【試合感想文】 2/13ロッテ5-0楽天:最も気になった2回1死2塁・田村の場面
投打かみ合わず、今江監督初カミナリ
バレンタインを前日に控えた沖縄・金武ベースボールスタジアムには、あまりにも寂しい光景が広がっていた。
今江新体制の初陣となった2/11日本ハム戦は4失点。この日のロッテ戦は5失点。
先発・内星龍以下の6投手は毎回ランナーを背負う状況。得点圏に駒を進められたのも計8イニングを数え、12安打9四死球を許した。
開幕までの準備期間である2月練習試合とはいえ、チーム防御率2年連続リーグ最下位から投手陣再建を期すイーグルスにとって、手放しではいられない。
それにこの試合は2番手以降で9四死球を記録した。若き指揮官もさすがに危機感を覚えたか、初カミナリを落としたと報じられている。
いっぽうの打線も、内野安打を含む3単打だった。
4回2死1塁、辰己涼介の二直や5回先頭・平良竜哉の三ゴなど、捉えた当たりや痛烈な打球が野手の正面をついた場面もあった。3回1死走者なし、小深田大翔の二ゴは藤岡裕大の横っ飛び好守に遭う不運もあった。とはいえ、こちらも寂しい光景だった。
新加入の鷲男がハッスルしてます!
そんななか、僕の中でひときわ印象に残った選手は、新戦力の育成・山田遥楓である。
2番・遊撃で4回表の守備から途中出場。
打っては投安、遊ゴだったが、全力疾走がとにかく清々しかった。
6回無死1塁の1打席目は左腕・土肥星也の変化球にタイミング狂わされ、バットの先のゴロ。
これが土肥のグラブを弾くかたちになり、1塁へ全力疾走。
土肥はひろいなおして1塁送球したが間一髪セーフ!
この試合、楽天打線唯一のスコアリングポジションは、昨秋に日本ハムを戦力外になった27歳が足で演出したものになった。
9回先頭でまわった2打席目の遊ゴも、全力疾走を貫いた。
ショートを守った小川龍成の送球が乱れたのも、そんな山田の気迫に焦りを覚えたからかもしれない。ともすれば相手エラーを誘発させるような走りっぷりだった。
実況パワフルプロ野球の最新データでは鷲男の走力はC63。決して速いほうではない。しかし、この日は中継越しに観戦したファンにも伝わるぐらい、誰よりも気持ちを出してプレーしていた。
遊撃守備でも良い場面があった。
7回先頭・髙部瑛斗の遊ゴをさばいた場面だ。
左腕・櫻井周斗が髙部のタイミングをうまくはずし、バットを折るボテボテのゴロを打たせた。
バットが折れたから、打球が不規則になりがちな嫌な(Nasty)打球。
打者走者は前述パワプロでは走力S90もある韋駄天の22年盗塁王だった。
どこかしら処理をもたつくと1塁はセーフになってしまう。
そのなか、軽快に処理してランニングスローで1塁アウトにしてみせた。
山田にはこれがある。
今キャンプのシート打撃から良い守備をみせてくれている育成新戦力の守備力は、1軍にぜひ必要だ。このまま順調にいけば、開幕前の支配下はかなり確率が高いとみた!
内星龍はストレートが球威不足
この日、最も印象に残った選手が山田なら、最も印象に残った場面は、2回1死2塁、田村龍弘に三塁打を浴びたシーンだった。
2回1死2塁、先発・内が履正社高の先輩・安田尚憲にツーベースを弾き返され、先制点を許した直後である。
8番打者の田村に対し、変化球、変化球で入り、わずか2球で0-2と追い込むことに成功。
1球胸元にブラッシュボールをみせたあと、4球目は低めに誘ったが、うまく右方向へファウルでカットされ、1-2からの打ち直し5球目だった。
外を狙った真っ直ぐが甘く入ったところをガツンとやられた。
レフトからライトへの風にも乗ったのだろう。打球は右中間に伸びていき、背走するセンター辰己を超えてフェンスまで到達。悠々のタイムリースリーベースでロッテに2点目が入った。
いろいろ課題が見え隠れした場面だ。
まず、(続く)
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