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球団のブレない方針がくっきり見えた、楽天イーグルスの2016年ドラフト結果

田中正義投手に6球団が競合する中、楽天は横浜高・藤平尚真投手を単独氏名

こんにちは。信州上田在住、故郷の英雄・真田幸村の赤備えがクリムゾンレッドに見える楽天推しの野球好き、@eagleshibakawaです。

本日、東京・高輪の高級ホテルで2016年のプロ野球ドラフト会議が行われました。

最大注目の創価大・田中正義投手はロッテ、ソフトバンク、巨人、日本ハム、広島の5球団が競合。同じく大学BIG3の1人、明大・柳裕也投手には中日、DeNAの2球団が競合。抽選の末、田中投手はソフトバンクが、柳投手は中日が交渉権を獲得しました。

その中、楽天は夏の甲子園にも出場した横浜高のエース、藤平尚真投手の1本釣りに成功しました。

藤平投手以下、10人を支配下で獲得。うち投手は8人という大量獲得になりました。今季のチーム失点が球団史上3番目に悪い654失点でした。この手当てをする意味合いが強いと思います。

◎楽天がドラフトで指名した支配下10選手

※この他、育成で地元・花巻東高を含む投手を2人、大学と独立リーグから内野手2名を指名、合計13人の大所帯氏名になった。

現在、楽天の支配下は63人です。(引退の川井、栗原、退団のゴームズやレイ、第一次戦力外通告の8人を除くと)

今回、支配下で10人を指名しましたから、足すと73人。3人オーバーになるんですよね。第二次戦力外通告期間で最低3人は構想外になるものと思います。高卒捕手を取ったから、川本捕手あたりは首筋が寒くなっているでしょうね。

驚かされた藤平の単独指名

さて、藤平投手の話です。いやはや、驚きでしたよね。

各紙の事前報道では、田中、柳、桜美林大・佐々木千隼といった大学BIG3の名前が飛び交っていました。星野副会長も「5球団になろうが、6球団になろうがチャレンジしていく。逃げは打たない」と明言。今から思えば、完全なるブラフ。思い切り、手玉にトラれてしまったのは、私だけではないはずです。

Twitterのフォロワーさんに教えて頂いたのですが、大学社会人と高校が一緒になった統一ドラフトになった2008年以降、楽天のくじ引きなしの単独氏名は初になりました。

TBSの中継番組では、解説の槙原寛己氏が「球団の育成方針がはっきり見えていますね」と寸評していましたが、そういうことなのでしょう。

楽天はここまで高卒投手を15人指名。そのうち8人が星野体制が始まった2011年以降の指名になっています。もっと言えば、その8人中5人が2位までの指名で、潜在能力のある高校球児を指名して育成する球団方針があります。その方針を貫いたと言えます。目先の確かな即戦力より、潜在能力のある高校球児ということです。決して逃げを打ったわけではなく、高校球児の中で藤平投手がNo.1の評価だったということです。

真に勝負の年を2018年と位置づけか?

そして、ここで明らかになったと思うのは、楽天が2度目の日本一へ「真に勝負をかけるシーズン」を、2017年ではなく2018年に設定しているということです。日本ハム・大谷翔平投手のMLB行きが2017年オフ。二刀流がNPBを卒業してその脅威がなくなった2018年こそ、2度目の日本一へ。そのための橋頭保を構築し、Aクラス争いできる力を確実に蓄える。その季節こそ2017年という位置づけなのでしょう。

さて、藤平投手です。夏の甲子園は驚かされました!  

私はこの夏、BIG3+作新学院・今井達也投手(西武1位)の投球を、全球データを取って観戦しましたが、藤平投手のパワーピッチングには度肝を抜きました。

例えば、花咲徳栄の高橋昂也投手(広島2位)がイマイチな内容だったのに対し、藤平投手は「高校BIG3」の前評判どおりでした。

惜しくもチームが履正社に敗れたことで2回戦で姿を消しましたが、甲子園で合計13回を投げて、投球回を大きく上回る奪三振20を記録。被安打は投球回を下回る10本(長打は二塁打2本のみ)、自責点1の防御率0.69という素晴らしい成績でした。常に当該世代のトップを走ってきた注目右腕ならではの209球でした。

◎横浜高・藤平尚真投手 2016年夏の甲子園 投手成績

ストレートはまさに剛球。優れたFIPを叩き出せる素質十分

持ち球はストレートの他にスライダー、フォーク、カーブ、シンカーと投げますが、注目すべきは軸球になる真っ直ぐです。

最速152kmですが、今大会では最速148kmを計測。平均143.4kmは、今季のパリーグ平均142.7kmを上回る値です。

NPBの平均が141~142kmですので、個人的にスピードボールの定義を145km以上に設定しています。今大会、145km以上のストレートは全投手合計289球で記録されたのですが、藤平投手は、、、

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