【試合評】横山貴明3年目の現在地。その成長と課題点~2016年8月20日●楽天イーグルス1-11オリックス
8度目の正直は、エースまさかの炎上で成就せず
イーグルスは今季8度目の4連勝の挑戦権を、則本を擁立して臨んだが、そのエースが5回9安打6失点とまさかの誤算。
敗戦処理に入った横山も2回4失点、西宮は1回1失点と、3投手が失点を重ねる投壊ゲームになってしまった。
二桁失点は今シーズン10度目。10点差以上を離された大敗は3月29日ロッテ戦(●E2-12M)、7月22日ロッテ戦(●E1-12M)に続く3度目の屈辱になった。
両軍のスタメン
楽天=1番・島内(中)、2番・今江(三)、3番・茂木(遊)、4番・ウィーラー(左)、5番・ペゲーロ(右)、6番・銀次(一)、7番・アマダー(指)、8番・藤田(二)、9番・足立(捕)、先発・則本(右投)
オリックス=1番・吉田正(左)、2番・西野(二)、3番・糸井(右)、4番・T-岡田(左)、5番・モレル(三)、6番・ボグセビック(中)、7番・中島(指)、8番・若月(捕)、9番・鈴木昂(遊)、先発・ディクソン(右投)
相手の術中にハマる
攻撃は8回まで投げた相手先発ディクソンの前に1得点に終わった。7回まで散発の5安打と打線がつながらず、ようやく連打が飛び出したのは8回のこと。1死無走者から右中間二塁打で出塁した2番・今江を、3番・茂木の中安でホームに返すその1点に止まった。
楽天はディクソン対策として「カーブが中心のピッチャー。カウントを取りにくるストレートをいかにしっかり打つか。追い込まれるとどうしてもカーブが多くなるから、追い込まれる前に勝負を仕掛けたいね」と礒部コーチの談話。
しかし、ストレートの球種割合が41.8%に対し、楽天打線の同打席割合が35.5%、カーブの球種割合が50.0%に対し同58.1%になっており、結果球がディクソンのマネーピッチ、ナックルカーブで終わるケースが多かったことがうかがえる。
相手の術中にハマり、またしても4連勝ならずのイーグルスはチーム成績を4位、107試合47勝58敗2分の勝率.448とした。
ゲーム差は1位・ソフトバンクと19.0、2位・日本ハムと17.5、3位・ロッテと10.0、5位・西武と2.0、6位・オリックスと5.0としている。
各種戦績は、後半戦13勝13敗、8月9勝7敗、オリックス戦8勝8敗、ビジター19勝31敗1分になった。
横山貴明の現在地~その改善点と課題点
本戦の戦犯は則本ということになるのだろうが、私はその則本の本調子ではなかったピッチングよりも、二番手で登板してきた横山のほうに目が行ってしまった。
横山と言えば、ドラフト3位以下がほぼほぼ働かない2013年ドラフトでの早稲田大学からの6位入団だ。
1年目の2014年は4試合18.1回で防御率5.40。NPB史上初の1球プロ初勝利で話題を呼んだが、成績自体はパッとしなかった。2年目の昨年も7試合15.2回に止まり、防御率はさらに悪化して9.77。今年こそ試合数は全てリリーフで18を数えていたが、投球回は16.1回で防御率4.96と、とても1軍戦力に寄与しているとは言いがたい状況である。
しかし、皆さんはあまり気付いていないかもしれないが、地味ながらも確実に改善傾向を見せていることも確かなのだ。
昨年オフ~今年年初は、自らブログを読んで連絡を取った個人トレーナーと契約、肉体改造に励み、リオ五輪で金メダルを取ったバドミントンのタカマツペアの松友選手と同じジムで汗を流すなど、トレーニングに励んでいる様子は横山のInstagramで確認することができる。横山のInstagramは同僚の楽天選手とご飯を食べに行ったときの写真か、ジムでトレーニングに専念するときの映像のほぼどちらかになっている。
その成果は確実に現れていて、、、
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