗1分になった。

両軍のスタメン

オリックス=1番・杉本(中)、2番・大城(三)、3番・吉田正(左)、4番・ロメロ(右)、5番・マレーロ(指)、6番・T-岡田(一)、7番・伊藤(捕)、8番・安達(遊)、9番・西野(二)、先発・山岡(右投) 

楽天=1番・島内(中)、2番・茂木(遊)、3番・アマダー(一)、4番・ペゲーロ(右)、5番・銀次(二)、6番・ウィーラー(三)、7番・藤田(遊)、8番・嶋(捕)、9番・オコエ(左)、先発・辛島(左投) 

相手先発・山岡の出来も良かった

相手先発・山岡とのマッチアップは本戦で5度目。
過去4試合の楽天戦の山岡の成績は1勝2敗、防御率6.48、被打率.319。
楽天はここまで、社会人No.1右腕だったルーキーを苦手にせず、良く打っていた。

しかし、本戦での対戦打率は21打数3安打、6回2失点の好投を許してしまった。

楽天打線の調子が落ちていること、初回4失点といきなりの大量ビハインドで始まったことに加え、この日の山岡はブタクサによる花粉症に悩まされながらも投球内容は良かった。
二桁勝利が現実味を帯び、西武・源田独走状態だった新人王レースにも追いつこうかということで、山岡の闘志も高かった。

たとえば、過去3戦と比べ、速球は約1.4kmほど球速上昇、走っていた。
看板球のスライダーは良く切れていた。

象徴すべき数字があった。

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